デリヘル



 




 

 昼飯食ったあと、携帯がクロアチア国歌を奏でた。「どうせアホ後輩からだろう」と思ってディスプレーを見ると、やはり野郎からであった。


野郎:いやあ、やっぱ昨日、デリヘル嬢を呼んじゃってさ。

わし:そんなこったろうと思っていたよ。それで?

野郎:それがさ、初めてのところだったんで指名しなかったんだよ。そしたらさ、全然好みじゃない子が来ちゃってさ。

わしそういう場合は写真指名しろってあれほど言ったろ。

野郎
:もし気に入らなかったらチェンジしようと思ってたんだけどさ、本人を目の前にそんな勇気なかったよ。キムラさん、チェンジしたことある?

わし:だから、俺はデリヘル嬢なんて呼んだことねぇって。うちは自宅だぞ。

野郎:ホテトルもやったことないの?

わし;ねぇよ。

野郎:チェンジの仕方を指南してもらおうと思って電話したんだけどな。

わし:俺は子供電話相談室じゃねぇぞ。で、昨日いくら使ったんだよ。

野郎:タクシー代含めて4万かな。

わし:お前、よくそんな金があるな。

野郎:まあまあ、ゴールデンウィークまでにはちゃんと返すからさ。

わし:そんなのに金使ってるから、そんな先になるんだろうが。

野郎それでさ、渋谷でいいお店見つけたんで、今度行かない?

わし:行かんて。昨日、今はその必要がないっ話をしたろが。ま、お前がおごるならいいけどよ。

野郎:おごるからその分、借金から棒引きしてくんない?

わし:それじゃ、おごることにならんだろが。

野郎:じゃ、今度また千両で飲まない?

わし:また今度な。


 そこで電話を切ったが、
飲んでもどうせキムラ話になるに決まってるし、金もないしで、そんなもん却下だ。

 それにしても、デリヘル嬢の勇気には敬意を表したい。まったく見ず知らずの男の家によく入れるよなぁ。アホ後輩だからいいけど、やばい奴だったら命すら危ないぞ。店と違って危ない時に助けを呼ぶこともできんしな。いくら金のためとはいえ、ようそんなことができるわ。

 実は明日、わしもデリヘルを頼む。といっても、パソコン出張サービスのデリヘルである。BGM関係をもっとパワーアップさせたいのであるが、果たしてうまくいくかどうか。うまくいったらお知らせしやす。


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