クソハガいデート
信玄オヤジにはついて行けん。今日もいつもの時間に行ったのだが、山ちゃんしかいなかった。
わしの顔を見るなり山ちゃんが、「マスター、もうすぐ帰ってくるから、待ってってよ」と言ってきたので、スポーツ新聞を読みながらオヤジを待つことにした。
そしたら、5分ほどしてオヤジが帰って来た。「いやぁさ、お客さんがあんまり来ないもんだから、散歩に行っていたんだよ」だと。
この野郎〜、土曜は、いつも今くらいの時間にわしが来てるじゃねぇか。それを散歩に行っているドアホがおるか!
頭きたので中華丼を頼んだが、わしが呼ぶ子になったのか、その後、客が5人も来た。そこでまた麺がなくなって看板となったが、もしその時も散歩に行っていたら、どうなっていたのか? 気の長いわしだから5分待ったけど、ふつうはそんなに待たないぜ。
閑話休題。今日の帰り、わけのわからんおっさんと会ってきた。
現在、6年前までばあさんが住んでいた家が空き家になっているのだが、その家の地主である、近所でも鬼のように評判が悪いクソババァが都市開発業者のおっさんを介して、家を自分に売ってほしいと言ってきているのだ。本来ならその家の名義人であるばあさんとその子供達が交渉に当たるべきなのだが、いろいろとあって、わしが前面に立っている。
今までは、そのおっさんと電話でやり取りしていたのであるが、おっさんの強引な計らいにより、今日、直に会うことになっていたのである。
電話で話した限り、いかにも海千山千って感じのおっさんだったが、会ってみてら、やはり如何にもって感じのおっさんだった。しかし、何が悲しゅうて、土曜の夕方に、そんな山師みたいなおっさんとデートせなならんわけ?
お互い電話でしか話したことがなかったので、今日来ている服装とかをあらかじめ知らせてから会ったけど、出会い系サイトで知り合った男女じゃねぇぞ。
で、その家をババァに売らずに、第三者に貸してくれだと? そしたら、地代を今のまま地主のババァに払うだけで、家賃が15万ほど入るだと?
なんかがうま過ぎる。当然のことながら、そんな話には簡単に乗らん。慎重の上にも慎重を期して話を進めるつもりである。
それはともかく、叔父とどうしても連絡が取れないから、今度、わしからもコンタクトしてみてくれだと? そんなもん、知らねぇよ。てめぇで手を尽くせ。
諸般の事情でわしが中心になってやるしかないけど、またまた厄介なことになったなぁ。ハガい。