はかない決意


 もし今日試合が8時半から行われていたら親に起こしてもらうことになっていたが、その必要はなかった。8時前にパッと目が醒めたのである。

 高校野球がある時は、必ずと言っていいほど第1試合の開始時間までに起きられる。
これはある意味、特異体質といえよう。

 今日は好試合ばかりであった。特に第1試合は今大会で最もレベルが高く、最もいい試合だったと思う。平安と明徳が2回戦でぶつかるとはもったいな過ぎた。

 第2試合も緊迫感のある好ゲームであった。東北、近江も2回戦で対戦するには早い。

 しかし、この2試合で、わしが夢を託した明徳義塾、近江が相次いで敗れてしまった。両校とも相手を上回る安打を放ちながら、スミ1に終わるという拙攻。この拙攻を目の当たりにして、ストレスが溜まりまくった。

 
好きな高校野球を見てストレスを溜めとるようでは…。本末転倒もいいところだ。  

 こうしてみると、いかに純粋な気持ちが失われているかがよくわかるというものだ。社会人になるまでは好試合に感動し、ファインプレーに喝采するという生粋の高校野球ファンだったのになぁ。
 

 第3試合からは初心に返ろうと思った。わしは、東海大相模−鹿児島実業の大熱戦に子供心に猛烈に感動して以来、高校野球ファンになったのである。その時の気持ちに戻ろうと自分を叱咤したのであったが…。  

 ミスがあったというものの、第3試合も好試合であった。しかし、試合を見ながら、「あ〜、木内のおっさんと心中すべきだったな」という思いばかりが頭をよぎった。

 そして、続く第4試合で完全に初心を忘れてしまった。静岡のもたつきぶりにえらいイライラしてしまったのである。

 
というわけで、決意は2試合しか持たんかった。

 今年はもう諦めた。来年の選抜に捲土重来を期す。



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