Ｘ弟

　
　楽しみにしているイベントとかは、その直前や前日が最もいい時間といえよう。

　たとえば、キムラプレーの際も、控え室で待っている時が一番充実した気分になる。マーにしても、その前日に、Ｘから役満を和了るのをイメトレしているのがこの上なく楽しい。

　なんで、今日も朝から幸せな気分でいた。しかし、大悲報が午後１時にもたらされた。早実の後輩テッポウ野郎の都合で明日は中止だと？　それはないぜ、セニョール。

　キムラ店の控え室で、今か今かと出番を待っていた時に、「キムラ様、申し訳ございません。ご指名のルミちゃんが体調を崩しまして…」と言われたのに匹敵するハガさだ。

　その時は、「よろしければ、代わりの女の子でどうでしょうか？」と言われた。それでどうしたかは後述するとして、問題は明日だ。明日だけを見つめてここ数日を過ごしてきた以上、このままというわけにはいかない。

　当然、代替要員の確保をＸに指令した。そして、待つこと15分、「我が弟でいいか？」という返信がきた。相手にとって不足だが、やむを得ん。しかし、我が弟って、バトルフィーバーＪのエゴス怪人じゃねぇぞ。

　とはいえ、奴も甘いな。骨肉相食むみたいなことは気が進まんとは…。卓に着いたら兄弟もへったくれもあるか。

　ともかく、足掻くとロクなことにならないのは世の常。そのキムラ・ドタキャンの時も、代わりに指名した子がイマサンで、後悔という名の地獄に落ちたもんだった。

　Ｘ弟がタコでないことを願いたいもんだ。ただ、あのＸが用意した以上、ある程度は打てるのだろう。

　午後８時まで確約できないとのことだったので、午後７時前の現在、Ｘからのメールを待っているところである。まず大丈夫ということだが、気を抜かないでおこう。

　明日、マーと相成ったかどうかは、明日の日記を待て。