上司の送別会
上司の送別会は、新宿のNSビルで開催された。方向音痴のわしは、いつまで経っても、高層ビル郡の並びがわからん。
今日は、号泣組翁に道案内をさせた。その結果、翁と席が隣になった。本当は、特別参加だった元隣の席の女性の隣になりたかったのによ。
元隣の席の女性は元気そうだった。だが、仕事が激務で吐いているくせぇ。転職は失敗だったのか?
送別会の最初の挨拶は、わしがやらされた。わしが上司に一番世話になったからだと?
その件に関しては、素直に認める。わしが最も出前を取ったのは確かだしな。
わしは、上司を人として尊敬している。あれだけ温厚な人物も、そうはいない。だからこそ、うちの職場はホワイト職場であったわけだ。
そのことを挨拶で述べた。上司がチョンガーだとか、田舎に帰っていい余生を送って欲しいなど、余計なことは一切言わなかった。挨拶はシンプルなのが一番よ。
送別会の店は、おでんが名物ということだった。なのに、最初におでんが出た。
しかも、そのおでんの出汁が薄味であまり美味くなかった。ここは関東だぞ。薄味のおでんて、意味がわからん。
後から出来てきた豚の鉄板焼きは美味であった。味音痴のわしだけでなく、翁も同調していたので、美味かったのは間違いない。
結局、3時間ほどで送別会は終了した。そして、最後に集合写真を撮った。
わしは写真は嫌いだ。集合写真など、見たくねぇ。
上司との最後の送別会は、後日、ごく親しい人間だけで行われることになっている。
だから、寂しさは、そんなになかった。最後の送別会は、涙の送別会になるかもしれん。。
二次会に行った奴らは出前だろう。わしは、明日は出前を取らないように注意したい。
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