本当は7時間だ
午前9時過ぎ、胸ポケットの携帯が振動した。誰からの電話orメールと思ったら、針の名人からであった。
「今日もドタキャンを食らわせたら許さん」と思って出たら、「予約時間を30分遅らせてくれ」とのことだった。
しょうがねぇなぁ。わしにだって、予定ってもんがあるんだよ。ない。
針の名人は会うなり、先週のドタキャンと今日の予約変更を平身低頭で詫びた。そこまで恐縮することはないって。
針の名人に、年末年始に麻雀をやったことで、先週から腰が張っていると訴えた。
名人に、「何時間くらい打ったの?」と聞かれたので、「3、4時間です」と、シャミを引いた。本当は7時間だ。
しかし、名人の目はごまかせなかった。「だいぶ腰の血流が悪いですね」と言われた。
わしがフカシをぶっこいたことを見抜かれたくせぇ。それで、1か月に1回のペースだったのに、来週も来るように言われた。
そこは1回の治療代が7000円だから、わしが行ったフリー雀荘での箱ラス分の料金が余計に掛かることになってしまったわけだ。
競馬がヘタクソな奴らとのクソ麻雀で腰痛にならず、フリー雀荘での麻雀で腰痛になったのは、座布団によるところが全てである。
クソ麻雀では、家から腰痛用の座布団を持って行って打っている。が、フリー雀荘では座布団なしでツモっていた。
今度またフリー雀荘に行く時は、家から座布団を持ち込む。もっとも、再訪はしばらくないだろう。
針の名人に診てもらった後は、‘かめや’に寄ることにしている。わしが「天玉うどん」を頼んだら、今日も怪訝な顔をされた。
というのも、客のほとんどが熱い蕎麦を注文するからである。熱いのは蕎麦よりうどんよ。わしは、隠れてうどんを食っていたマンモス西が好きなんじゃい。
今日のゲンダイは凄かった。今日の安倍に対する罵倒は、今年で最過激と思われる。
「冗談と思えないバカ首相の外交での言動」は、コートジボワールの大統領に、「ワールドカップでの対戦を引き分けにしてくれ」と軽口を聞いたことに対しての見出しである。
続いて、「首相であるのが国民として恥ずかしい、この極端な低能さ加減」と来た。
さらに、「彼は知性を持っているのか」との大見出しが踊り、最後の小見出しが、「知恵の足りない男ほど大言壮語するのが常だが、『地球儀を俯瞰する外交』なんて、すでに狂人の領域だ」であった。
よくぞ、ここまで書いてくれた。心から快哉を叫びたい。
相撲君とは、今日、今週になって初めて顔を合わせた。相撲君は、わししか相撲の話をする相手が職場にいないから、相撲の話を振ると立て板に水状態になる。
相撲君も、初日の稀勢の里のガチガチぶりを指摘していた。そして、「稀勢の里の横綱昇進はないだろう」ということで見解が一致した。
そしたら、本当にそうなった。今日の負けで、もう絶望よ。
今日は、立ち合いからしてダメだった。野郎も指摘していたように、あんなに呼吸が合わなかったら、立ち遅れるのも道理である。
相撲君によると、琴欧洲の大関復帰の可能性よりも、琴奨菊の大関陥落の可能性の方が高いとか。
わしは、琴欧洲も琴奨菊もハガいことになると見ている。となると、場所後の佐渡ヶ嶽部屋の打ち上げ会がお通夜状態になろう。
お通夜か。わしのお通夜では、わしは何と言われるのだろうか?
わしの数々の奇行が、お通夜の酒のネタにされそうな嫌な予感だ…。
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