耐震オヤジと再会

 
 
耐震オヤジとは6時前に会った。耐震オヤジは、屋根と外壁の修繕の見積もりを見せた。電話では110万くらいとのことだったが、90万ちょっとであった。

 なるほど。そういう作戦か。つまり、最初にふっかけて、交渉の場では安く言って、契約にもっていかせるというわけだな。

 そういう作戦に乗るのがわしだ。面倒くせぇから次回に契約する。

 不動産会社のあんちゃんの話でも、15年に1度は外装のメンテナンスをやらないと、全体に家が劣化するということだったしな。来週の水曜に監督を交えて具体的な話をするということで、今日は散開となった。

 90万といえば大金だ。が、今は感覚が麻痺しているので、そうは感じなかった。高レート麻雀で負けている奴が感覚をなくすのと同じだろう。

 竹井の言うように、「勝負中に金の価値を考えたら負け」である。確かにそうだ。わしも、勝負中に金の価値を考えたことはない。

 耐震オヤジとは再会したが、信玄オヤジとは再会できない。信玄オヤジは、どこで何をやっているのだろうか? 

 まさかホームレスになってないだろうな。わしは、信玄オヤジをまだ愛しているのだ。

 耐震オヤジに会った帰り、行列ができるラーメン屋として有名な「青葉」でつけ麺を食った。「青葉」は、中野駅から歩いて5分強のところにある。そして、かつてわしが通っていた床屋は、「青葉」のそばに位置していた。

 ラーメンブームの頃は、「青葉」の前に大行列ができていた。行列には並ばない主義のわしは、「青葉」をスルーしていた。

 が、今日は席が1つ空いていたので入ってみた。並ばないで食えたのは幸運であった。

 確かに、つけ麺はうまかった。そして、麺は腰があって、意外と量があった。店員3人も感じが良かったし、人気があることに合点がいった。

 しかし、どうしても、「信玄つけ」と比較してしまう。わしにとって、「信玄つけ」が永遠のbPなのだ。

 数年前、「青葉」の店主が誘拐されたことがあった。店主の師匠格がジェラシーを焼いて誘拐・監禁したとのことであったが、わしとしては、信玄オヤジを誘拐して欲しかった。そしたら、信玄オヤジも世に出たろうに。

 明日も出勤だ。羽生軍団の頭目と森内名人の対局を録画予約した。月曜にゆっくり楽しむ予定である。

 とにかく、早くリフォームが終わって、借り手がついてくれ。今は、そのことで頭がいっぱいで悲しみ減殺されている。決着がついたら、また元の状態に戻るのが怖い…。


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