わしに贈る言葉

 
 
つゆと消えにしわが身かな、平田のことも夢のまた夢
(キムラ・タカシ

 
 
平田が三振に倒れた瞬間から時間が止まっている。

 今日は平田が打てないような予感がしていたら案の定だった。

 なんで悪い予感しか当たらんのか。

 だから、下手に同点に追いつくなって、あれほど言ったろ。

 よりを戻したと思った直後に振られた7年前の冬を思い出させるな。

 こうなったら、明日、信玄オヤジに愚痴を聞いてもらおう。

 しかし、明日、この漬物石が背中に乗っているような状態で出勤できるのか?


 現在、午後10時過ぎ。

 すでに決められた容量の倍の睡眠薬を飲んでいる。

 でも、全然眠気がこねぇ。

 もし1人暮らしだったら、今頃、デリヘル嬢がうちの風呂に入っているだろう。

 よし、わしにありがたい言葉を贈ろう。


  


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