あの2人とは…

 
 あに? 号泣組翁が、昨日、ノー残業デーなのに9時までジャンプしただと? 

 シャンツェが閉じられているのに、無理矢理こじ開けたくせぇ。そして、観客ゼロの中を、K点近くまで大ジャンプ。まったく、ようやるぜ。

 ノー残業デーなので、昨日の翁の残業は記録に残らない。だが、わしの記憶には残る。記録には残らないが、記憶には残る矢吹丈のような残業だ。

 翁の残業について上司に突っ込んだら、上司は吐いていた。そりゃ、そうだわな。上の命令に部下が反しているのだから。

 翁は上司に、「あの2人がやらないから、わしがやっているんです」と言っていると、上司から聞いた。「あの2人」とは、わしととっつぁんである。

 それを否定はせん。でも、あんたは、残業沼に入るために、自ら仕事を抱え込んでいるんじゃねぇか。もっとも、そのおかげで、横綱戦がライブで見られるわけだが。

 今日も翁は、3時過ぎにジャンプ台に乗る準備をしていた。明日が休みということを考えたら、今日も9時までジャンプすることは確実だ。

 しかし、そうまでして家に帰りたくないのか? それとも、仕事を愛してやまないのか? おそらく両方だろう。

 だから、日馬富士に横綱は家賃が高いって言ったろ。横綱で優勝することなく、短命で終わるに違いない。

 それよりも、野郎のスーツ姿に吐いた。わしは、野郎がシャバの空気を吸っていることが納得いかんのだ。

 「近代麻雀オリジナル」で連載中の竹井を主人公にした押川雲太朗の漫画が、12月にコミックとして発売されることを、「近代麻雀」11月15号で知った。

 「近代麻雀オリジナル」はめったにコンビニにないので、竹井の漫画をほとんど読んだことがない。少しだけ見た限りでは、「強い奴が勝つ、たったそれだけのことだろ」などの竹井節がなさそうだ。

 よし、競馬の弱い奴に買わせるか。毎週、競売で2万も3万もやられているんだから、500円のコミックなど安いもんだろ。

 現在、午後9時。豊川の信用金庫立てこもり事件は膠着状態のようだ。犯人が、砂土谷との決闘に挑んだ太賀誠のように命を捨てて掛かっていたらヤバい。

 銀行立てこもり事件で思い出すのは梅川事件である。78年の暮れは、田宮二郎の銃自殺と梅川事件が連続して、世の中が騒然とした。

 当時、わしが何をしていたかだと? それについては、ここでは申し上げない。

 明日から世間は3連休か。世間に属していないわしは、3連続出勤だ。このまま世間から落ちこぼれたままでいたい…。



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