朝から大ショック
朝、いつも最も早く出勤して来るのは、元隣の席の女性である。次はわしだ。
で、わしが席に着いたら、元隣の席の女性がすっと近づいてきた。「これは愛の告白か?」と思いきや、「私、3月いっぱいで辞めて、実家に帰って、公務員になるんです」と言ってきた。
青天の霹靂とは、まさにこのこと。しばらく二の句が継げなかった。
元隣の席の女性は、「上司をはじめ、みんないい方なんですけど、いろいろと将来のことを考えて、そう決めました」と続けた。
将来のこと? 結婚でもするのか?
そんなことは、どうでもいい。元隣の席の女性がいなくなってしまうこと自体がショックなのだから。
元隣の席の女性との思い出は多くある。わしが高校野球やサッカーの蘊蓄を傾けたこと、わしが号泣組翁をからかっているのを見せて笑わしたこと、いろんなことで相談したこと。それらが走馬燈のように、わしの頭の中を巡った。
そして、「私、席替えでキムラさんの隣を変わるのが嫌だったんです」と言われた。
あまり人をほだすようなことを言うでない。昔のわしだったら、その一言で惚れていただろう。
それにしても、人との別れはあっけない。初めて元隣の席の女性と顔を合わせた時に、「おはようございます、キムラさん。これからよろしくお願いします」と言われたのが昨日のことのようだ。
元隣の席の女性と、携帯番号と携帯のメルアド、実家の住所を交換した。とはいえ、つながりは糸のように細くなってしまうのは確実である。
元隣の席の女性は、昨日、残業していた奴らに辞めることを言ったそうだ。
当然の如く、翁は残っていた。で、翁に退職することを告げたら、「××県って、そんな歳まで試験を受けられるんですか」と言われたという。
ったく、デリカシーがねぇなぁ。元隣の席の女性は、翁の性格を知り尽くしているので笑っていたが、何か気の利いたことを言えんのかい。
ともかく、朝から大ショックだ。今も吐いている。あれほど投攻守にバランスの取れた女性と出会うことは、もうないだろう。
今から試合開始の韓国−台湾にも、あまり力が入らない。
ってことはない。韓国、負けろ! 台湾、頑張れ!
今日は睡眠薬をがぶ飲みして、とっと寝よう。しかし、ハガい。
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