そりゃ、やめるって

 
 床屋には朝の10時25分に着いた。平日の朝なら客が少ないと思ったのである。

 読み通り、座って待っている奴はいなかった。が、外出していて11時に戻って来る奴がいるという。なんで、どこかに行くなら11時半までに帰るように言われた。

 それなら武蔵境で行って、まだ乗車経験のない西武多摩湖線に乗って来ようと思った。しかし、計算外のことが続発した。

 まず、中野駅で中央線が来ねぇ。
10分に1本とは利用者をなめているのか。

 10時36分中野発の快速に乗ったのはいいが、三鷹で特別快速の待ち合わせを食らった。それやこれやで、武蔵境に着いたのは10時56分だった。

 武蔵境駅では西武多摩湖線との連絡口を使えばすぐに乗り換えられるのだが、スイカの残りが130円しかなく、自動改札しかない連絡口を通ることができなかった。かぁぁ、中野駅でチャージしておくんだった。

 連絡口を使えないことで大回りしたので、1本西武多摩湖線に乗り遅れた。この時点で西武多摩湖線に乗るのを諦めた。

 
まあいい。近いうちにまた乗りに来るからよ。

 帰りもまたハマった。武蔵境駅でも電車がなかなか来なかったのである。結局、乗ったのは11時16分だった。

 このままいけば10分ほどの遅刻かと思われたが、三鷹で特急の通過待ちがあると聞いて吐いた。

 しかも、その特急が遅れてくさった。結局、三鷹で10分もロスした。

 なんだかんだで、床屋に着いたのは11時50分であった。
パンクチュアルが売りのわしが何たることだ。

 でも、着いたらすぐにわしの番となった。ある意味、遅刻が奇貨となったわけだ。

 カットをしていて、混んでいる理由がわかった。人手が足りないのである。なんでも2年ほど勤めていた奴がやめたくせぇ。

 そりゃ、長続きしないわな。超ハードな労働条件のうえ、床屋を仕切っているおばさんが恐怖政治を展開しているのだから。客の前で怒声を浴びせられたら嫌になるって。

 
わしだったら3日持たん。そのやめた奴はよく2年勤まったと思うよ。

 それにしても、その床屋は人が辞めすぎだ。ここ3年で5人はいなくなっている。

 混んでいたもう1つの理由がわかった。退職した団塊の世代の奴が来ていたからだ。

 隣でカットしていた奴と床屋のおばさんの会話から、そいつが団塊の世代のリタイア組であることが判明した。リタイア組なら平日の朝から床屋に来ても不思議ではないわな。

 しかし、団塊の世代、いらねぇ。
ただ人数が多いだけで、クソの役にも立たない奴が多過ぎる。

 終わってレジで支払いの時、割引券の有無を聞かれた。そんなもん、ねぇよ。その床屋でやっているプロ野球の優勝当てクイズに負けたしな。

 その床屋では、プロ野球の優勝チームを当てると500円分の割引券をくれるのである。
セ・リーグの優勝チームをヤクルトにしたわしがバカだったわい。

 その床屋も新人を入れろよ。今度また人手不足が原因で待たせたら床屋を変えるぞ。

 床屋からまっすぐ家に帰ってきた。それでは、土曜の午前中に白髪染めに行ってそのまま家に戻る号泣組翁のことをとやかく言えん。でも、今日は疲れたんだよ。

 床屋に行った日は早く寝ることにしている。今日は10時半に意識を失いたい…。


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