わしは飲まず

　
　今週が夏休みのはずのとっつぁんが来ていた。「仕事が溜まっているから、来週に夏休みを回す」だと？　

　随分と殊勝なことを言うじゃねぇか。毎日が夏休みなくせによ。

　とっつぁんに、谷川九段が鈴木大介八段に、穴熊を組んでいたにもかからわず、80数手でぶっ殺されたことを報告した。とっつぁんではないが、谷川九段がタイトルを取ることはもうないだろうな。

　麻雀は、歳とともに引きが弱くなる。将棋も、歳を取ると気鋭の若手に勝てなくなる。

　それにしても、穴熊に組んで80数手で投了って…。その後の感想戦で谷川九段が晒し者になっていたのは気の毒だった。

　しかし、そこは人格者の谷川九段。不機嫌攻撃は、いっさい繰り出さなかった。

　今日は、６時から人と会ってきた。その人は元同僚で、わしが入院した時に、いの一番に見舞いに来てくれた人である。

　今日は、超多忙な日程を縫って、わしを勇気づけに会いに来てくれた。今日も、その人の前で泣いてしまった。

　その人を見ると、条件反射で泣いてしまう。でも、苦しくてたまらない胸のうちを吐露したら、気分がだいぶ楽になった。

　が、そうも甘えてられない。その人にも迷惑だしな。今週は土曜にカウンセリングを受けるし、そっちで母親への思慕から抜け出せない胸のうちを打ち明けるか。

　今日も、アルコールを一滴も口にしなかった。ただでさえ全く飲めないのに、飲んだら心理的に余計に苦しくなるのは自明。それに、アルコールで睡眠薬が効かなくなったらシャレにならん。

　今日は、日記の内容が重くなってしまった。明日は、号泣組翁の狂人ぶりなどを書いて、本来の反則日記にしたい…。