再入院日記５

　
　 今日、明日と病院から出勤だ。何でこんな芸当が可能かというと、医者に外出許可をもらったからである。

　ただし、「昼ご飯はゼリーかヨーグルトだけにしなさい」とくれぐれも念を押された。今日は土曜だから、しんげん亭詣での日なのだが…。
　
　もし今日の昼にしんげん亭でチャーハンやラーメンを食ったら、今までの努力が元の木阿弥になってしまう。であるから、今回も断腸の思いでしんげん亭を回避することにした。

　それはあまりに納得いかなんで、とっつぁんに、「今日はわしの代わりにしんげん亭に行ってくれ」と頼んだのだが、余裕で断れた。ふだん、あれだけかみさんの愚痴を聞いてやっているのによ。まったくとんでもない奴だ。

　さらに、とっつぁんは、病院から出勤して来たわしを、「病院から職場に来て、また病院に帰る奴など、聞いたことねぇど」と揶揄しくさったのである。大納言もそれに同調していたのも、なお納得できん。

　でもね、体自体はピンピンしてるんだよ。それに、病院にいたって、何もやることがないし。

　そして何より、有給をこれ以上使うわけにはいかん。なにせ選抜で最低４日は有給を使うからな。

　それはそうと、退院しても、しんげん亭に行くのはやめた方がいいのだろうか？　とっつぁんもセイウチもそう言っているのだが…。

　帰り間際にヒゲを剃っていたわしを見たとっつぁんが、「何で、病院に帰るのにヒゲ剃っているの？」と聞いてきた。「看護婦にむさ苦しいツラを見せたくないんで」と答えたら、とっつぁんはあきれ返っていた。でもね、あんたにあきれ返られたかねぇ。

　しかし、病院に帰って吐いた。今晩のわしの部屋の担当は男だと？　なんのためにめかして帰ったのか、意味がなくなってしまったじゃないか。

　なんかこれって、デジャブー現象のような感じがする。そう、エステでの悪夢だ。

　まあいい。今日はもう夜中にする点滴とかないし。それにしても、引きが弱ぇぇ。