あいつら〜
家に帰ったら、母親宛に税務署から封書が届いていた。
どうせまた不幸の手紙だろうと思った。税務署から幸福の手紙が来たことなど、ただの一度もない。
わしが封を開いたら、「中野区××町の物件について聞きたいことがある。ついては、6月6日(金)の午前9〜11時に来てくれ」とあった。
中野区××町の物件といったら、ばあさんが持っていた家じゃないか。ばあさんが亡くなってから、その家があった土地の持ち主にその家を売却して、いくばくかの金を得たのだが…。
でも、金が母親の口座に振り込まれてからもう1年になる。だから、もう追っ手は来ないと思っていた。その油断をあいつらは突いてきたわけである。
にしても、あいつら、どこから嗅ぎつけたんだ? ったく、ハイエナみたいな奴らだ。
その家の売却金は相続税がかかる額にはるかに及ばないし、何で呼び出しを食らったのか、ようわからん。後輩の司法書士も、「相続税がかかることはないですよ」と言っていたのだが。
いずれにせよ、母親を1人で税務署に行かすわけにいかん。わしが用心棒怪獣・ブラックキングになる。
しかし、あいつら、エラソーに呼び出しをかけやがってぇ。まずは電話して来い。
奴らの呼び出しなんぞ黙殺したいところだが、前にそうしたら、1万ほど追徴されたことがある。だから、行かざるを得ない。
あいつらのおかげで、有給が1日無駄になる。有給は夏の大会のためにできるだけ溜めたいのによ。
今大会は記念大会で18日間に及ぶ。わしは18連休を目論んでいるのだ。
ともかく、来週の金曜日にあいつらと勝負だ。そのためにも、これから7日間、寝だめしたい…。
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