キムラ西へ・後編
昨晩は1時過ぎに寝たものの、7時半に目が覚めた。これなら天神駅8時発のバスに間に合うと思ったところ、クソが長引いて乗り損ねてしまった。これはシャレになったのだが…。
それで、9時博多発の長崎行きの電車に乗ることにした。そして、着いたのは11時。これなら平和公園に行ってからでも12時出発の湾内巡りの船に間に合うと思い、予定にはなかった平和記念像を見に行くことにした。
しかし、まず、市電・長崎駅に行くのが一苦労であった。というのも、歩道橋を渡らねばならなかったからである。
高所恐怖症のわしは、歩道橋が大に苦手なんじゃい。意を決して歩道橋に突進したが、駅までの横断歩道くらい作りくされ。
平和公園では最初に原爆落下中心地碑を見に行ったところ、女子大生のグループがちらほらいた。女子大生のグループが食べていたソフトクリームがあまりにおいしそうに見えたのでわしも買ったが、いいおっさんがソフトクリームをペロペロしてんじゃねぇよ。
次に平和記念像を見に行こうとしたら、道案内が不親切で行くのに時間がかかってしまった。それで12時出発の湾内巡りの船をあきらめ、グラバー園とオランダ坂に行ってから、次の次の3時半出発にやつに乗ることにした。
平和記念像の周りに人が多くてやや興ざめしたが、平和記念像を見て、2度と戦争を起こしてはいけないと思ったわしであった。←ホントかよ。
平和公園のある松山町駅から市電を乗り継いで、グラバー園に近い石橋とかいう駅に着いた。ここでトルコライスを食べようと思ったのに、食べ物屋自体がないって、本当に観光のメッカなのかよ? しゃあないんで、トルコライスは後で食べることにした。
グラバー園は高台にあって、そこまでエレベーターを乗り次いで行ったのだが、エレベーターを降りところに猫がいた。他の観光客は猫など眼中になかったようだが、わしは人懐こい猫としばらく戯れていた。
そして、別れ際、持っていたペットボトルを口に含み、猫の顔に発射。わしに油断していた猫は、驚いてあっという間に走り去って行ったのであった。これで、その猫が人間不信に陥らねばいいが…。
猫と遊んだ後、なんたら伯爵が暮らしていたとかいう屋敷跡に入った。その応接間跡に、ボタンを押せばオルゴール演奏をする曲が4曲あった。その4曲は、マズルカ、アイーダ、ポロネーズ、ゴット・セーブ・ザ・クイーン(イギリス国歌)であったが、わしが何のボタンを押したのかは書くまでもないだろう。
わし1人しかいなかったのを幸いに、オルゴール曲に合わせてゴット・セーブ・ザ・クイーンを歌っていたところ、いつの間にかおばさんが背後にいて、恥をかいたわ。
にしても、グラバー園からの風景は素晴らしかった。長崎湾を見ていたら、1時半出発の湾内周遊の船が見えた。次の3時半発の船に乗るのが実に楽しみだ。にしても、長崎湾を一望できる家で瀟洒な生活を送っていた、なんとか伯爵は幸せだったことだろう。
グラバー園からオランダ坂へはすぐだったのは幸いであった。勾配がややきつかったのは吐いたが、なかなかお洒落な坂で納得。それより感動したのは、坂の途中にある高校の名前を見た時であった。
なんと、あの海星高校だったのである。剛腕・酒井に思いを馳せたのは言うまでもない。
それから、オランダ坂の近くにある孔子廟・中国歴代博物館に入ってきた。そして、トルコライスを食べるべく観光通駅に向かって市電に乗った。
しかし、なかなか適当な店が見つからなかった。というのも、イチイチサラダがサイドメニューについている店ばかりだったからである。単品料理の鬼のわしには、サラダは無用の長物以外の何物でもない。
やっと単品の店を発見したが、皿にレタスの千切りが乗ってくさった。キャベツなら何の問題もないが、レタスは話にならん。余裕で残したが、そういうのを負い目を感じるわしは、逃げるように店を出たのであった。
店を出たのは3時過ぎ。観光通駅から湾内就航の船が出るそばの大波止駅まで近くなので、3時半の出発時間までは余裕であった。しかし…。
波止場が閑散としていたから変だなと思っていたら、3時半ではなく、3時の出発だったのだ。
かぁぁぁ。なんというドジ。わしは、この湾内一周を一番の楽しみにしていたのによ。
波止場のキップ売り場で3時発の案内を見て、しばし仁王立ち。もちろん、これはシャレにならんかった。
しかし、何で、時間を確認しなかったんだ? 12時、1時半ときたら、次は3時に決まっているじゃないか。3時半と頭に刷り込まれていた理由が、今もってわからん。
しゃあないんで、近くの出島まで行ったけど、噂通り、味もそっけもなかった。頭きたんで、とっとと切り上げて、4時半の電車に乗ることにした。
電車に乗る前にお土産コーナーを見たら、えらくかわいい子が角煮を売っているのが目に入った。当然、ドレムラー突進だ。
そして、とっつぁん直伝の札を深く握るというお釣り作戦に出た。さらに、これもとっつぁんから教授された、会話作戦も繰り出した。
「これは甘味なんですか?」と、全くトンチンカンな質問をしたのであった。あきらかに姉ちゃんは吐いていたな。
帰りの飛行機も運良く、窓際の席となった。行きと違って全く揺れず、窓からの夜景を楽しんでいたら、名古屋近辺でえらい揺れ出した。
もう夜景の観賞どころの騒ぎではない。そして、しばらくしてストーンと落ちた。ここで絶叫マシーンと化した。
あちこちで女性の悲鳴が聞こえたことからも、その怖さが想像できよう。
「雨雲に入ったことで揺れてます」という場内放送があったのでやや安心したが、雨雲、許さん。
ベルカンプがアメリカワールドカップで飛行機に乗って、よけい飛行機嫌いになったというのがよくわかったぜ。にしても、前後隣に人がいなくて良かったわ。
で、結局、帰って来たのは11時半頃。そして、寝たのは2時過ぎ。明日が休みでなければ、クソ余裕で出前だったろう。
なんだかんだ言って、有意義な2日間であった。あ゛〜、明日から現実に戻りたくねぇなぁ。
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