しょうが焼き定食


 今日の昼間はクソ暑かった。で、つけ麺を食おうと思って、信玄亭に歩を進めた。時に、午後1時半。  

 いつもは店に入ると、「いらっ」の洗礼を受けるのであるが、おやじは土曜日はテンションが低く、あまり大きな声では言わない。

 おやじが土曜日に元気がないのは、手伝いの上品なおばさんがいないからではないだろうか? 
まさか、あのチョンガーおやじ、おばさんにホの字じゃねぇだろうな?  

 それはそうと、信玄つけを頼もうと思ったら、「今日はご飯たっぷりあるよ」だと。ん? おやじは、土曜日はメシを炊かない主義ではなかったのか? 相変わらずわけのわからん御仁だ。

 しかし、そう言われた以上ご飯類を頼むしかあるまい。そこで、しょうが焼き定食を頼んだのであるが…。  

 出来あがってきたものを見て目が点になった。肉と野菜がてんこ盛りだったのだ。

 すると、おやじは、「もうすぐ店じまいじゃない。それに明日から信玄も連休でさ、余った肉や野菜は捨てなきゃなんないんだよ。お兄さんいかにも食べそうだし、今ある分の肉と野菜全部入れてやったよ」とのたまわった。  

 
おい、おやじ、俺は残飯処理係りじゃねぇぞ。それに、「いかにも食いそう」たって、それは見た目だけだ。

 わしは長年のエステ通いで、胃袋が小さくなり、一定の許容量を超えると胃が受けつけなくなってしまったんだよ。
おやじも、わしの胃が金竜飛状態とは、想像だにしていなかったのだろう。  

 
残すとおやじに屈服するような気がしたので、無理にでも全部食べることにした。そして、根性で全部食った。  

 明日は、近所に住む後輩のホームパーティーに行く予定である。しかも、わしのために誕生会をやってくれるという。それで、主賓のわしがよう食えんのじゃ、様にならん。なので、なんとか明日の昼までに胃を治して臨みたいと思う。  

 にしても、おやじめ。イチイチはがい目に遭わしやがって。ええ加減にせんと、近所のラーメン屋へ浮気しに行くぞ。



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