会話のセンスを磨け

 
 今日は号泣組翁が出勤してきた。土曜の出勤がよほど嬉しいのか、朝からニコニコしていた。

 翁は、昨日もしゃれこうべと残業合戦をやったとか。結果は引き分けだったくせぇ。

 
そんなもん、わしに言わせれば、両者リングアウトよ。人生、有限なんだ。不毛な残業合戦など、ようせんわ。

 それで、昨日は駅に行く道の途中まで一緒に帰ったという。
「その時に面白いことがあった」と、翁が満面に笑みを浮かべて話し出した。

  
翁:昨日、しゃれこうべと帰りが一緒になったんですよ。

 わし:ほぉ。

  翁:しゃれこうべは薄着をしていたんで、夜に気温が下がってビルから冷たい風が吹いてきたら寒がってました。

 わし:それで? 

  翁:それで話は終わりですよ。

 なんだ、そりゃ? オチがねぇじゃねぇか。

 そんな話を関西でしたら、すまきにされるぜ。
もっとも、翁の会話センスでは、どこでも生きていけないがな。

 予告通り、今日は虎のネクタイをしていった。もちろん、昨日、狼のネクタイに驚いたコンビニの姉ちゃんの鼻をあかすためである。

 が、セーターを脱がないまま、レジに向かった。
姉ちゃんを卒倒させるとまずいのでな。

 
「本当は勇気がなかったのじゃないか?」だと? ノーコメントだ。

 女って、そんなにネクタイに興味があるのか? コンビニの姉ちゃん、同じフロアのミイラおばさん、歯科衛生士、中年の女性薬剤師…。わしのアニマル・ネクタイに刮目するのは女ばかりだ。

 あ、男で1人いた。翁だ。

 翁は、人が着ている物、付けている物、すべてをチェックしているのである。
そんなことをするより、会話のセンスを磨いてくれ。

 明日は休みだ。明日はセンスのある会話をしたいものである。



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