いい加減にしろ!
今朝は起きるのが、えれぇつらかった。まだ本調子ではなかったようだ。携帯の目覚まし曲の「オランダ国歌(ウィルヘルムス)」が地の果てから聞こえてきって感じであった。
今日が仕事のヤマなので不本意ながら出勤することにしたが、「もし調子が悪かったら、午前中に仕事を片付けて午後から帰ろう」と、朝ぬけに決意したわしであった。
そうこう考えながら、力石よろしく朝食の果物を食べていたら、携帯が「テキサス刑事のテーマ曲」を奏でた。時に、朝7時半。
「こんな朝っぱらから誰かいな?」と思って、携帯のディスプレーを見たら、アホ後輩からであった。
ったく、朝から何の用だ? 出勤する日の朝は分刻みでスケジュールをこなしているんだよ。最初ネグレクトしようと思ったが、奴から金を返してもらいたいので出ることにした。
わし:朝っぱらからどうしたんだよ。
野郎:いやぁ、あぶないところだったんだよね。
わし:ちょっと待ってくれ。
ここで携帯を持ってトイレに移動。まだクソしてなかったし、野郎の話など、クソしながら聞くんで十分だ。だいたい横に親がいたんじゃ、奴とは話しができん。
わし:(トイレにしゃがみながら)店に見つかったのかよ?
野郎:違う〜。何だと思う?
わし:わかんねぇよ。朝は忙しいんだよ。もったいつけてねぇで早く話せ。
野郎:いや〜、実は腹ませてしまったかと思って、昨日、一緒に医者行ったんだよ。
わし:なに〜? だから、「気をつけろ」とあれほど言ったろ。で、どうだったんだよ?
野郎:いちおうセーフだったんだよ。腹ましたらシャレにならなかったよ。
わし:おめぇ、そんなこと言うのにこんな朝っぱらからかけてきたのかよ。
野郎:すんまへん。誰かに言いたくてさ。でも、このこと知ってんのキムラさんだけだし。
わし:ところで、仕事は見つかったのかよ。
野郎:働く気なんかさらさらないみたいだよ。あれは女の体をした動物だね。
わし:… 。
野郎:ま、週1回ソープランドに行っていると思えばいいか。
わし:その話はまた今度聞いてやるから、お前、早く金返せよ。
野郎:こんなんだから、財政ピンチなんだよね。あ、もうすぐ会社だ。また電話するよ。
ここで電話は切れたが、そんな話ならもう電話してこなくてええ。
しかし、何が悲しゅうて、朝っぱらからそんなくだらない話を聞かな、あかんの? ちったぁ、TPOを考えろってんだ。
それに、野郎のおかげでリラックスできなかったので、クソが出んかった。幸い通勤時に闘うことはなかったが、もし野郎のせいでKOされていたらと思うと身の毛がよだつ。
それはそうと、もし万が一にでも腹ませたら、どうするんだ? 向こうはその道のプロなんだから、奴の裏をかいて妊娠することなど朝飯前だろう。
そうなったら、その女は産むと言うに違いあるまい。そうなっても知らんぞ。
今、午後9時。朝以来、野郎からの電話はない。もしかしたら、野郎、今頃女と一緒かもしれん。今も調子イマイチだし、野郎のアホ話など、今日はもう聞きたくねぇ。
というわけで、もう寝よう。当然、携帯の電源を切ってだ。
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