信玄ラーメン



 今日は、昼からしのつくような雨が降ってきた。しかし、
その雨をものともせず、昼飯は山手線の某駅のラーメン屋に行った。

 そこのラーメン屋は「信玄ラーメン」といい、信玄ラーメンなるものが看板なのだ。その信玄ラーメンは中華クズが入ったラーメンで、すこぶるうまい。普段からスープを飲み干すのことは健康上戒めているのだが、信玄ラーメンのスープはあまりにおいしいので全部飲み干してしまう。

 なぜ、ここがラーメンの名店として雑誌や本に紹介されていなのだろうか? 駅の近くとはいえ、目立たないからだと思われるが。

 
しかし、信玄ラーメンのうまさ以上なのがそこのおやじの変わり者ぶりである。左ギッチのそのおやじは所作の一つ一つがおかしく、客が入って来るかどうか確かめるため絶えず目で牽制球を送っているなど、常に落ちつかない。そして、ラーメン作りながら、「ブアァー、ブアァー」とキモイ奇声をあげている。

 看板メニューが信玄ラーメンだから、おやじはてっきり山梨県出身と思ったら、馴染みの客に、「俺、チャキチャキの江戸っ子なんだけどさ、タイガースのファンなんだよね」と言っていた。いったい信玄ラーメンの名前の由来は何なんだろうか?

 その店でわしが信玄ラーメン以上に気に入っているのがチャーハンである。わしは初めての中華屋に行くと必ずチャーハンとギョーザを頼むことにしている。

 そこへ初めて行った時もそうしたが、注文を聞いたおやじは急に不機嫌になり、「何? チャーハン? ラーメン、いいの?」だと。
だったらチャーハンをメニューに置くなよな。

 とはいえ、そこのラーメン&チャーハンはまじでおいしいと思う。ただ、わしは常日頃から味音痴と言われているので保証の限りではないけど。


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