枕を並べる


  早実トリオ、弱ぇ。3人枕を揃えて負けるたぁ。

 勝ったのは、テッポウ野郎の同僚で、灘高から東大へ進んだという秀才君である。
だいたい、今日は早実優勝記念麻雀だぞ。それを、他校出身の人間に3コロにされるかよ。

 わしの場合は、最後の6回が痛かった。オリ打ちしてからつかなくなり、ただ座っているだけ。これほどストレスの溜まることもそうはなかった。

 今日ので一番納得したのは、チートイのドラ単騎をXから一発で討ち取ったことである。

 わしがチートイ・イーシャンテンのところを親のXがリーチをかけた。そして、わしもをトイツにしてテンパイ。

 だが、親リーに一発で赤か、ドラのを切らねばリーチをかけられない。そこで、赤を叩き切ってリーチをしたら、Xが一発でをキャッチ! 
を切るか、を切るかはまさに指運だが、この辺は、ミラクル3とミスターXの格の違いだな。

 対照的に最もハガかったのは、東風戦3局目で、2人リーチにを打って、ダブロンを食らった場面であった。

 親倍と満貫だと? 宇宙の果てまで飛んでいったが、しゃあねぇ。わしも、3メンチャンで会心の手を張ったんでね。

 
それはそうと、テッポウ野郎、本当にテッポウで来るかぁ。わしですら、今日は初対面の相手がいるんで、田村でなかったってのによ。

 
といっても、母親から金を借りて来たので大きなことを言えないがな。それに、もしXかテッポウ野郎に負けていたら、麻雀打つ時は金を持たない主義を貫くつもりだったし。

 テッポウ野郎は、遅刻野郎でもあるのが問題である。
10時に馬場に集合って言ったろ。

 
それが、なんで、10時の時点でまだ代々木上原なんだ? 早実の大先輩2人を前に、とんでもない野郎だ。

 結局、テッポウ野郎は、コンビニのATMで金を下ろすことをXに強要された。今回の負け分だけならまだしも、繰越になっていた前回の負け分も払えないってんじゃ、それも当然だろう。

 しかし、テッポウ野郎、なかなかコンビニから出てこなかったな。
野郎、フケようとしてたくせぇな。

 テッポウであることや遅刻常習犯であることはいい。それよりもだ。麻雀の腕をなんとかしろ。その腕で、よくわしらとやる気になるな。

 今晩はぐっすり寝て、今日の疲れを癒すとするか。



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