最強チーム決定トーナメント


 「県別最強チーム」による最強チーム決定トーナメントを開催したいと思います。試合内容などは、私の勝手な想像です。いろいろと反対意見もあると思いますが、どうぞお許し下さい。

県別最強チーム評価表

●大会組み合わせ(北海道・東北、関東、中部を東にしました。47校ですので、夏の大会とは多少日程が異なります)
 
・第1日
 第1試合 東海大甲府(88年)−浜田(98年)
 第2試合 福島商(81年)−PL学園(85年)
 第3試合 浦和学院(86年)−熊本工(96年)

・第2日
 第1試合 星稜(92年)−興南(83年)
 第2試合 宇都宮学園(88年)−崇徳(76年)
 第3試合 秋田経大付(81年)−津久見(88年)
 第4試合 取手二(84年)−日南学園(01年)

・第3日
 第1試合 中越(94年)宇部商(85年
 第2試合 光星学院(00年)−近江(03年)
 第3試合 松商学園(91年)−倉吉北(79年)
 第4試合 
桐生一(99年)−鹿児島実(90年)

・第4日
 第1試合 駒大苫小牧(04年)箕島(79年
 第2試合 新湊(86年)−今治西(77年)
 第3試合 敦賀気比(95年)−平安(97年)


・第5日
 第1試合 岐阜・中京(03年)四日市工(00年
 第2試合 日大山形(79年)−尽誠学園(89年)…以降、2回戦
 第3試合 拓大紅陵(86年)−池田(83年)

・第6日
 第1試合 東北(04年)智弁学園(77年
 第2試合 帝京(92年)−東洋大姫路(77年)
 第3試合 常葉菊川(07年)−海星(76年)
 第4試合 
大船渡(84年)−関西(05年)

・第7日
 第1試合 横浜(98年)明徳(82年
 第2試合 愛知・中京(83年)−柳川商(76年)
 第3試合 佐賀商(82年)−相手未定


●1回戦

・第1日 
 
 第1試合
 浜   田10000000000…1
 東海大甲府00000010001…2

 
1点を追う展開となった東海大甲府は、都築、山崎、太田の左トリオが左腕・和田に牛耳され、6回までわずか2安打。そこで、7回、ワンアウトからフォアボールで出た山口を太田が慎重に送る。この試合初めてのチャンスに、6番・甲斐がライト前へタイムリー。東海大甲府はようやく同点に追いついた。しかし、その後は和田に完全に押さえられ、チャンスすら作れない。一方の浜田打線も石黒−深沢のリレーにかわされ、和田を援護できずにいた。そして11回、東海大甲府は、この回トップの1番・都築がエラーで出て、バントと3盗でワンアウト3塁の大チャンスを迎える。ここで山崎がスクイズを決め、ついに東海大甲府が勝利。大八木監督の采配が光った試合であった。
 

 第2試合
 福島商000000000…0
 P L01100040
×…6

 左腕の好投手・古溝も、PL相手では荷が重かった。初回は切り抜けたものの、2回に桑田、杉本に長短打され、1点を失う。さらに3回には安本にホームランを打たれ、序盤で2失点。その後は踏ん張ったが、エラーと四球に松山、清原のツーベースが絡み、7回に絶望的な4失点。清原に一発は出なかったものの、見事なPLの左腕攻略であった。そして、バックの援護を得た桑田は低目にストレートをビシビシ決め、福島商を2安打に封じ込めた。


 第3試合
 浦和学院000200200…4
 熊 本 工000001000…1

 
 ともに強力打線を誇るが、破壊力では浦和学院が上。4回にヒットで出た小林を伊藤がツーベースで返し、1点を先制。続く半波もツーベースを放って2−0。熊本工は谷口からポツポツヒットを打つが、肝心なところでは、左バッターにはスローカーブ、右打者には魔球・スクリューボールを投げられ、決定打が奪えない。6回に1点を返された浦和学院はその直後の7回表に、鈴木健の3塁打と伊藤の犠牲フライで2点を追加。強打の浦和学院を6安打に押さえた園村であったが、浦和学院の長打力に屈した。




・第2日 
 
 第1試合
 興 南000012000…3
 星 稜000000100…1

 注目は、なんといっても大会屈指の左腕・仲田幸とゴジラ松井の対決である。仲田はまともにいけば打たれると思ったのだろう、徹底したカーブ攻めで松井を3打数ノーヒット1四球に封じた。また、3番の山口にもバッティングをさせず、4打数ノーヒットに押さえた。星稜としては、この2人が打てなければ勝ち目はない。心配された制球難もなかった仲田に4安打1点に押さえられた。興南打線は、左腕・山口に持ち前の機動力を発揮できなかったが、西泊、島袋に効果的なタイムリーが出て、好投する仲田幸を援護した。
 

 第2試合
 
宇都宮学園000000100…1
 
崇   徳00013020
×…6

 投手力にやや難のある宇都宮学園に比べて、崇徳は投攻守にスキがない。その差が如実に出た試合であった。序盤こそ強攻策が裏目に出た崇徳であったが、中盤に影山を攻略。4回に黒田自ら先制のタイムリー、続く5回には山崎、永田、兼光、応武がヒットを連ね、3点を追加。7回にも兼光がタイムリー2点2塁打を放ち、試合を決定づけた。また、黒田も伸びのある速球で強打の宇都宮学園に連打を許さず、稲垣の内野ゴロの間の1点に押さえた。こうして、この試合は崇徳が投打に宇都宮学園を圧倒した。


 第3試合
 
津 久 見000000010…1
 
秋田経大付000000000…0


 試合は、予想通り、秋田経大付・松本、津久見・川崎の両本格派右腕の投げ合いとなった。援護する打線はともに打てない打線ではないが、この日は両投手の出来が打線を上回った。しかし、8回表、エラー絡みでつかんだチャンスに古閑がレフトへうまい流し打ちを見せて、ついに津久見が1点を先取。粘る秋田経大付は、土壇場の9回に先頭のトップ・佐々木がヒット出た。そして、盗塁と送りバントでワンアウト3塁の場面を迎えたが、影山が川崎のインコース攻めにファーストゴロ。続く4番の鈴木もライトへの浅いフライに打ち取られ、万事休す。息づまる投手戦は川崎に軍配が上がったが、松本もその力を存分に見せた試合であった。



 第4試合
 
取 手 二400000001…5
 
日南学園000000200…2

 
 木内監督は、本格派の投手を初回に崩す術を知っている。この試合も1回表、四球で出た吉田を簡単に送らず、2番の佐々木にヒットエンドランを指示。これが見事に決まって、いきなりノーアウト1、3塁のチャンスを得た。ここで下田が寺原の剛速球を右に流し打って、1点を先制。さらに桑原が歩いたノーアウト満塁から中島、石田がしぶとく連打して、この一気に4点を先制。その後は、寺原の150kmの速球を打ちあぐんだだけに大きな4点であった。この4点をバックに石田はすいすい投げ、日南学園の反撃を気が抜けたところを下位打線につけ込まれた2点に押さえた。


・第3日 
 
 第1試合
 宇部商300001003…7
 中 越000000000…0

 中越にとって、宇部商は手に余る相手であった。頼りは穐谷の右腕であったが、初回から打ち込まれた。初回、先頭の佐藤がセンター前へライナーのヒット。続くバントをしない異色の2番バッター・河村もライト前へヒット。田処はセンターフライに倒れたが、4番の福島がセンターオーバーのタイムリーツーベースで2点を先取。ツーアウト後、田上がレフトへ快打して、3点目。中盤は小康状態だった宇部商打線は、終盤に佐藤のホームランなど力ずくで追加点を挙げ、強力打線の真価を発揮した。打線の援護で気が楽になった田上は、左腕から低めにカーブを集め、中越打線を寄せ付けなかった。
 

 第2試合
 光星学院100110000…3
 近  江02001001
×…4

 光星学院の先発が注目されたが、先発のマウンドに登ったのはエースの変則派・斉藤であった。斉藤は持ち前のコンビエーションで中盤まで近江の攻撃を2点に押さえていたが、5回に連打されたところで、根市にマウンドを譲った。根市は1死満塁のピンチを大西の犠牲フライの1点に押さえ、以後も速球を中心に相手打線を押さえ込んだ。一方の近江のエース・小原は打たれながらも粘り強く投げ、3−3のまま勝負は8回の攻防を迎えた。ともにトップバッターから始まる攻撃だったが、三者凡退に終わった光星学院に対し、近江は3番・那須、4番・大西が長短打して1点を勝ち越し。それがそのまま決勝点となった。


 第3試合
 倉 吉 北000000100…1
 松商学園20001100
×…5

 暴れん坊軍団・倉吉北も、ここ30年の北信越のチームで最も投打のバランスが取れている松商学園では相手が悪かった。初回から後手に回ってしまった。初回、先頭の荒井がいきなりツーベース。これで動揺した矢田がバント処理をミスり、やらずもがなの1点が松商学園に入った。さらに、一番打たれてはならない相手エースの上田にタイムリーを打たれ、2点を追う展開になった。自らのタイムリーに気を良くした上田は、ストレートとカーブのコンビネーションが抜群で、倉吉北打線に得点を許さない。この間、内藤のスクイズ、二村のタイムリーと4点差に広がった。倉吉北は、左バッターの山根が上田のストレートをライトオーバーして1点を返したが、反撃もここまでであった。
 

 第4試合
 桐 生 一000000000…0
 鹿児島実00000100
×…1

 実力互角の両チームの対決は、0−0で中盤に入った。そして、迎えた6回、デッドボールで出た宮下をサードにおいて、内之倉がインコースの難しいストレートを三遊間に打ち返して、鹿児島実が1点を先取した。次が左の竹脇だったことを考えたら、正田としては敬遠の策もあったと思われる。この1点が桐生一に重くのしかかった。上園の重い速球に桐生一打線はいたずらに凡打を重ねるばかり。1点を取られた正田であったが、7回、8回と三者凡退に押さえ、味方の反撃を待った。しかし、好投する上園の前に9回も上位打線があっさり打ち取られ、万事休す。結局、6回の1点が桐生一には致命傷になった。


・第4日 
 
 第1試合
 駒大苫小牧100100020…4
 箕   島001100003…5

 1回戦随一の好カード。力の駒大苫小牧に、技の箕島という構図が大方の見方であった。そして、予想通り、駒苫が攻めて、石井が凌ぐという展開になった。石井は相手を完全に押さえ込むタイプでないが、致命的な失点をしないのが持ち味。3番・林に先制タイムリーを許したが、続く死1、3塁のピンチを切り抜けて、初回を最小失点に防いだのは大きかった。追う箕島は、3回、ワンアウトからヒットで出た嶋田を宮本が確実に送る。ここで、嶋田が3盗を敢行。慌てた捕手が悪送球を犯し、箕島は嶋田によって同点に追いついた。その後は、一進一退の攻防が続き、糸屋が汚名挽回のタイムリーツーベースを打てば、箕島はその裏、勝負強い森川がライトへ同点タイムリー。お互い、一歩も引かない展開となった。
 
 こうして試合は2−2のまま8回の攻防を迎えた。8回表、7番・桑島が強烈なレフト前ヒットで出塁。バントは失敗したが、岩田が三遊間深くへ内野安打。さらにトップの桑原が続いた。沢井は力投する石井にポップフライに打ち取られたものの、林が
塁線突破の2点ツーベース。続いたピンチは石井が押さえたが、もともと左腕が苦手で、岩田を打ちあぐねている箕島にはこの2点は重いと思われた。
 
 が、このまま終わらないのが箕島。土壇場の9回裏、森川が粘ってフォアボールで出た。久保は倒れたが、榎本の代打・浦野が相手エラーで出塁。同点のランナーが出たところで、尾藤監督は石井にバントを指示。この場面で石井は絶妙のプッシュバントを決め、オールセーフ。ワンアウト満塁で、嶋田が打席に立った。このピンチに駒苫の香田監督は、右腕の松橋にスイッチ。しかし、2年生の松橋にこの場面はきつかった。嶋田に押し出しの四球を与えてしまう。そして、その動揺を見透かした宮本が初球スクイズ。慌てた松橋がホームへ悪投。セカンドランナーの石井も還って、箕島が試合をうっちゃった。試合内容は駒苫が上回ったが、最後は箕島の粘りに屈したかっこうとなった。

 

 第2試合
 新 湊010000000…1
 今治西00000050
×…5

 総合力で大きく上回る今治西に新湊が勝つには先取点が絶対条件。その先取点が2回表に入った。先頭の酒井が三谷の速球を右中間にスリーベース。冷静な三谷もこれには動揺したのが、続くバッターの初球を暴投。先取点が新湊に転がり込んできた。この1点を酒井が懸命に守る。再三の味方ファインプレーもあって、6回まで今治西のシャープな打線を0点に押さえた。その酒井も7回についにつかまった。この回、先頭の夏井がレフトへヒット。その後、バントと四球でツーアウト1、2塁となった。ここで打席に立ったのは、本来はクリーンアップが打てる三谷。三谷は新湊バッテリーの配球を読み切り、インコースのシュートを狙い打ち。レフトオーバーの同点ツーベースとなった。続くチャンスに、トップの俊足・檜垣がサード前へセーフティーバント。焦った三塁手がファーストへ暴投して、セカンドランナーまで還り、3−1と今治西が逆転。さらに2番の越智、3番の阿部が連続短長打して、この回一気に5点。このまま今治西が押し切った。この試合のヒーローは、投打に活躍した三谷であった。


 第3試合
 敦賀気比000000010…1
 平  安00000030
×…3

 隣県対決となったこの試合は、敦賀気比・内藤、平安・川口の投手戦となった。内藤が左バッターのふところを果敢に攻めたのに対し、川口も右バッターへのクロスファイヤーで対抗。試合は0−0のまま7回を迎えた。7回表のピンチを好守で切り抜けた平安に対し、7回裏、先頭の辻本が相手エラーで出塁した。強攻に出た川口は三振に倒れたが、5番・奥原がデッドボール。続く楠本が肩口から入った内藤のカーブをレフトフェンス直撃の2点スリーベース。さらに、山田がセーフティスクイズを決め、平安が3点を先取した。この日の川口には、この3点で十分であった。8回に甘く入ったストレートを飯田にバックスクリーンへホームランされたが、後は危なげないピッチング。平安が3−1で快勝した


・第5日 
 
 第1試合
 四日市工0011001000…3
 岐阜中京0200000101…4

 試合は岐阜・中京が先制した。2回裏、下位打線が作ったツーアウト1、2塁のチャンスに城所が左中間にうまい流し打ちを見せ、点を先取。さらに、続く毛利がセカンド内野安打を放ち、2点目。しかし、四日市工も黙っていない。大西が榊原の甘く入ったスライダーを痛打し、すぐさま点を返す。さらに続く4回、秋葉が右中間にタイムリーツーベースを放って、同点。試合はこのまま2−2で7回へと入った。そして、この回先頭の佐藤が初球をライトにホームラン。ついに四日市工が逆転した。秋葉のうまいピッチングに3回以降押さえられていた中京であったが、8回にワンアウトから引本、中川、山本のクリーンアップが3連打して同点に追いついた。9回は両投手が1本ずつヒットを打たれたが0点に押さえ、試合は延長戦に入った。10回のピンチを切り抜けた中京は、その裏、先頭の毛利が三塁線突破のツーベース。続く毛利の送りバントは、秋葉が間に合わないサードに投げて、場面はノーアウト1、3塁となった。迎えるバッターは4番の中川だけに満塁策も考えられたが、四日市工バッテリーは勝負を選択した。が、これが裏目に出た。中川は初球を狙い打ち。打球はセンターを大きく越えたのであった


●残り2回戦組み合わせ


・第7日
 第3試合 佐賀商(82年)−箕島(79年)
 第4試合 近江(03年)−鹿児島実(90年)


・第8日
 第1試合 今治西(77年)PL学園(85年
 第2試合 崇徳(76年)−松商学園(91年)
 第3試合 
東海大甲府(88年)−興南(83年)


・第9日
 第1試合 平安(97年)−宇部商(85年)
 第2試合 岐阜・中京(03年)−取手二(84年)
 第3試合 津久見(88年)−浦和学院(86年)

 


 第2試合
 日大山形000000000…0
 尽誠学園21100120
×…7

 実力に勝る尽誠学園が終始試合を支配した。まず、初回、先頭の谷が四球で出塁。確実に送った1死2塁から宮地、永原が連打して、1点を先制。さらに6番本村が左中間を破った。ファーストランナーはホームで刺されたが、尽誠学園が2点を先行した。攻撃の手を緩めない尽誠学園は、2回に谷がタイムリースリーベース、3回に本村が再びタイムリーツーベース、2回を終わって4−0とリードした。このリードを持って余裕の宮路は、左スリークオーターから速球をびしびし決め、相手打線を寄せ付けない。6回、7回にも加点した尽誠学園が圧勝した。


 第3試合
 池  田001000400…5
 拓大紅陵000010001
…2

 拓大紅陵が池田に挑んだこの試合、先制したのはやはり池田だった。3回、木村の低めのストレートをセンターに快打した井上をセカンドに置いて、江上が詰まりながらライトへタイムリー。この1点で水野はますます気合が入る。右打者へのシュート、外角クロスファイヤーへの切れが凄く、さしもの佐藤、飯田らも手が出ない。

 が、好事魔多し。5回に先頭の谷田部がポテンヒット。谷田部は井上のパスボールと谷のバントで、三塁へ進んだ。ここで、小枝監督の甥っ子・小枝がスクイズ。これが決まって、池田は同点に追いつかれてしまった。続く6回裏、先頭の4番・佐藤が江上の1塁悪送球でセカンドまで進む。続く2年生の左バッター・網野はライト前ヒット。拓大紅陵は絶好のチャンスを迎えた。しかし、このピンチに水野は本領を発揮。スライダーで加藤を空振りの三振、シュートで飯田を三塁ファールフライ、外角クロスファイヤーで木村を見送りの三振に仕留めた。

 ピンチの後にチャンスあり。池田は7回に井上のヒットなどでツーアウト満塁のチャンスを得た。ここでバッターは大黒柱の水野。水野は得意の叩きつけるバッティングで三遊間を抜き、2者が還った。さらに、吉田が気落ちした木村の真ん中ストレートを左中間に長打して、2点を追加。これで勝負あった。9回に拓大紅陵は併殺崩れで1点を返したが及ばす。池田が力づくで拓大紅陵の挑戦を退けた。




・第6日 
 
 第1試合
 智弁学園200000000…2
 東  北000000000…0

 東北・ダルビッシュ、智弁学園・山口の出来が注目されたが、初回、ダルビッシュがいきなり失点した。朝の第一試合でけだるい感じのダルビッシュは、先頭の中葉をストレートのフォアボールで歩かせる。バントで送られた1死2塁で米田がセンター前ヒット。しかし、セカンドランナーはサードで自重。ここで目が覚めたダルビッシュは4番の坂口を三振に仕留めたが、山口の初球に甘いストレートを投げてしまう。山口はこれを見逃さず、左中間に2点タイムリーツーベース。智弁学園が2点を先行した。

 その裏、2点を追う東北も山口の立ち上がりを攻め、1死から槙、大沼が連打して、1、3塁のチャンスを迎えた。4番の横田に期待がかかったが、横田は手を出していけない難しいシュートに手を出して、ショートゴロゲッツー。チャンスは一瞬にして潰えた。続く2回も東北は、先頭の加藤がツーベースを打って、1死3塁のチャンスを作る。ところが、このチャンスに森、ダルビッシュが連続三振。さらに東北は3回も先頭の家弓がヒットで出て、1死2塁のチャンスを得た。ここで大沼がライト前にヒットを放ったが、家弓は本塁で憤死。

 これで東北打線が焦った。右バッターはシュートを打たされ、左バッターはインコースのストレートを強引に打って出て、山口の術中に落ちた。味方の無得点に切れかけたダルビッシュに代えて、7回から真壁をマウンドに送った若生監督であったが、打つ方は手がなく、そのまま山口に完封を喫した。東北としては一番恐れていた展開での敗戦であった。



 第2試合
 帝   京0000003000…3
 東洋大姫路0000010201…4


 実力伯仲の両チームの試合は、壮絶な試合となった。0−0で迎えた4回、帝京は先頭の2番・三田村が松本のクロファイヤーを打ち返し、レフトオーバーに3塁打。小山はピッチャーゴロに倒れたが、三沢がセンター返し。誰もが1点と思ったが、セカンドの田村が横っ飛びで押さえ、バックホーム。三田村はタッチアウトになった。そして、次の中島の大飛球も、センターの松田がファインプレー。帝京は先制のチャンスを逃した。

 その裏、先頭の3番・松本が強烈なスイングでライトオーバー。今度は東洋大姫路が先制の大きなチャンスを迎えた。この場面で4番の安井は強攻。三沢のスライダーをうまくライト前へ打った。セカンドランナーの松本を3塁コーチャーの制止を振り切ってホームへ突進。しかし、強肩の宮崎がダイレクトで返球し、松本はホーム手前1mで刺された。

 5回も両チーム無得点で終わったが、6回に試合が動いた。トップの田村が内野安打して、すかさず盗塁。松田が手堅く送った1死3塁に、松本が今度は素直に流し打って、東洋大姫路が先制したのである。

 この1点を取り返すべく、7回の帝京の攻撃は4番の三沢から。三沢を1−3からストライクを取りにきた松本のど真ん中のストレートをレフトへ同点ホームラン。この一発で松本が力んだ。続く中島、吉岡に連続フォアボール。林のバントはファーストの平石が好フィルディングでセカンドランナーを封殺したが、菱沼がヒット。場面はワンアウト満塁となった。このピンチで松本は痛恨の押し出しデッドボール。さらに宮崎が左バッターが左ピッチャーを打つお手本のようなバッティングで、レフト前へ快打。点差は2点になった。ここで一気に崩れそうな松本であったが、渾身の力で三田村、小山を連続三振。なんとか2点で切り抜けた。

 追う東洋大姫路は、8回裏、ワンアウトから田村、松田が連打。この場面で、東洋大姫路の梅谷監督はダブルスチールを指示。意表をつかれた菱沼はサードに投げることができなかった。勝ち越しのランナーを出せない帝京バッテリーは、松本との勝負を選んだ。松本は三沢のストレートをセンター前にはじき返し、田村に続き、松田も還り、東洋大姫路は同点に追いついた。

 そして、
10回表、先頭の菱沼がフォアボールで出た。続く牛越のバントを松本が間に合わないセカンドに投げ、オールセーフ。さらに、宮崎のバントが内野安打となって、松本はノーアウト満塁の大ピンチに陥った。ここで松本は開き直った。三田村、小山を渾身のストレートで内野フライに打ち取り、三沢もセンターフライに退けた。

 ピンチの後にチャンスあり。その裏、松田のヒットと松本のフォアボールで、東洋大姫路は
1死1、2塁のサヨナラのチャンスを迎えた。ここで安井がレフト前へヒット。松田は3塁で自重した。このチャンスに5番の平石がライトへフライを打ち上げた。宮崎の懸命のバックホームも及ばず、俊足の松田のホームへ滑り込んできた。この試合は松本が投打に活躍したが、地元の大声援も勝因の1つであったろう。



 第3試合
 常葉菊川00000000000000…0
 海  星00000000000001…1

 好左腕・田中と怪物・酒井の投げ合いは、どこ果てもなく続いた。田中はストレートに球威があって、カーブも抜群の切れ味。海星打線をまったく寄せつけない。一方の酒井も噂通りの剛球で、好打者揃いの常葉菊川打線にまともなバッティングをさせなかった。それでも、常葉菊川は、3、5、6回に先頭打者を出したが、ベンチの強攻策が裏目に出て、セカンドまでランナーが進まなかった。

 こうして点がまったく入らない雰囲気のまま、試合は延長戦へ入った。その延長戦もいつしか
14回となった。14回表、常葉菊川は、四球とヒットで、1死1、3塁のチャンスを迎えた。しかし、ここでも酒井が力投。5番の中川をピッチャー併殺に打ち取った。その裏、海星は先頭の2番・平田がセンター前ヒット。平田を3番の吉武が確実に送る。1死2塁でバッターは酒井。後のバッターを考えたら敬遠がベストと考えられたが、強気の森下監督に敬遠は頭になかった。そして、酒井がこの試合に自ら決着をつけた。疲れで球威が落ちた田中のストレートを一閃。打球は左中間を破り、セカンドから平田が万歳をしながら生還した。



 第4試合
 大船渡000110101…4
 関 西10201002
×…6


 大船渡の左腕・金野と関西打線の対決がこの試合を左右すると目された。そして、両者の対決は、関西打線が制した。初回、松本、船引、安井のクリーンアップが3連打して、早くも1点を先制。さらに、3回には松本のツーランが出て、3−0となった。それにもめげず、大船渡も反撃を見せる。鈴木と木下のタイムリーで1点ずつ返した。しかし、関西打線は強力だ。上田がタイムリースリーべースを放ち、突き放した。追いすがる大船渡は金野が犠牲フライを打って、代わったダースから1点を取ったが、8回に金野が3安打を集中され、また3点差となった。ダースは9回に1点を失うも、関西が2点差で大船渡を振り切った。金野が今一つの出来だったことが大船渡としては惜しまれた。




・第7日 
 
 第1試合
 明 徳100000000…1
 横 浜00000110
×…2

 速球投手には滅法強い明徳打線だが、松坂相手では勝手が違った。初回こそ、四球で出た小谷をセカンドに置いて、4番の藤本がライトへテキサスヒットを打って1点を取ったが、その後は松坂の速球に押されて0行進。しかし、明徳が挙げた1点は貴重であった。というのも、低めの制球に絶対の自信を持つ弘田に横浜打線がてこずったからである。特に松坂、小池、後藤らの右バッターが苦労した。いずれも外角のカーブを打たされ、凡打の山。

 その横浜が同点に追いついたのは6回であった。柴がインロー難しい速球を拾って、ライトへ同点ツーベースを放ったのである。さらに7回、先頭の常磐が右中間に三塁打し、松本のスクイズで常磐を迎え入れた。

 左バッターの活躍で勝ち越した横浜だが、明徳もあっさりと土俵を割らない。8回に下位打線がチャンスを作り、1アウト満塁で、勝負強いトップの堀尾を迎えた。堀尾はやや甘く入ったカーブをピッチャーの足元に打った。が、松坂がこれを好フィールディングでさばき、投−捕−一のゲッツーを完成させた。もしこの打球が抜けていたら、試合はどうなっていたか? 明徳は9回も先頭の小谷が四球で歩いて食い下がったが、クリーンアップが凡退し、横浜が明徳を振り切った。横浜打線は2得点にとどまったが、これは弘田を褒めるべきだろう。



 第2試合
 柳川商000000111…3
 中 京000000100…1

 両大型チームの対戦であるが、スケールの大きさでは柳川商が1枚上。立花、竹上、末次らが野中から再三好打を放った。しかし、いい打球が正面をつくなど不運もあり、なかなか点が取れない。こんな展開になるとジリジリするものだが、柳川商のエース・久保は落ち着き払っていた。鈴木、野中、紀藤の大型クリーンアップを外角のカーブを中心にあしらった。

 こうして柳川商が試合を押し気味に進めた7回、ついに柳川商が先制した。竹上、末次が連打した無死1、3塁から、5番の平山がセンターへ大きな犠牲フライを放ったのである。久保の出来からこの1点で勝負あったかに見えたが、中京はその裏、四球の野中をセカンドに進めて、長嶋がセンター前ヒット。野中が巨体を揺すらせてホームイン。中京はすぐさま同点に追いついた。

 柳川商は同点に追いつかれた直後の8回、ツーアウトから久保が左中間にツーベースを放った。ここで迎えるのは、この日2安打のトップ・立花。敬遠策も考えられたが、中京バッテリーは勝負を選択。その粋や天晴れであったが、立花のバッティングが野中の投球を上回った。野中の重い速球をライトにはじき返し、柳川商が再び1点をリード。さらに、柳川商はスクイズで1点を加点。柳川商が3−1で大型対決を制したのであった。



 第3試合
 佐賀商100000000…1
 箕 島00110010
×…3

 1回戦で大苦戦した箕島であったが、この日は余裕を持っての勝利であった。深川と為永のヒットで先制こそ許したが、3回に嶋田のヒットを足掛かりに同点に追いつき、4回には久保のスリーバントスクイズで勝ち越した。さらに、7回、1回戦はノーヒットだった北野がライトへ快心の一発を放り込んで、リードを2点に広げた。石井はポツリポツリとヒットを打たれたが、要所を締める芸術的ピッチング。佐賀商に容易に得点を許さない。新谷も点を取られたイニング以外は箕島打線をノーヒットに封じたが、今日の石井相手に3失点は重かった。結局、箕島が3−1で余裕の勝利を挙げた。



 第4試合
 近  江000001000…1
 鹿児島実00210010
×…4

 投打に力が上回る鹿児島実の優勢が伝えられた前評判通り、鹿児島実が堅実に近江を降した。内之倉は徹底マークにあってノーヒットに終わったが、前後の薗田と竹脇が2本ずつヒットを放ち、そのうち竹脇のツーベースが2点タイムリーとなった。また、2年生の俣瀬も再三うまいバッティングを見せ、2得点に絡んだ。上園は6回に大西のタイムリーで1点こそ取られたが、終始危なげないピッチング。近江打線を6安打の1点に封じ込んだ。



・第8日 
 
第1試合
 今治西000000000…0
 P L00000010
×…1

 いい投手にいいピッチングをされると、どんな強力打線も打てない。それは最強のPL打線にも当てはまった。頭脳派右腕・三谷の秘術を尽くしたピッチングに、6回まで3安打に封じられたのである。一方の桑田も素晴らしいピッチング。この試合もストレートを中心に組み立て、相手にチャンスすら作らせない。

 こうして試合はがっぷり四つに組んで、7回のPLの攻撃を迎えた。先頭は3番の松山。頼りになるキャプテンは、三谷のインローの速球をセンターにはじき返した。続くバッターはここまでノーヒットの清原。ベンチの策が注目されたが、中村監督はバントを指示。意外にもバントがうまい清原がきっちり決めた。黒木は倒れたが、ツーアウト2塁でバッターはPLで最も勝負強い桑田。桑田は三谷の外角ストレートに的を絞って、ライト方向へ狙い打った。この打球がライト頭上を越え、PLに待望の先取点が入った。

 この虎の子の1点を守るべく、桑田はさらに力投。9回に先頭の越智欣也にヒットを許すも、続く阿部のバントを桑田が俊敏にさばき、セカンドでフォースアウト。武田のヒット性の当たりも松山がうまく取り、ゲッツーを完成させた。結果こそ1−0であったが、PLが高い総合力を示した試合であった。



●3回戦組み合わせ

・第10日
 第1試合 横浜−平安・宇部商の勝者
 第2試合 箕島−関西
 第3試合 岐阜中京・取手二の勝者−東海大甲府・興南の勝者
 第4試合 PL学園−智弁学園


・第11日
 第1試合 池田尽誠学園
 第2試合 柳川商−崇徳・松商学園の勝者
 第3試合 海星−東洋大姫路

 第4試合 津久見・浦和学院の勝者−鹿児島実


 第2試合
 松商学園000000010…1
 崇  徳00000300
×…3

 強力無比の崇徳打線も、先発全員が右バッターであることが不安材料である。そこで、上田の外角球に山崎、永田ら右バッターが如何に対応するかが注目された。予想通り上田は崇徳の打者の外角を徹底的につくピッチングを展開した。その外角球には球威・切れがあり、さしもの崇徳打線もなかなか好打を奪えない。対する崇徳のエース・黒田も、トップの荒井と4番の上田に細心の注意を払い、松商打線を分断した。

 そして、試合は後半に入った。6回裏、崇徳の攻撃は、ワンアウトから山崎が内野安打に出塁した。そして、すかさず2盗。これがキャッチャーの悪送球を誘い、山崎は一気に3塁に進んだ。ここで樽岡がうまいバッティングを見せる。上田の外角球を右におっつけ、1、2塁間を突破。崇徳が1、2番コンビの活躍で1点を先取した。これに気落ちした上田は続く小川を四球で歩かせる。4番の永田は三振に打ち取ったものの、兼光、応武がやや制球の甘くなった上田のストレートを連打。崇徳にさらに2点が入った。

 3点の援護を得た黒田は余裕たっぷり。ショート・山崎の好守もあって、松商学園の反撃を8回の1点に抑えた。試合は崇徳が3−1で勝利したが、上田が乱れたのは6回だけだったので、松商学園としては悔いが残る試合であったろう。



 第3試合
 興   南010021200…6
 東海大甲府000400000…4


 興南の左腕・仲田幸司は、ジキルとハイドといった面がある。快刀乱麻のピッチングをしていたかと思うと、四球から急に崩れることがままあるのだ。この試合も、その仲田の悪い面が出た。1点リードの4回、先頭の都築をストレートの四球で歩かせてしまう。さらに、山崎のバントをお手玉。続く3番の大野にもストライクが入らず、ノーアウト満塁のピンチで、4番の山口を迎えた。しかし、仲田はストレートで山口、5番に上がっていた甲斐をカーブで連続三振に切って取った。これでピンチを凌いだかに思われたが、左の大野に痛恨の押し出しデッドボール。そして、7番の石黒にはストレートの押し出しフォアボール。8番の保坂にはストライクを取りにいった球をセンター前に痛打され、1−4と逆転された。

 3点差になると安易に機動力は使えないが、走力が自慢の興南ナインは塁に出ると、平田らが次々と盗塁を仕掛けてきた。これが石黒にプレッシャーとなり、甘い球が目立つようになった。そこを興南打線が捉えて、6回に同点に追いついた。さらに代わった深沢を攻め、7回に2点を勝ち越し。仲田は5回以降は立ち直り、後半は東海大甲府打線を沈黙させた。こうして持ち前の機動力を前面に出した興南が勝利した。




 第9日
 第1試合
 宇部商0001000301…5
 平 安0000004000…4


 宇部商打線と平安のエース・川口の対決が大きなウェートを占めたこの試合、序盤は川口の左腕が冴えた。先頭の佐藤にいきなりツーベースを打たれたが、ヒッティングにきた河村を三振に仕留め、田処、福島もカーブで打ち取った。その後も、川口は好調なピッチング。6回まで宇部商の強力打線を藤井の犠牲フライによる1点に押さえた。

 宇部商の先発は予想通り田上であった。平安に左バッターが多いことがその理由だったろう。この策が当たり、田上は低めのカーブを中心に平安打線に的を絞らせず、6回まで得点を許さなかった。しかし、平安は7回裏、イレギュラーヒットから1死満塁の絶好機を得た。ここでバッターはトップの奥井。奥井は左対左をものともせず、右中間に三塁打。さらに中継が乱れ、平安が4−1と逆転した。

 この4点で勝負あったかに思えた。が、宇部商の粘りは驚異的だ。逆転された直後の8回、トップの佐藤が反撃の狼煙のセンター前ヒット。河村もうまく流し打って、1、2塁。そして、バッターは田処。このチャンスに2年生スラッガーが乾坤一擲のスリーラン。宇部商の長打力をまざまざと見せつけた一撃であった。

 そして、試合は延長に入り、
10回もトップ佐藤から。佐藤はカーブを引っ張って、レフトへツーベース。河村のセカンドゴロで3塁に進んだ佐藤を田処が今度は犠牲フライで迎え入れ、ついに宇部商が勝ち越し。この1点を守るべく、宇部商の玉国監督は思い切った策を見せた。好投の田上に代えて、古谷をリリーフに送ったのである。古谷を見事期待に応え、平安の攻撃を簡単に終わらせた。



 第2試合
 取 手 二000002004…6
 岐阜中京001101000…3


 中京のエース・榊原の決め球は切れのいいスライダーである。榊原はそのスライダーを多投して、打たれながらも取手二の打線をよく押さえた。しかし、疲れの見えた終盤、スライダーの切れが悪くなったところを狙われた。下田、石田に甘く入ったスライダーを痛打され、前半のリードをふいにしてしまった。しかし、中京も負けていない。同点にされた直後、この日当たっている城所の3本目のヒットがホームランになり、1点を勝ち越した。

 その1点を追って、取手二は9回に反抗に出る。ワンアウトから吉田がヒットで出た。大事な同点のランナーだったが、吉田は盗塁を敢行。これが決まって、取手二は一打同点のチャンスを迎えた。ここは硬くなる場面であるが、取手二ナインは土壇場でも臆することはなかった。まず、佐々木がスライダーをライトへ運んで同点。下田が歩いた1、2塁から桑原が右中間にスリーベース。さらに、2死後に石田もスライダーを叩いて、1点を追加。結局、6−3で取手二が勝利したが、点差ほどの実力差はないのは誰も目に明らかな試合であった。


 第3試合
 浦和学院001000100…2
 津 久 見000000010…1


 津久見の豪腕・川崎と浦和学院打線は、予想されたように、力と力の対決になった。川崎がインコースを思い切ってつけば、浦和学院の各打者もフルスイングで対抗してきた。

 試合は3回に動いた。浦和学院がこの回先頭の谷口がヒットで出て、1番の高倉が送る。2番小林は倒れたが、3番の黒須がデッドボールで歩いた。制球力抜群の川崎としては珍しい死球であったが、これが痛かった。続く鈴木健は、川崎の速球を詰まりながらもセンター前へ運び、浦和学院が1点をリードした。この1点が津久見打線に重くのしかかった。というのは、この日の谷口の出来が素晴らしく、スクリューボールが面白いほど落ちたからである。

 そして、浦和学院は7回に伊藤と半波が長短打して1点を加えた。両者とも川崎の速球に力負けしなかった豪快なバッティングであった。この1点が実に効いた。8回に暴投で谷口が1点を取られたからである。谷口は9回の津久見の攻撃を三者凡退にかたづけ、1点差で浦和学院が逃げ切った。川崎は浦和学院に4本しかヒットを許さなかったが、それがすべて得点に結びついてしまった。




 第10日
 第1試合
 横 浜002020110…6
 宇部商000100010…2


 宇部商の先発は、左腕エースの田上であった。相手先発を左腕と読んだ横浜の渡辺監督は、サードに斉藤、ライトに山野井を入れ、先発を全員右バッターにしてきた。その策が2回に当たった。セカンドにヒットの松坂を置いて、7番の斉藤が左中間に快打。さらに、山野井がライト前へ続いて、早くも横浜が2点を先取した。

 この2点を追って宇部商は4回、河村がチーム初ヒットを打ち、ノーアウト1塁。松坂の暴投と田処のセンターフライで、河村は3塁に進んだ。ここで福島はショートへ難しいゴロ。佐藤がうまくさばいて1塁はアウトにしたが、河村がホームイン。宇部商は1点を返した。

 しかし、横浜はその直後の5回、2番に入っていた松本が3塁打。追加点の絶好のチャンスを迎えた。ここで玉国監督が動いた。後藤、松坂、小池、斉藤、小山と右の強打者が続くことから、右腕の古谷を持ってきたのである。古谷はシンカーで後藤、松坂を内野ゴロに打ち取ったが、小池の代打・柴に甘く入ったカーブを右中間に運ばれ、痛い1点を失った。さらに、斉藤の代打・常磐にも打たれ、この回2点目。結果としては、玉国監督の継投策が裏目に出たが、横浜の選手層の厚さをまざまざと見せつけられたこの回の攻撃であった。さらに、横浜は7、8回に1点ずつ取り、計6点。

 松坂相手に6点は、さしもの強打・宇部商にとっても重い。この日はフォアボールが多かった松坂だが、宇部商の反撃を死球絡みの1点に抑え、横浜が6−2を降した。



 第2試合
 箕 島110110010…5
 関 西001000010…2


 箕島の上野山主将はくじ運が強いことで知られる。それが3回戦の組み合わせで証明された。関西は3回戦に残った高校のうちで、箕島にとって最も与しやすい相手であったろうから。

 箕島は、西所の立ち上がりを攻め、宮本、北野のヒットで1点を先取した。さらに、2回に嶋田のタイムリーで1点追加。関西ベンチはここで西所を早くもあきらめ、ダースをマウンドに送ってきた。しかし、2年生のダースにはつらいマウンドとなった。箕島の硬軟織り交ぜた攻めに、薄皮を1枚ずつはがされるような感じで追加点を与える結果になった。

 バックの援護を受けた石井は余裕のピッチング。打ち気にはやる関西打線を手玉に取り、関西の反撃を上田のホームランと船引の犠牲フライの2点に凌いだ。箕島は1回戦の大苦戦を乗り切ったことで、チームがすっかり勢いづいたようである。


 第3試合
 取手二0000000022…4
 興 南0001010000…2


 相手エースが左腕であることから、木内監督はメンバーをいじってきた。それまで4番を打ってきた桑原を6番に下げ、中島を5番から4番、石田を6番から5番に上げた。さらに、左の柏葉に代えて岡田にライトを守らせた。

 全員右バッターを相手に、仲田幸はカーブを中心に組み立てた。この日はそのカーブが冴え、取手二打線は凡打の山。仲田は崩れる気配もなかった。

 一方の石田−中島のバッテリーは、興南の足を封じる策に出た。ランナーが出るとしつこく牽制し、カウントを悪くしても再三ピッチドアウトをすることで、興南に容易に足を使わせなかった。それでも平田にだけは通じなかった。俊足揃いの興南の中でも最も足の速い平田は、4回に先頭打者としてフォアボールで出ると、マークをかいくぐって2盗。ここで強攻に出た仲田秀が石田のカーブをうまく拾って、センター前へ。セカンドから平田があっという間に還ってきた。さらに興南は6回にもスリーベースで出た平田が仲田秀の浅いライトフライで還し、1点を追加。

 そして、このまま2−0で9回の取手二の攻撃を迎えた。先頭の吉田は力んで三振。いよいよ取手二の敗色が濃くなった。が、2番の佐々木が仲田幸のストレートを狙い打って、この日3本目のヒットで出塁。続く下田に期待がかかったが、下田はカーブを引っ掛けてショートゴロ。絶好の併殺コースと誰もが思ったところ、ショートの平田がお手玉。これで試合がわからなくなった。

 仲田は最後の踏ん張りを見せ、中島から三振を奪った。ここでバッターは石田。石田は懸命に食い下がって、三遊間に内野安打で生きた。土壇場でツーアウト満塁。一打同点だが、続く打者は、この日仲田にまるでタイミングの合っていない左の桑原。この対決は仲田が有利と思われた。そして、桑原の打球はサード前へのボテボテのゴロ。これを仲田が自ら取り、体を反転させてファーストへ投球。いい球がいけば十分にアウトだったが、手元が狂って大暴投。これで同点になった。こうなれば押せ押せの取手二だったが、ここは仲田が踏ん張って、続く岡田を三振に仕留めた。

 こうして延長戦に試合は入った。延長
10回表、取手二はツーアウトランナーなしで、バッターは1番の吉田。吉田は粘って四球で歩いた。ここは、吉田の足からして、当然盗塁の場面。その様子見の一球が甘く入った。バッターの佐々木はこれを見逃さず、右中間にスリーベース。気落ちした仲田から、続く下田も左中間に長打。この2点が決勝点になり、取手二は九死に一生を得た。



 第4試合
 智弁学園000000000…0
 P  L00102001
×…4


 この大会はまだ無失点の桑田は、この日も好調であった。この日は適度にカーブを混ぜ、智弁打線に狙い球を絞らせなかった。

 こうなると、智弁の山口がどこまで踏ん張れるかであったが、PL相手ではさしもの山口も限界があった。3回、ヒットで出た内匠がすかさず2盗。安本は倒れたが、勝負強い松山が山口のシュートに詰まりながらもレフト前に持って行き、PLが1点を先取した。続くバッターは清原。山口は徹底したシュート攻めで清原をサードゴロに退け、最少失点で切り抜けた。

 しかし、山口は5回にもピンチを迎えた。この回、先頭の笹岡がヒット。内匠は手堅くバントで送り、安本を迎えた。安本はライト前へ。続くのがクリーンアップだったので、笹岡は3塁で自重した。そして、松山は四球。ワンアウト満塁でバッターは清原という、PLとしては絶好の場面を迎えた。このピンチでも山口は徹底したシュート攻め。が、清原に同じ攻めは通じなかった。もう少しでホームランという飛球を打たれて、1点を追加された。続く黒木にはシュートをうまくレフトへ流され、3−0。

 これで勝負の行く末が見えた。8回に松山のホームランで1点を追加したPLが、横綱相撲で強豪の智弁学園を寄り切った。




 第11日
 第1試合
 池  田000002000…2
 尽誠学園000000000…0


 四国対決は、序盤は投手戦となった。水野が例のちぎっては投げの投法で、力ずくで尽誠学園の打線を押さえ込めば、宮地も左腕からの速球が冴え、池田打線に長打を許さない。こうして5回までお互い無得点で進んだ。

 6回表、池田の攻撃はトップの坂本から。坂本は宮地のストレートを強引に引っ張り、レフト前ヒット。金山が送って、江上が倒れた2死2塁でバッターは水野。宮地は真っ向勝負を挑んだが、水野はセンター頭上へ打ち返した。さらに吉田がレフト前に続いて、池田が2点を先取。宮地は決して悪い球を放ったわけではないが、ここは池田打線が宮地の投球を上回った。

 この2点で水野にますますエンジンがかかる。この日は左バッターへのスライダーが効果的で、尽誠学園打線にチャンスすら作らせなかった。心配された内野守備陣もこの日は無難にゴロをさばき、水野の完封劇に一役買った。池田としては2点だけというのは物足りない感もあったが、内容的には危なげない勝利であった。



●準々決勝組み合わせ

 第1試合 柳川商・崇徳の勝者−海星・東洋大姫路の勝者
 第2試合 取手二−横浜
 第3試合 箕島−PL学園
 第4試合 浦和学院・鹿児島実の勝者−池田


 第2試合
 崇 徳000000001011…3
 柳川商000000001010…2


 投打のバランス、個々のメンバー、スケールの大きさ、すべてが互角の両チームの対決は、意外にもまったく点の入らない投手戦になった。黒田が伸びのある速球で柳川商の強打者をことごとく詰まらせれば、久保は大きなカーブを駆使して崇徳打線を翻弄した。こうなると1発長打や四球が試合を決めるが、両投手はお互いに長打を許さず、四球もほとんど出さなかった。

 極めてレベルの高い投手戦は8回まで0−0で推移し、9回の攻防を迎えた。9回はともに先頭バッターから。崇徳は山崎が粘りに粘って、この試合2つ目の四球で出塁した。ここでも強気の崇徳ベンチは、2番の樽岡に強攻を指示。しかし、これがゲッツーとなった。これでチャンスが潰えたかに思われたが、小川がセンター前ヒット。ストレート狙いの永田がレフト前ヒットで続いた。このチャンスに兼光は久保の甘く入ったカーブをジャストミート。打球はセンター前へ抜けて、ついに崇徳が先取点を取った。

 1点を追って柳川商の攻撃はトップの立花。立花は黒田のカーブをうまく掬い上げた。打球はぐんぐん伸びて、ライトへ同点ホームランとなった。これで気落ちした黒田は、続く2番の下山にこの日初めてのフォアボール。このランナーをどうセカンドに送るか注目されたが、福田監督はキャプテンの竹上に強攻を命じた。竹上は黒田のカーブをピッチャー返ししたが、山崎が回り込んでキャッチ。そのままベースを踏んで、1塁に投球。一瞬にして併殺が完成した。これで救われた黒田は続く末次も打ち取り、試合は延長戦に突入した。

 下位に打線が回った
10回はお互い無得点に終わったが、11回表、崇徳はトップの山崎がセーフティバントで出塁した。さしもの強気の久保監督も、ここでは樽岡にバントのサイン。樽岡はきっちり山崎をセカンドに送った。小川は凡退したが、永田がまたもストレートを狙い打ち。打球は左中間を深々と破り、再度崇徳がリードした。その裏、柳川商はワンアウトから久保がツーベースで出塁。続く立花に期待がかかったが、黒田の力投の前にセカンドゴロ。柳川商ももはやこれまでと思われたが、2番の下山が黒田のカーブに食いついて、ライトへ同点のタイムリー。

 そして、試合は
12回へと入った。12回表、疲れの見られる久保から応武がセンター前ヒット。釘屋は倒れたが、黒田が右中間を突破し、応武が長駆ホームイン。さすがにこの点は効いた。その裏、柳川商は末次以下が三者凡退。激闘は12回で終わった。


 第3試合
 海   星000000000…0
 東洋大姫路10000000
×…1


 海星・酒井、東洋大姫路・松本の力量から、両チームとも1点を取るのに苦労することが予想された。しかし、意外にも試合は1回から動いた。立ち上がりコントロールの定まらない酒井から、田村が四球を選んだ。そして、すかさず2盗。2番の松田は型通りバントしたが、これを酒井が間に合わないサードへ送球。しかも暴投となって、早くも東大姫路が1点を取った。これで目が覚めた酒井は、クリーンアップを三者三振に仕留めたが、松本を相手に実に高価な1点を失ってしまった。

 この1点を取り返すべく、海星も必至に反撃を試みる。しかし、海星の非力な打線では、松本を打ち込むには至らない。松本は適度に荒れたが、それが逆に的を絞らせない結果となり、海星はいたずらに0を重ねた。

 1点を献上した酒井だったが、2回以降は好打線の東洋大姫路打線を完全に押さえ込み、味方の反撃を待った。が、試合は、1−0まま9回表を迎えた。9回表、先頭バッターはピッチャーの酒井。酒井は自分のミスは自分で取り返すとばかり、豪快なスイングで左中間を突破。しかし、続く加藤がバントを失敗。そして、本田、由本は連続三振。酒井は犬死にという恰好になり、試合終了。酒井の好投は報われなかったが、取られた1点は自分のミスだったのだから、ある意味、あきらめがついただろう。



 第4試合
 浦和学院000000200…2
 鹿児島実31000000
×…4


 ここまでスクリューボールが冴えまくっていた浦和学院のエース・谷口であったが、初回、スクリューボールがほとんど落ちないところを内之倉に打たれた。打球はセンターバックスクリーンに消え、鹿児島実業が早くも3点を先取した。続く2回も谷口は良くなく、7番に入っていた俣瀬にデッドボール。そして、今度はトップの宮下にカーブを狙われ、また1点を失った。

 これで、浦和学院打線が焦った。上園の重い速球をむやみに引っ張り、内野ゴロの連続。中盤から谷口は立ち直ったが、浦和学院打線は一向に火を噴かなかった。7回に半波と中村のヒットでようやく2点を返したが、8回は三者凡退。浦和学院はいよいよ追いつめられた。

 9回、浦和学院の攻撃は2番の小林から。しかし、小林は簡単に打って出て、ショートゴロ。続く高須は浅いレフトフライ。ツーアウトから鈴木健がライト前ヒットを打ったが、伊藤がセンターフライで万事休す。この日は最後まで浦和学院らしさが出なかった。



 第12日・準々決勝
 
 第1試合
 崇   徳220020200…8
 東洋大姫路000001000…1


 全員右バッターで、強打者揃いの崇徳打線を、東洋大姫路の快左腕・松本がどう迎え撃つか? それがその試合のポイントであった。両者の対決は互角かと思われたが、前日の海星戦で酒井との壮絶な投手戦を展開した松本の疲れは隠しようもなかった。初回から崇徳打線につかまってしまった。

 初回、崇徳はトップの山崎がよく見て、フォアボールで出塁。さらに、松本は、樽岡、小川にもフォアボールを与えるという最悪の立ち上がり。ここで永田は犠牲フライ。ツーアウト後、応武にセンター前ヒットが出て、崇徳は早くも2点を取った。

 2点を追って東洋大姫路は、トップの田村がヒットで出た。黒田も前日の柳川商戦での熱投で消耗しているかと思われたが、ここは力投。松田にバントで送られたが、松本、安井の3、4番を凡打に退けた。

 松本は2回も立ち直れない。先頭の黒田に打たれ、山崎にタイムリーを喫してしまった。さらに、小川にもタイムリーツーベースが出て、4−0。ここで、東洋大姫路の梅谷監督は松本をあきらめ、アンダーハンドの宮本をリリーフに送った。宮本は永田をショートゴロに打ち取ってこの回を凌いだが、崇徳相手には荷が重いと思われた。その懸念通り、宮本は5回、7回と崇徳打線に打ち込まれ、大勢が決した。

 大量リードされると、機動力が自慢の東洋大姫路打線も如何ともし難い。しかも、相手捕手は強肩の応武。黒田はスタミナを保つためにカーブ中心の投球を見せたが、今日はこのカーブがいいコースに決まり、東洋大姫路打線を翻弄した。結局、試合は8−1という予想外の大差で崇徳が制した



●準決勝の組み合わせ

 第1試合 取手二・横浜の勝者−鹿児島実・池田の勝者
 第2試合 崇徳−箕島・PL学園の勝者
 


 第2試合 取手二−横浜

 1回表:横浜は、トップの小池が石田の初球を打ってサードゴロ。左打席に入った加藤はセカンドゴロ。柴はライト前ヒットしたが、後藤が三振。
 1回裏:取手二は、キャプテンの吉田がショートゴロ。2番の佐々木は粘って、フォアボール。下田はセンターフライ。ランナーは進塁できなかったが、桑原が甘く入ったチェンジアップを右中間にスリーベース。取手二が先攻した。さらに、中島の初球に松坂が暴投。労せずして取手二に2点目が入った。中島は三振。しかし、この2点でゲームが面白くなった。

 2回表:松坂は大きなレフトフライ、常盤はセカンドゴロ、小山はライトフライで三者凡退。
 2回裏:石田、柏葉が連続三振。塙はファーストゴロ。松坂は立ち直ったようである。

 3回表:佐藤が2球目を叩いて、センター前ヒット。松本が確実に送って、横浜はまず1点を返そうと試みた。が、小池は石田のスライダーに三振、加藤はファーストファウルフライに倒れ、横浜はこの回も無得点。
 3回裏:小菅はセカンドゴロ。吉田は三振。佐々木がライト前へヒットしたが、盗塁失敗で結果として3人で攻撃を終わる。

 4回表:柴が右中間にツーベース。後藤をどうするか注目されたが、手堅くバント。これが成功して、横浜は初めてランナーをサードに進めた。このチャンスに松坂は力んでサードゴロ。チャンスは潰えたかに思えたが、常盤が左中間にヒット。横浜が1点を返した。小山のショートゴロで常盤が2封され、横浜はこの回1点止まり。
 4回裏:下田が松坂のストレートを打ち返して、センター前ヒット。桑原が送って、中島が三振に倒れた2死後、石田がレフト前へポテンヒット。横浜には実に嫌な1点が入った。柏葉は三振。

 5回表:佐藤サードゴロ、松本ライトライナー、小池三振で、横浜はこの2試合2度目の三者凡退。
 5回裏:塙ピッチャーゴロ、小菅はデッドボールで歩いたが、吉田、佐々木が連続三振。

 6回表:加藤はショートゴロで倒れたが、柴が四球。後藤、松坂と連打して、横浜はワンアウト満塁の絶好のチャンスを迎えた。ここで木内監督が動いた。左の常盤を迎えたところで、ライトに入っていた柏葉をマウンドに送ったのである。これを見た渡辺監督は、代打に斉藤を告げた。果たして、どちらの監督の作戦がうまくいくか? ところが、意外なことが起こった。柏葉が初球にデッドボールを与えたのである。これは木内監督も計算外であったろう。すかさず石田をマウンドに戻した。石田の代わりっぱな、小山がスクイズ。これが決まって、横浜はなんとか同点に追いついた。続く佐藤はセカンドゴロに仕留めたが、取手二としては嫌な展開で追いつかれてしまった。
 6回裏:同点になって松坂に気合が入いる。下田をキャッチャーフライ、桑原をファーストゴロ、中島をライトフライと、クリーンアップを三者凡退に退けた。

 7回表:松本がセンター前ヒット。しかし、小池が送りバントを失敗し、松本がセカンドでフォースアウト。横浜ベンチは、ここも加藤にバントを指示。今度はバントが成功し、横浜は勝ち越しのチャンスを得た。この場面でまた木内監督が動いた。当たっている柴に、再び柏葉をワンポイントで起用してきたのだ。今度は柏葉が意地を見せた。柴をアウトコースのカーブでピッチャーゴロに退け、木内監督の期待に応えた。
 7回裏:松坂はこの回も快調。石田をセンターフライ、柏葉、塙を連続三振と、簡単に取手二の攻撃を終わらせた。

 8回表:後藤、松坂がともにレフトフライ。斉藤がセンター前、小山がライト前へ連打したが、佐藤がセカンドゴロに倒れて、横浜は勝ち越しならず。
 8回裏:小菅はピッチャーゴロに押さえたが、吉田にフォアボール。佐々木がエンドランを決め、ライト前ヒット。さらに、下田にフォアボールを与え、松坂はワンアウト満塁の大ピンチを迎えた。しかも、バッターは4番の桑原。このピントに松坂はストレートで押した。が、桑原がジャストミート。誰もがセンターに抜けたと思ったが、前進守備をしていた松本が飛びついて、バックホーム。サードランナーは俊足の吉田であったが、間一髪アウト。松坂は続く中島を三振に抑え、なんとかピンチを脱した。

 9回表:前の回にファインプレーした松本がライト前ヒットして、小池が送りバントを決めた。ここで加藤がセーフティバント。石田がお手玉してオールセーフ。今度は横浜が大きなチャンスを迎えた。そして、ここでまた木内監督は柏葉を投入した。ここは代打も考えられたが、横浜ベンチはそのまま柴を打たせた。柴はまたしても柏葉のカーブに泳ぎ、打球はショート前へ。が、打球が弱く、吉田の懸命のバックホームも間に合わず。ついに横浜が1点を勝ち越した。この1点で止めるべく、4度石田がマウンドへ。石田は後藤をサードフライに切って取ったが、松坂に左中間に打ち返された。斉藤にはサードゴロを打たせたものの、決定的な5点目、6点目が入った。
 9回裏:石田三振、柏葉の代打・岡田も三振、塙がセカンドゴロで試合終了。木内監督が言うところの「私にとって一生に一度のチーム」も、ついに力尽きた。

 横 浜000102003…6
 取手二200100000…3



 第3試合 箕島−PL学園

 1回表:先頭の嶋田が桑田のストレートに振り遅れながら、ファーストへ強いゴロ。これを清原がそらして、嶋田はセカンドに進んだ。記録はツーベースだが、実質は清原のエラーであった。こういうチャンスを箕島は見逃さない。宮本が送ったワンアウト3塁で、上野山がスリーバントスクイズを決め、箕島が1点を先取。PL相手になかなかスクイズが決まらないが、ここは上野山が桑田のカーブをうまくバントした。北野はセカンドゴロに倒れたものの、箕島らしい攻撃で桑田の連続無失点記録を止めた。
 1回裏:超強力打線が相手でも、石井は落ち着き払っていた。うるさい内匠をセカンドゴロ、続く安本もセカンドゴロ、松山にはいい当たりをされたがレフトフライ。石井は絶好の立ち上がりをした。

 2回表:上野ショートゴロ、森川ショートフライ、久保三振で、三者凡退。
 2回裏:さあ、注目の清原だ。が、清原は石井のカーブにタイミングをはずされ、センターフライ。左の黒木にはレフト前へ打たれたが、石井は桑田にインコースで勝負。桑田はシュートに差し込まれ、サードゴロゲッツー。この回も石井はPLの攻撃を押さえた。

 3回表:榎本三振、石井ピッチャーゴロ、嶋田レフトフライで、この回も箕島は三者凡退。果たして、桑田から2点目を取れるか?
 3回裏:杉山センターフライ、石井対策で8番に入った左の今岡はレフトフライ、佐々岡はショートゴロ。PL打線は、石井にあしらわれている感じであった。

 4回表:宮本がレフト前ヒットで、箕島が久々にランナーを出した。当然、上野山はバント。このバントは決まったが、北野がピッチャーゴロ、上野が三振に倒れ、箕島はこの回も無得点に終わった
 4回裏:二巡目になると、PL打線も石井の投球の徐々に慣れてきた。この回先頭の内匠はレフトフライに倒れたが、安本がストレートをうまく打って、ライト前ヒット。松山はショートフライに打ち取られたが、清原がカーブを引っ張って、レフト前ヒット。前の打席でヒットを打っている黒木につないだ。石井は今度は黒木のインコースを攻めた。黒木はいい当たりをしたが、セカンドの上野山がうまくさばいて、ショートで清原を封殺。石井はこの回もPL打線に得点を許さなかった。

 5回表:森川サードゴロ、久保ライトフライ、榎本三振で、桑田が簡単に箕島の攻撃を終わらせた。
 5回裏:この回、先頭の桑田が石井のアウトコースのストレートを強引に引っ張った。打球はレフト線に飛び、PLはノーアウト2塁のチャンスを迎えた。と同時に、PLのKOテーマがかかった。杉本は確実に送る。続くのは8、9番ながら、石井が苦手とする左バッター。が、石井は今岡をキャッチャーフライ、佐々岡をサードゴロに退け、この回も無失点で凌いだ。

 6回表:石井、嶋田と連続三振。宮本はセンター前ヒットしたが、盗塁失敗。箕島に追加点が入る雰囲気は全くなかった。
 6回裏:内匠がレフト前へヒットで出たが、嶋田の牽制球でタッチアウト。チームはまだだが、内匠にはやや焦りが感じられたプレーであった。安本はレフト前ヒット。しかし、松山がショートゴロゲッツー。この辺はPLらしくないちぐはぐな攻撃であった。

 7回表:上野山はセカンド内野安打で出たが、北野がバント失敗。上野はレフトフライ、森川三振で、箕島はこの回も無得点。
 7回裏:一瞬エアポケットに入った石井が清原へ甘いカーブを投げてしまった。この失投を清原は見逃さず、レフトへ大ホームラン。やっとPLは同点に追いついた。しかし、石井は簡単には崩れない。黒木をセカンドゴロ、桑田をサードフライ、杉本を三振に打ち取り、同点後はきちんと押さえた。

 8回表:久保は三振したが、榎本がイレギュラーヒット。ここで石井が送る。このチャンスに嶋田が、桑田のカーブに泳ぎながらセンター前ヒット。追いつかれた直後にまた箕島が勝ち越した。嶋田はセカンドに盗塁したが、宮本がファーストゴロに倒れた。
 8回裏:今岡はセカンドゴロに倒れたが、佐々岡がライト前ヒット。内匠もセンター前へ続いた。ここで石井は渾身の投球。安本を三振に仕留めた。が、松山にストレートがやや甘く入った。松山の打球は左中間を突破。中継に入った上野の懸命のバックホームも間に合わず、内匠が逆転のホームを踏んだ。さらに清原も右中間にツーベースして、1点を追加した。黒木はライトフライに倒れたが、ついにPLが試合をひっくり返した。

 9回表:2点を追って、キャプテンの上野山がバッターボックスに入った。しかし、上野山はショートゴロ。が、箕島もこのまま簡単には終わらない。北野がセンター前ヒット、上野が粘ってフォアボールで歩いた。続く森川に期待がかかった。森川の打球はライト前へ。この難しい打球を黒木がダイビングキャッチ。飛び出したセカンドランナーの北野は戻れず、ゲームセット。‘負けないチーム’箕島は、ここに姿を消した。

 第3試合
 箕 島100000010…2
 P L00000013
×…4



 第4試合
 池  田300002000…5
 鹿児島実000010000…1


 第3試合の余韻が残るなか、試合が始まった。池田は、まず先頭の坂本が上園のカーブに的を絞ってライト前ヒット。続く金山が送ったワンアウト2塁で、江上、水野を警戒し過ぎた上薗は連続フォアボール。池田は立ち上がり大きなチャンスを迎えた。次の吉田は、セオリー通り四球の後の初球を狙った。打球は深々と左中間を破り、大きな3点が入った。

 上薗とは対照的に、この日も水野は好調。鹿児島実の主砲・内乃倉も水野のシュートに差し込まれ、鹿児島実はヒットすら容易に打てなかった。鹿児島実は、5回に俣瀬のヒット、デッドボールなどで1点を返したが、反撃はこれが精一杯であった。

 池田打線は、その後立ち直った上園にややてこずったが、井上がツーランを放って、6回に決定的な2点を追加。その力を存分に見せた池田の完勝であったが、上薗の立ち上がりの乱調が鹿児島実としては残念であった。




 第13日・準決勝

 第1試合 横浜−池田

 1回表:松坂は、やまびこ打線を前に、今まで以上に気合の入ったピッチングを見せた。初回から145kmを超えるストレートをビシビシ投げ込み、坂本をファーストゴロ、金山をピッチャーゴロ、江上を三振と、上々の立ち上がりを見せた。
 1回裏:松坂のピッチングを見て、水野も燃えた。小池をスライダーで三振、加藤をインコースストレートでキャッチャーフライ、柴をスライダーでファーストゴロと、こちらも無難なスタートを切った。

 2回表:水野サードゴロ、吉田三振、山田も三振と、さしもの池田打線も、松坂が本気で投げ込んでくる投球に手が出なかった。
 2回裏:後藤三振、松坂サードゴロ、常盤セカンドゴロと、横浜は水野の鬼気迫るピッチングにランナーすら出せなかった。

 3回表:高橋、松村、井上が三者三振。松坂にますますエンジンがかかってきた。
 3回裏:小山三振、佐藤はセーフティバントを試みるもピッチャーゴロ、松本セカンドゴロと、横浜も3回まで三者凡退。お互い大会屈指の強打線であるが、ここまでは両投手の出来が相手打線を完全に上回った。

 4回表:坂本ショートゴロ、金山ピッチャーフライ、江上センターフライ。池田は初めて外野に打球が飛んだ。しかし、依然としてランナーを出せなかった。
 4回裏:小池は三振に倒れたが、加藤がショートへ内野安打。うまいショートならさばいていただろうが、ともかく両チームを通じて初めてランナーが出た。そして、加藤はすかさず盗塁。ここで柴が水野のストレートに詰まりながら、レフト前へワンバウンド。好スタートを切っていた加藤が勇躍ホームイン。横浜に待望の先取点が入った。後藤はサードゴロ併殺で、横浜はこの回1点止まり。

 5回表:先頭の水野が叩きつけるバッティングでサードの頭を越える安打で出塁。しかし、吉田が初球のカーブを引っ掛けてショートゴロ併殺。この後山田にセンター前ヒットが出ただけに、惜しまれる吉田の併殺であった。高橋は三振して、池田はこの回も無得点。
 5回裏:松坂レフトフライ、常盤はデッドボールで出塁も、牽制でアウト。小山はライトフライ。

 6回表:松村は三振したが、井上がカーブをうまく打って、左中間にツーベース。しかし、力投する松坂に、坂本、金山と連続でピッチャーゴロに倒れた。
 6回裏:佐藤サードゴロ、松本はライト前ヒットしたが、小池がまたも三振。加藤はセカンドゴロ。横浜も、この日の水野から追加点は難しそうだ。

 7回表:この回先頭の江上がよく見て、この日初めてのフォアボールを得た。ここでバッターは、投打の中心・水野。もちろん、水野にバントはない。水野は松坂のやや甘く入ったスライダーを強引に引っ張り、レフト線へツーベース。ノーアウト2、3塁と池田は絶好の同点、逆転の場面を迎えた。このピンチに横浜は前進守備を敷かなかった。渡辺監督は、1点を惜しんで大事になることを避けたのである。これが正解であった。吉田の難しいショートゴロの間に1点こそ取られたが、もし前進守備だったら、吉田の打球はセンター前に抜けていただろうから。続くワンアウト2塁は、山田、高橋を連続三振に取って、松坂が凌いだ。しかし、池田はついに追いついた。
 7回裏:柴セカンドゴロ、後藤ショートゴロ、松坂三振と、追いついた次の回のクリーンアップの攻撃を、水野は気合で三者凡退に切って取った。

 8回表:松村サードゴロ、井上セカンドゴロ、坂本はフォアボールで出たが、盗塁失敗。
 8回裏:常盤が水野のカーブをライト前ヒット。小山が確実に送るが、佐藤は三振、松本はセカンドゴロで、8回を終わって依然1−1。試合は完全に1点勝負となった。

 9回表:金山三振、江上セカンドゴロ、水野レフトフライと、池田は上位打線が簡単に三者凡退。9回裏に嫌な感じで入った。
 9回裏:この日3三振の小池が意地を見せて、ライト前ヒット。そして、ここも盗塁を仕掛けた。これが決まって、横浜はノーアウト2塁の絶好のサヨナラのチャンスを迎えた。続く加藤は確実に送る。江上からのファースト送球がややそれて甲子園は大きくどよめいたが、カバーに入っていた金山がうまく取って事なきを得た。ワンアウト3塁で、バッターは3番の柴。これ以上ないサヨナラのチャンスだったが、水野は踏ん張る。柴をインコースの速球で詰まらせてセカンドフライ、後藤には落差の大きなカーブを打たせて、ファーストゴロ。試合は延長戦に入った。

 10回表:吉田が甘く入ったカーブを左中間に持っていった。まさに、ピンチの後にチャンスあり。しかし、山田のバントを松坂が俊敏な動きでサードで封殺。松村はセカンドゴロゲッツーで、松坂はピンチを切り抜けた。
 10回裏:松坂三振、常盤セカンドゴロ、小山ショートライナーで三者凡退。

 11回表:先頭の井上がセンター前ヒット。さしもの蔦監督も、ここは坂本にバントを命じた。ワンアウト2塁でバッターは金山。金山は打力にやや難がある。それで松坂がなめたのであろう。初球スッと甘いストレートが入った。これを金山がうまく流し、1塁線を突破。池田が勝ち越した。池田はなおも1死2塁の追加点のチャンス。ここは松坂が目の色を変えて、江上、水野と打ち取った。とはいえ、大きな1点が池田に入った。
 11回裏:追い詰められた横浜は、佐藤、松本が水野の前に連続三振。横浜は徳俵に足が乗った。しかし、小池のなんでもない打球を江上がエラー。なんとかチャンスの芽が残った。ここで、小池は決死の覚悟で盗塁を試みる。これが決まって、同点のランナーがサードへ進む。この場面で横浜ベンチは、加藤に代打斉藤を送ってきた。斉藤は粘ってフォアボール。ツーアウト1、2塁でバッターは3番の柴。柴は水野のストレートをセンター前へ。小池が懸命に還って来る。坂本のバックホームも及ばす、横浜は同点に追いついた。そして、この間、ランナーは2、3塁に進んだ。この進塁が効いた。後藤への初球、アウトコースのストレートを井上がそらした。バッテリー、痛恨のサイン違い。試合は意外な形で決着が着いた。

 池 田00000010001…2
 横 浜00010000002
…3


 第2試合 崇徳−PL学園

 1回表:桑田は、この日はカーブを投球の中心にしてきた。というのも、崇徳の先発メンバーが全員右打者で、全体にカーブをやや不得手としていたからである。これが功を奏した。山崎、樽岡のうるさい1、2番を連続でセカンドゴロ。小川を三振に退けた。
 1回裏:黒田も安定感抜群の投手。しかも、前日は流した感じで、スタミナも十分。並の投手ならPL打線にすくむものだが、黒田は真っ向勝負で向かっていった。内匠には内野安打を許したが、安本にバントをさせず、結局、三振に打ち取る。松山はサードフライに退け、清原も伸びのある速球で詰まらせ、初回のPLの攻撃を0で抑えた。

 2回表:永田サードゴロ、兼光はレフト前ヒットしたが、応武をピッチャーゴロ併殺打。桑田は、この回もカーブが冴えた。
 2回裏:黒木セカンドゴロ、桑田はセンターフライ、杉本は三振。黒田も素晴らしいピッチングを続けた。

 3回表:釘屋三振、黒田サードゴロ、槙村ショートゴロ。桑田は崩れる気配もない。
 3回裏:今岡センターフライ、笹岡三振、内匠セカンドゴロ。両投手、まったく譲らない。

 4回表:山崎センター前ヒット。樽岡の時、盗塁を試みるもバッテリーに読まれ、セカンドでタッチアウト。樽岡三振、小川はレフトフライで、崇徳はこの回も無得点。
 4回裏:安本サードゴロ、松山はセンターライナー。ツーアウトランナーなしで、清原が打席に入った。清原は前の打席で黒田の直球に差し込まれたが、この打席では修正してきた。前の打席より甘めにきた速球を強振。打球はレフトスタンドへ消えた。続く黒木は倒れたが、PLが1点を先取した。

 5回表:永田三振、兼光サードゴロ、応武はセンター前ヒットしたが、釘屋三振。4回の1点が崇徳に重くのしかかる。
 5回裏:桑田がカーブを狙い打って、レフト前ヒット。杉本が手堅く送ったが、ここは黒田が力投。今岡、笹岡を簡単に打ち取った。

 6回表:黒田はレフトフライに倒れたが、ミートがうまい槙村がカーブにうまくバットを合わせて、センター前ヒット。山崎もカーブを流し打って、1、3塁。ここで、PLバッテリーを配球をストレート中心に変えた。これに崇徳打線がとまどった。樽岡はストレートに詰まってサードゴロ、小川もストレートに押されてショートゴロ。桑田は、この試合初めてのピンチを切り抜けた。
 6回裏:安本がライト前ヒットで出た。松山は確実に送り、バッターは清原。黒田はあらゆる知恵を絞って勝負を挑んだが、結局、フォアボール。続く黒木がライトへ引っ張り、PLは1死満塁の絶好のチャンスを迎えた。しかも、バッターは桑田。しかし、ここは黒田が頑張った。桑田をインコースのストレートで詰まらせ、サードファウルフライ。杉本はサードゴロ。ここで追加点を許したら、試合が決まりかねなかったので、黒田はよく踏ん張った。

 7回表:4番の永田はストレートに滅法強い。そこに甘くストレートが入ってきた。打球は左中間を深々と破り、崇徳はノーアウト3塁のチャンスを持った。兼光は浅いレフトフライに倒れたものの、応武が配球を読んでカーブをセンター前ヒット。続く釘屋と黒田は連続三振倒れたが、崇徳は同点に追いついた。
 7回裏:今岡ショートゴロ、笹岡は歩いた後、内匠が簡単に打って出てセンターフライ。笹岡は盗塁を企てが、鉄砲肩の応武に刺されてしまった。

 8回表:槙村はショートフライに倒れたが、山崎がレフト前ヒット。そして、すかさず2盗。さらに3盗も決め、崇徳が大きなチャンスを得た。ここで笹岡は前進守備のセカンドを抜き、センター前へ。続く小川、永田は倒れたが、崇徳は、1、2番コンビの活躍で勝ち越した。
 8回裏:安本センターフライ、松山サードゴロと、清原の前にランナーが出なかった。黒田はホームランだけは打たれないピッチングを展開し、清原をライトフライに退けた。

 9回表:兼光三振、応武レフトフライ、釘屋三振と、簡単に三者凡退。いよいよ試合は9回裏へと入った。
 9回裏:先頭の黒木はセカンドゴロに倒れた。しかし、桑田がインコースのストレートを狙い打って、レフト前ヒット。ここで中村監督は杉本にバントを指示。8番に入っている今岡にのバッティングに賭けた。今岡は無心で黒田のカーブを強振。打球は左中間を抜けた。こうして土壇場でPLが追いついた。が、ここでは黒田は持ちこたえた。内匠をピッチャーゴロに退けたのである。この試合も延長戦に突入した。

 10回表:黒田がレフト前にヒット。槙村が送って、山崎、樽岡の1、2番に期待がかかったが、ここは桑田が全力投球で、連続三振を取った。延長に入っても、桑田もスタミナは凄い。
 10回裏:安本がこの日2本目のヒットで出塁。当然、松山はバント。そして、これも当然の如く清原は歩かされた。ここでバッターは黒木。黒木は、黒田の速球をうまく左へ打った。それが前に出ていた永田の頭上を超え、安本が歓喜の生還を果たした。ここに、「最強チーム」が「超A級のチーム」を降した。


 崇 徳0000001100…2
 P L0001000011…3




 第14日・決勝

 横浜−PL学園

 1回表:横浜は、立ち上がりの桑田をいきなり襲った。小池はセカンドゴロに倒れたが、加藤がセンター前ヒット、柴がエンドランを成功させ、早くも1死1、3塁。ここで後藤がライトへ犠牲フライを上げ、横浜が1点を先取した。松坂もセンター前ヒットしたが、このピンチは桑田が常盤をライトフライに打ち取り、1点で凌いだ。
 1回裏:内匠、安本は倒れたが、松山が松坂のストレートをレフトオーバーにツーベース。ここでバッターは清原。松坂はもちろん真っ向勝負。やや力んだ松坂のストレートが甘く入った。これを清原が素直に右中間に打ち返して、PLはすぐに同点に追いついた。黒木はセカンドゴロに退けたが、松坂としては痛い同点打であった。

 2回表:桑田は横浜打線がストレートに的を絞っていることを見越して、この回からカーブを多めに投げるようになった。3連投目であったがこのカーブが切れ、小山セカンドゴロ、佐藤三振、松本ショートゴロと、桑田は下位打線を簡単に押さえた。
 2回裏:松坂もこの回から変化球を多く放るようになった。これが相手打線を戸惑わせ、桑田を三振、杉本をセンターフライ、今岡をサードゴロに終わらせた。
 
 3回表:小池三振、加藤センターフライ、柴セカンドゴロと、横浜は2回に続き三者凡退。
 3回裏:先頭の笹岡がフォアボールで歩いた。貴重なランナーを内匠が慎重に送る。このチャンスにストレートに強い安本がライト前ヒット。チャンスは1死1、3塁に拡大し、打席に入るのは、勝負強いキャプテン・松山。松山の打球は快音を残したが、佐藤がうまく取り、セカンドフォースアウト。そして、松本が懸命に1塁に送球。間一髪間に合って、松坂はこのピンチを切り抜けた。

 4回表:後藤が桑田のカーブをうまく右に持って行って、ノーアウト2塁。松坂が送って、1死3塁のチャンスを横浜が作った。バッターは常盤。常盤に対して、桑田はカーブ攻め。2−2から切れのいいカーブが決まって、常盤は空振り三振。続く小山はストレートでピッチャーゴロに切って取り、桑田も大きなピンチを脱した。
 4回裏:清原を意識し過ぎた松坂は、清原をフォアボールで歩かせる。さらに黒木にも連続四球。ノーアウト1、2塁で、バッターは桑田。PLベンチの出方が注目されたが、桑田に送らせてきた。桑田はきっちりバントを決め、またPLは大きなチャンスを迎えた。杉本はヒッティングの構えから一転、スクイズをしてきた。打球はピッチャー前に転がり、松坂が小山にトス。小山ががっちりブロックして、清原はタッチアウト。続く今岡は三振に仕留め、松坂はなんとかこの回のPLの攻撃を0に押さえた。

 5回表:佐藤はショートゴロ。松本がレフト前にヒットしたが、小池はセンターフライでエンドラン失敗。松本が盗塁死で、この回は3人で攻撃を終わる。
 5回裏:笹岡セカンドゴロ、内匠レフトフライ、安本セカンドライナーで、PLは2回以来の三者凡退。

 6回表:加藤セカンドゴロ、柴はライト前ヒットしたものの、後藤がショートゴロ併殺打。横浜は、なかなかランナーをセカンドに進められない。
 6回裏:松山サードゴロ。清原センター前ヒット。黒木はセカンドゴロで、清原とランナーが入れ替わる。2死1塁で、桑田が松坂のストレートを狙い撃ち。打球は左中間を割り、黒木が生還。杉本は三振したが、PLが1点を勝ち越した。

 7回表:自分が打たれたのなら自分が打ち返すとばかり、先頭の松坂が三塁線を突破。常盤はバントかと思われたが、渡辺監督はヒッティングを選択。常盤はカーブをうまく拾って、ライト前ヒット。松坂が強引に突っ込んだが、ホームでアウト。しかし、セカンドに進んでいた常盤を、小山が右中間に流してホーム迎え入れる。横浜はすぐに同点に追いついた。佐藤はフォアボールで出てチャンスは広がったが、松本、小池と倒れ、横浜はこの回同点止まり。
 7回裏:今岡サードフライ、笹岡三振、内匠セカンドゴロで、PLは三者凡退。

 8回表:加藤がセンター前ヒット。当たっている柴であるが、ここはバントをしてきた。しかし、後藤が三振、松坂センターフライで、勝ち越しならず。
 8回裏:安本、松山と連続三振。ツーアウトランナーなしで、バッターは清原。この場面、松坂は力勝負を挑んだ。ストレートを2球連続投げ、カウントは1−1。1−1からまたしてもストレート。これが真ん中やや外寄りに入った。これを清原がジャストミート。打球はレフト中段に突き刺さった。大歓声の中、清原がベースを回り、ホームイン。PLが最高の形で1点を勝ち越した。

 9回表:1点を追って常盤がセンター前ヒット。横浜もただでは引き下がらない。小山が慎重に送る。ここで、代打・斉藤。斉藤はいい当たりを放ったが、松山が飛びついてセカンドライナー。そのままベースを踏んで、試合終了。実力はまったく互角の両者であったが、芯のある打者のいるPLが紙一重の差で勝利した。

 横 浜100000100…2
 P L10000101
×…3


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