出て来た奴は…

 
 結局、昨日も不毛地帯を見なかった。不毛な時間を過ごしたくなかったのでね。山崎豊子の作品は名作の金太郎アメという評価があるようだが、不毛地帯はただ話が長いだけの駄作である。

 今日はとっつぁんが来た。本当に風邪で休んでいたかどうか疑わしい。とっつぁんが休んだ理由を考えることは不毛である。来ても大して役に立たないしな。

 号泣組翁に、
「翁はあまり風邪を引きませんね」と聞いたら、「わしは風邪で休めるような職場は知りません」と返ってきた。それって、返答になってないんじゃないの? 翁が気軽に出前を取る奴を軽蔑しているのは確かなようだ。

 そこで、
「翁のような人が日本の有給消化日数の平均値を下げているんですよ」とからかったら、「定年になったら有給は取り放題ですから」と、トンチンカンな答えが返ってきた。翁との会話が不毛な時間であることも間違いない。

 今日の昼休み、Xからメンツ全員にメールが送られてきた。
「かねてからの予定通り、あさっての日曜、10時にサンに集合して下さい。私の名前で予約を取っています」 

 そんな予定は聞いてねぇ。野郎、またわしを仲間はずれにする気だな。

 頭にきたので、
「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ」と返してやった。

 これで半年のブランクが確定した。
麻雀を覚えて以来、半年も牌を握らないなんて初めてのことだ。

 しかし、禁断症状は起こっていない。わしもそろそろ引退か。

 当然のことながら、見学になど行かない。
麻雀不毛地帯を訪れるほど、わしは暇ではない。

 人間にとって時間は有限である。時間はもっと肥沃なことに使わないといかん。

 明日こそ肥沃な時間を送りたいものである。



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