元直属の上司の訃報

 
 プー太郎生活3089日目。

 木曜版と金曜版のゲンダイが届いているだろうと思って郵便箱を開けたら…。

 元直属の上司が亡くなったことを知らせる葉書きが奥さんから送られてきていた。

 長らくパーキンソン病を患っていたから、ずっと心配していたのだが…。

 葉書きに家族葬で済ませたとあった。

 とはいえ、在職中、わしが最もお世話になった人だから、ご自宅にご焼香に行きたい。

 元上司にも世話を掛けたが、元上司とは仕事上ではほとんど関わらなかった。

 その点、元直属の上司には仕事上、最も面倒を見てもらった。

 あの人が直属の上司でなかったら、今のわしはなかった可能性が高い。

 それだけに訃報はショックである。

 忘れもしないのは、入職初日の午後5時においてのことである。

 当然、残業だろうと思っていたところ、元直属の上司に、
「もう帰っていいですよ」と言われたのであった。

 その日以降も残業を命じられることは一切なかった。

 そのおかげで大学のサークルの活動に毎回顔を出せたのである。

 また、プロ野球を6時からラジオが聴くことができ、大相撲も終盤の取組をライブ観戦できた。

 元直属の上司は極めて温厚な性格な人だったこともあり、1度も怒られたことがなかった。

 だから、パワハラを受けた経験は皆無であった。

 最も恐縮したのは入職した年の6月に、
「夏休みをいつ取られますか?」と、敬体表現で聞かれたことである。

 そんな仏のような人と確執関係にあったって、‘とっつぁん’は何だったんだよ。

 号泣組翁も元直属の上司の世話になっていたから、メールで訃報を知らせた。

 そしたら、すぐに返信が来た。その辺は翁ならではある。

 元上司と大納言に電話したところ、2人とも出なかった。

 が、2人から折り返しの電話があった。

 その電話で元同僚達でご焼香に行くことになった。

 それは当然として、わしが連絡係となったのがぁ。

 わしが一番の若輩者だから仕方あるまい。

 ただ、奥さんが、
「ご焼香などはご遠慮願っています」と言う可能性がある。

 その場合は、お悔みの葉書きを書こうと思っている。

 それにしても、人の命は儚いな。

 ここに元直属の上司のご冥福をお祈りしたい。了

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