96年の松山商

 
 プー太郎生活1732日目。

 明日はマンションの総会がある。理事長だから出前を取れないのがハガい。

 このご時世なんだから延期しろよ。明日は5人くらいしか出席しまい。

 商工会館が場所を提供してくれないとかで、明日はマンションのエンタランスでの開催となる。

 だから、そうまでしてやるなよ。マンションの管理会社の融通の利かなさは、ある意味、究極タイガーだ。

 郵便箱のゲンダイを取りにエレベーターで1階に降りたら、管理人室に管理会社の兄ちゃんが居た。

 なんでも明日の下準備で来たそうである。それもまたハガいな。

 お互いにマスクをしていたこともあり、世間話になった。

 わ  し:
プロ野球がないので、夜は暇を持て余していますよ。 
 兄ちゃん:
今年中の開幕は難しいでしょうね。 
 わ  し:
夏の甲子園大会も中止になりそうで…。私、高校野球が大好きなんですよ。 
 兄ちゃん:
私は愛媛県の高校出身で、高3の時、夏の大会で優勝しました。 
 わ  し:
ということは、96年の松山商ですか? 
 兄ちゃん:
そうです。矢野の奇跡のバックホームで有名な。 
 わ  し:
あの試合はテレビで見ていました。 

 そこから、わしの独壇場になった。

 
「選抜では初戦で宇都宮工に負けていたので、夏の大会では優勝候補ではなかったですよね」 
 「デブのファーストの今井を覚えていますよ」
 「今井、渡部、石原のクリーンアップは強力でしたね」 
 「準々決勝で鹿児島実業に勝ったのが大きかったですね」 

 兄ちゃんは、
「詳しいですねぇ」と、しきりに感心していたが、この程度で感心されては困る。

 70年代後半から80年代半ばにかけては、こんなもんじゃないぜ。

 ともかく、これで兄ちゃんが今年で42歳というのがわかった。

 その手の話をわしにしたら、リーチ・一発・ツモで歳がわかるから注意した方がいいな。

 わしが就職したての頃、職場にさる奇人が居た。

 その奇人は、出す書類によって全て生年月日が違っていて、絶対に自分の歳を明かさかなかった。

 が、ある時、
「高2の時、中京商が春夏連覇をした」と言ったことで、その奇人の歳がわかってしまった。

 敢えて、
「今年で何歳ですね」とは言わなかったが。それで面倒なことになるのが嫌だったのでな。

 その奇人は、職場の健康診断を絶対に受けないことで知られていた。

 SMクラブの常連で背中が傷だらけなのが理由とのことであったが、真偽は不明である。

 その奇人に、
「今日、上野のクラブに行くんだけど、一緒に行かない?」と誘われたことがある。

 そんなもん、即、断った。わしに、そんな趣味はねぇ。

 わしは何度もキムラに変身しているが、SMクラブとキャバクラには1度も行ったことがない。

 あに? 高田川親方とその部屋の十両力士がコロナ陽性だと? 

 こりゃあ、5月場所の開催は不可能だな。そんなことは南海権左でもわかる。

 もし無観客で強行開催して、場所中に誰かがコロナになったら終わり。

 それからしても、最初から中止にした方が賢明である。それも、南海権左でもわかる。

 あ゛~、明日の総会、うざってぇ。せめての救いは、午後の1時からだから寝坊ができることである。

 最後に、
「明日の総会の出席者が3人以下だったら暴れる」と書いておきたい。了

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