退院しました

 
  「水原茂、ただいま帰ってきました」 これは、1949年7月に戦地から帰還した水原茂の有名な挨拶である。わしも、退院した今日、そんな挨拶がしたかった。

 しかし、そんな余裕はない。まだ腰が痛いのだ。主治医もギリギリの線で退院を認めたと、おばさん看護婦が言っていたしな。

 これで、また再入院なんてことになったらシャレにならん。それほど地獄の1か月だった。

 明日から入院日記を徐々に書いていきたいと思っている。あくまで徐々ということで。

 退院して何より嬉しいのは、クソまずい病院食から解放されることである。昼食は吉野家でカレー・牛、夕食はコンビニのつけ麺を食ってやったぜ。

 今日から相撲が始まったとは、ザッピングしていなければ気がつかないところであった。それにしても、大関6人というのは意味がわからん。

 それよりもっと意味がわからんのは、相も変わらず野郎が解説をしていることである。奴とコンビを組むことの多い舞の海も、注射力士だったくせぇ。見舞いに来てくれたドクター(後輩)の本で、あの八艘飛びが仕組まれたものだと知った。

 結局は、舞の海も野郎と同じ穴のムジナか。道理で解説の息が合うはずだ。

 話は退院に戻って、これでまた1人暮らしに戻ったわけだ。そうなると、病院での喧噪が懐かしくなる。

 明日は休みだし、今日は気が狂うほど寝眠りたい。


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