金田正一(元日本テレビ)


  とにかく、その解説はうるさいの一言だった。

 でも、このおっさんは何か憎めないところがあって、別にうるさくても不愉快ではなかった。

 以下は、金田が十数年前の巨人−広島戦の解説した時のことである。終盤ツーアウト2、3塁でバッターはベテランの山本浩二だった。カウントは2−1。その場面で解説の金田は、「加藤、浩二はアウトコースにヤマ張っとるぞ。ここはインコースや。ええか、加藤、インコースを投げぇ」とわめいていた。


 そして、金田の言う通り加藤初はインコースにシュートを投げた。しかし、インコースを待ち構えていた山本浩二が体を開いてレフト線にツーベースを打ったのだった。その後、いつもはクソうるさい金田は一言もしゃべらなかった。

 また、金田はくだらないダジャレでアナウンサーを再三吐かせていた。


 アナウンサーがある若手を「まさに紅顔の美少年ですね」と言ったら、金田が「私は紅顔の美おじさんです」と返して、そのアナウンサーを絶句させた。

 さらに、金田はよく放送禁止用語を言ってしまい、コンビを組んでいたアナウンサーを謝らせておった。

 金田は、日本テレビで解説をやる前はフジテレビで解説をやっていた。1980年のヤクルト−巨人戦で解説をしていた際、リリーフに出た江川がスコットのピッチャーライナーを取りにいかず、しゃがんでよけたら、ここぞとばかり、江川を「やれ、根性がないの。それ、情けないの」と罵倒した。

 そして、その翌日。その日もフジテレビで同じカードが放送された。放送開始直後、試合そっちのけで放送席が映され、その日の解説担当ではないのに金田が放送席にいた。「あれ? 今日も金田が解説やるの?」と思っていたら、「昨日は言い過ぎました。すんませんでした」と、懺悔させられていた。読売から圧力があったのだろうか?

 昔、TBSの「エモやんのここだけの話」で、ゲストに星野監督が出ていたのだが、2人で金田の悪口を言い出した。星野が「あのガニマタ野郎、『お前、名球会入っているか?、ああ、そうか、お前、200勝してなかったっけ?』って言いやがってよ」とぶちまけたら、江本は「あのおっさん、知っていて言ってるんですよ」と同情していた。

 そして星野が、「ああ、そうだろ。だいたい俺らは大卒だから、高卒の奴らより4年間実働が短いんだよ。その分、勝ち星が少なくて当たり前じゃないか」と返し、江本も「そうそう、それにあのおっさん、高校中退でしょ」と追随し、2人で延々金田の悪口を言っていた。

 それにしても、「昭和名球会」って名前は噴飯ものである。「金田がえばる会」に名称を変えるべきだろう。


 会員を昭和生まれに限定して、自分が最もでかい顔ができるよう川上とか別所とか自分にとってうざったい連中を排除しているところにこのおっさんのセコさが出てますな。
 

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