社会復帰への不安
昼1時過ぎ、出掛けようと思っていたら、携帯が「今ありて」を奏でた。「今ありて」は、阿久悠と谷村新司の黄金コンビによる選抜の大会歌であり、心に染み入る名曲である。
しかし、かけてきた相手は、その名曲と一番かけ離れている男であった。ご存知、アホ後輩である。
「2日に3人目が生まれた」という報告であったが、ついでに、愛人とのことを聞いてみた。そしたら、「2週間前に会ったきりだよ」とのこと。
しかし、どこが、「きり」なんじゃい。それに、愛人と会っている最中にかみさんが産気づいたら、シャレにならんだろが。
まあいい。16日にマーができるか聞いたら、「やれる」と言ってたから。問題は、その日、奴がきれいな身になれるかだ。
奴に、「安藤が死んだよ」と言ったら、「ホント? いつ死んだの?」と驚いていた。かのように、麻雀愛好家で安藤の名を知らない者はいないくらい、安藤プロは麻雀愛好家のうちでは名が通っているのである。
安藤プロの得意戦法は、「亜空間殺法」という、常識はずれの鳴きをして、流れを変えるというものである。今、日記を書きながら、スカパーの麻雀番組の再放送で、安藤プロの在りし日の闘牌ぶりを見ているが、もう「亜空間殺法」が見られないかと思うと、本当に寂しい。あらためて、その冥福を祈りたい。
※安藤プロは、腕に「亜空間殺法」と刺繍されたポロシャツを着て麻雀を打つなど、実にユニークな人であった。また、安藤プロが原作の「むこうぶち」の主人公が大きな手をロンする時は、「御無礼」と言って手を倒すことも麻雀ファンの間では有名だが、安藤プロは「御無礼」というネームが背中に入ったポロシャツもよく着ていた。
こう書くといかにも狂人っぽいが、彼は麻雀打ちでは珍しく礼儀正しい人として知られ、後輩の面倒見もいいことでも知られていた。なお、美人プロとして知られる二階堂姉妹は安藤プロの弟子である。ちなみに、Xはフリー雀荘で二階堂姉と打ったことがあるとか。
アホ後輩との電話が終わった後、家を出て、駅前のキャッシュコーナーに行った。とりあえず、親に金を返そうと思ったのであるが、わしが暗証番号を打っていたら、やおらじいさんが入ってきて、「ここに通帳ありませんでしたか?」と言ってきた。
ひとしきり周囲を見回したが通帳などどこにもなかった。じいさんはおずおずと出て行ったが、これは誰かに持っていかれたな。早く銀行に電話しないとやばいことになるかもしれん。
それから図書館に行こうと思ったが、家を出る前からの頭痛が激しくなってきたので、めげて家に帰って来た。そのまま昼寝したら治ったから、寝不足からきた頭痛だったのだろう。昨日も9時間寝たのに、どういうことだ?
明日も休みだが、明日は午後から所要があるので、とりあえず、今晩も9時間は寝るつもりである。しかし、こんなのばっかで、社会復帰ができるのだろうか?