STOP・THE・BUS


 
今回はションベンとの闘いである。

 ションベンとの闘いは、下痢を除けば、ある意味クソとの闘いよりもきついものがある。
ただ万一KOされた場合は、ションベンの方がはるかに事後処理が楽であるが…。

 大学3年であった春合宿でバスで周遊していた時に、史上最も苛烈なションベンとの闘いが勃発した。
クソとの数々の激闘を制してきたわしも、ションベンとの闘いを軽視していたキライがあった。そして、それが仇となった。

 バスがとある休憩所に着いたが、クソ意を全く感じていなかったわしはバスの中から動かなかった。で、バスが出発してしばらくすると尿意を感じ始めた。最初は大したことはないとタカをくくっていたが、途中から遺憾ともし難くなってきた。

 それで、スケジュールを組んだ奴に、「次の休憩所まで、あと何分?」と聞いたら、「あと1時間くらいですかね」という答え。それを聞いて、ますます絶望的な気分になった。

 ひとしきり我慢して再びそいつに、「あと何分?」って問うたら、「40分ぐらいかな」と返ってきた。「うわぁ、まだそんなに」と思いながら、またしばらく我慢した。

 またまたその男に時間を聞いたら、「さっきから5分も経ってませんよ」と言われた。自分ではかなり我慢したはずだったのに5分も経っていないとは…。

 そこでもう勝ち目なしと悟り、恥を忍んで
バスの運転手のところまで行って、「すいません、どうしてもトイレ行きたいので、バス、止めて下さい」と頼んだのであった。

 
路線バスだったので他の客も少なからず乗っていたのだが、運転手は快くOKしてくれ、バスが止まった。すると、事情を知らない他の客も降りようとドカドカと降り口に向かってきた。

 そこで運転手が事情を説明したので、またまた恥をかいてしまった。しかし、そんなにかまけてられないわしは、一目散に脇道に走って行った。

 ところがである。あれだけ爆発的にしたかったのに、いざとなったら出ないのである。これには焦った。焦れば焦るほど出ない。

 ここは意識を他にそらせようとするのがいいだろうと考え、何とか事を済ました。しかし、ホントにつらい闘いであった。

 
これ以降、尿意も軽視しなくなったのは言うまでもない。    

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