人間学園

 
 読売に拾われた堂上兄が支配下選手に登録されたか。それは喜ばしいニュースである。

 堂上は、小笠原が中日に加入したことで出番が減り、シーズンオフに理不尽にもクビにされた。堂上兄は、愛工大名電の主将を務めていた頃から、いい奴だと知っていたので、解雇されたことはショックであった。

 堂上兄が愛工大名電の主将時代、地元の少年野球チームの選手達からサインを求められ、満面の笑みで応じていたのをよく覚えている。

 また、甲子園大会の組合せ抽選でクジを引く時、他の高校の主将が淡々とクジを引く中、堂上兄がニコニコしながら迷いに迷ってクジを引いたことも印象に残っている。

 そんな堂上は中日の若手選手の人望が厚く、
「男気満点。巨人に行っても頑張ってほしい」と、中日を去ることを惜しまれたそうだ。肝心なところで打たれたら困るが、堂上兄には、わしからもエールを送りたい。

 川崎の中1の少年が殺された事件は凄惨極まりない。間もなく殺人に関わった少年らが逮捕されるだろう。しかし、そいつらは少年法に守られ、厳罰に処せられない。

 そいつらが少年院で更正するわけがねぇ。生涯、刑務所にぶち込んでおくべきである。

 いっそのこと、
「人間学園」に入所させたらどうだ? 

 あに? 
「人間学園」を知らないだと? 福本伸行原作の「涯」を読め。

 まあいい。説明してやろう。

 
「人間学園」は、平田という悪党が作った私立の少年更生施設だが、その実態は、絶海の孤島に建てられ、職員は銃器を平然と利用し、洗脳教育によって社会や権力者に従順な人間にすること、時には事故を装って抹殺することを目的とする監獄である。

 
「涯」が不人気のうちに連載を打ち切られたとは、今日まで知らなかった。わしは、福本伸行の隠れた名作だと思っていたのだが…。

 福本は、その原因について、
「展開が遅すぎたため」と振り返っている。青年誌でなら福本の悪辣な牛歩戦術に付いて来る読者もいようが、少年マガジンでそんなことをやったら、ガキどもに不興を買うに決まっとる。

 
「展開が遅すぎたため」って、福本は、本当にそのことを学習しているのか? 「アカギ」の展開の遅さは、「涯」の100倍以上だぞ。

 
「カイジ」も遅ぇ。短気なわしは、展開の遅い漫画や麻雀牌を切るのが遅い奴が嫌いだ。

 「涯」にも、福本特有の名言がある。「悪魔は優しいのだ」

 
確かに、そうである。が、少年マガジンの読者であるガキの心に、そんな高尚な文言が響くわけがない。

 それは、ウルトラセブンのギエロン星獣編と通底する。ギエロン星獣編は東西冷戦を批判したエピソードだが、むろん、ガキ時代のわしは、そのことを理解できなかった。

 あ゛〜、日曜日まで長いぞ。しかも、来週と再来週は6連続出勤である。

 選抜期間中に休みを集中するために、なんとしても踏ん張ったる。選抜期間中に、わしの仕事生命が尽きる…。

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