無遅刻記録に終止符


 ついに記録がストップする時が来た。今朝、入職以来、初めて遅刻したのである。遅刻した理由は、山手線の信号トラブルであった。

 高田馬場の西武線と山手線を繋ぐ連絡橋を見たら、山手線がホームを半分くらい出たところでストップしているのが見えた。そしたら、
「代々木・原宿間の信号機トラブルで、ただいま山手線内回り電車は運転を見合わせています」という放送があった。

 それでも、間もなく動くだろうと思った。それで、山手線のホームまで降りて行った。

 しかし、電車はストップしたまま。このままだと遅刻してしまう。が、西武線で西武新宿まで行っても間に合わない。

 そこで、遅刻を甘受することにした。そして、高田馬場駅で山手線が運転を再開するのを待つことを決意した。

 ふと隣の列を見たら上司がいた。遅刻の同志がいるのは心強い。

 が、しばらくして隣の列に目をやったら、上司が消えていた。どうやら、西武線の振替輸送を利用することを決断したくせぇ。

 
こうなったら、わしは梃子でも動かんぞ。ところが、いつまで経っても山手線は動かない。そこに、「復旧まではしばらくかかる見込みです」という放送が流れた。

 もはやこれまで。わしも西武線の振替輸送を使うことにした。どうやら上司の方が判断力に優れていたようである。

 西武線は思ってより混んでいなかったが、新宿駅が大混乱であった。中央線まで止まっているたぁ。

 山手線も中央線もトラブルが多過ぎるって。出勤ルートを変えるのが賢明かもしれん。
ただ、その場合、朝いつも同じ電車になる美女2人とお別れしなくてはならないが…。

 新宿駅南口改札で遅延証明書をもらおうと思ったら、出し抜けに、
「TBSですが、今日は電車のトラブルで大変ですね」とマイクを向けられた。そこは冷静沈着なわし。インタビューに落ち着いて答えた。

 それから、
「会社の方は大丈夫ですか?」「電車は混んでいましたか?」などという質問を受けた。それらに対してつまらない答えに終始してしまった。

 こりゃぁ、生中継でもない限りボツだな。ていうか、生中継はないな。時間は8時45分前後だったが、その時間、TBSでは
「花まるマーケット」とかいう、くだらない番組が放送されているはず。

 ま、テレビに映ったかどうかなど、どうでもええ。インタビューを受けた時は、ざんばら頭だっただろうし。
そんなツラは自分でも見たかねぇ。

 結局、職場には始業時間から30分以上遅れて着いた。当然の如く、上司は先に来ていた。やはり西武新宿まで西武線で行ったそうである。

 上司に遅刻届けの書き方を聞いたが、そんなに難しいものではなかった。遅刻の理由の欄には、
「山手線の信号トラブル」と書いて、判子を押したらそれで済んだ。

 これがもし号泣組翁だったら…。
「JR山手線の代々木駅・原宿駅における信号機トラブルによる運転見合わせのため」となるだろう。

 それはそうと、号泣組翁め。わしが部屋に入った時、号泣組翁がとっつぁんに、
「あ、来ましたよ」とささやくのが聞こえた。

 
てめぇら、わしの悪口を言っていたな。まあいい。あんたらなど、相手にせずだよ。

 まじで朝から疲れた。もう遅刻は懲り懲りだ。

 今日は早く寝るしかない。今日は11時には寝たい…。



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