外国人でも構わん

 
 今日は、朝から雨という予報であった。雨なら日和って、不動産会社に殴り込みに行くのを止めようと思っていた。

 が、昼は雨が降っていなかった。気象予報士どもは、珍しく良い外し方をしてくれた。

 営業の兄ちゃんと会うのは1か月振りか? その辺の記憶は曖昧である。

 今の状況を兄ちゃんに単刀直入に聞いてみた。そしたら、5月に申し込みが16件あったという。

 それを聞いて吐いた。16件も申し込みがあって制約に至ってねぇたぁ。

 ただ、兄ちゃんの話では、保留になっている話が数件あるとのことだった。

 外国人からの申し込みが幾つかあって、
「外国人でもいいですか?」と聞かれた。外国人でも宇宙人でも、借りてくれれば誰でも構わん。

 その外国人であるが、なんとコートジボワール人からの申し込みがあったと聞かされた。日本がワールドカップの第1戦で対戦するコートジボワールの奴からの申し込みとは、何たる奇遇。

 が、そのコートジボワール人は、不動産会社の方で断ったくせぇ。それは、そのコートジボワール人が日本語を全く理解できないからだそうだ。

 
「日本語が理解できないと契約書が取り交わせないので、どうにもなりません」とのことであった。確かにな。

 しかも、コートジボワール人だとフランス語が公的言語になる。フランス語を理解できる営業マンなど、おらんだろう。

 コートジボワールと聞くと、貧しい国と思う奴が多いと思われる。しかし、コートジボワールはカカオ豆の生産が世界一の国で、カカオ豆の輸出を背景に、西アフリカでは屈指の富める国なのである。

 最大の都市アビジャンには近代的なビルが林立し、ここが土人の国の街とは思えないという。むろん、貧富の差は大きく、アビジャンの都心部に住んでいる奴を除けば、大半の奴が貧しい生活を強いられている。

 そのコートジボワール人は、日本に進出しているカカオ豆関連の会社の奴かもしれんな。だったら、日本語を勉強してから来日しろよ。

 その他、ミャンマー人からの申し込みもあると聞いた。そのミャンマー人は、高田馬場にミャンマー料理店を出している奴か? 

 かりにそのミャンマー人が借り手になったら、実家の近辺は完全にアジアンワールドになる。

 ミャンマー人なら、前のアパートにマレーシア人が住んでいようと、斜め前の家でベトナム人一家が暮らしていようと、治安に不安を感じることはあるまい。まさに、大回転魔球には大回転打法である。

 不動産会社の兄ちゃんに、
「申込者の多くが『家賃が安いと言っています」と言われた。それで何で決まらねぇんだよ。

 また、小平とか武蔵境とか、遠方に住んでいる奴からの申し込みが目立つらしい。小平や武蔵境に比べれば、実家は都心に遙かに近いからな。引っ越したいと思う奴はいよう。

 不動産会社の兄ちゃんは、
「間もなく決まるでしょう」と楽観的だった。

 その言葉にウソはないだろうな。ミミ萩原のように87連敗を食らったら許さんぞ。

 ともかく、早く決まってくれ。昨日、固定資産税の振込用紙が送られきたしよ。

 もし借り手が決まったら、キムラに変身するか。その日が遠くないことを祈りたい。


次の日へ 前の日へ
日記トップへ HPトップへ
外国人でも構わん