ナゾの太鼓の音
6畳に2人の男が寝るとなると、おぞましいことになる。新婚の夫婦のような布団の敷かれ方になった。
しかし、文句は言えん。一緒に泊まってもらえるだけで有難いんだからよ。
とっつぁんのかみさんも、わしのあまりの情けなさを笑っていたくせぇ。情けないのは百も承知。今更、恥も外聞もあるか。
木賃宿だけあって、BSは映らないし、インターネットの環境も整っていなかった。風呂も入れたものではなかった。
それはいい。訳がわからなかったのは、夜中の11時過ぎまで、どこの部屋からか、太鼓の音が聞こえていたことである。宿で太鼓の稽古って、意味がわからん。
ともかく、もうこんな安宿には泊まらん。仮眠室がある雀荘を探すとするか…。
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