ヨンクかヨングか?

 
 プー太郎生活173日目。

 ティップネスでパワートレーニングをしていたら、若い男性インストラクターに声を掛けられた。
「どうですか、成果のほどは?」 

 それに対して、
「若い頃に比べてパワーが随分落ちましたね。特に胸筋の衰えを感じます」と答えたら、「フリースペースに行きましょう。胸筋や体幹を鍛える器具が揃っていますので、その使い方を教えます」と言われた。

 フリースペースに向かう途中、兄ちゃんは、
「そのシャツは、サッカーのオランダ代表のユニフォームですね」と、わしが着ているシャツについて話を振ってきた。

 よくぞ聞いてくれた。今まで誰も、そのことを聞いてくれなかった。

 しかし、オレンジのユニフォームは目立つ、目立つ。団塊野郎どもは、誰もが地味なトレーニングウェアをまとっているから、いやがおうにもオレンジ色は人目を引く。

 しかも、背中にはクライフの背番号の14の文字。そんな姿のバカは、わしだけだ。

 兄ちゃんはサッカーに詳しく、
「オランダ、トルコに負けてしまいましたね」と、直近のオランダ代表の試合結果を知っていた。それには驚かされた。

 わしは、
「ロッベン、ファン・ペルシー、スナイデル以外にビッグネームがいないですからね。世代交代もうまくいってないですし」と、知ったかぶりをした。

 そしたら、
「ナイジェル・デ・ヨングはどうですか?」と突っ込まれた。

 ナイジェル・デ・ヨングを知っているとは、しぶい、しぶ過ぎる。

 こりゃあ、兄ちゃんは相当のサッカー通だな。今のわしでは太刀打ちできまい。

 ナイジェル・デ・ヨングは、Nigel de Jongと書く。ちなみに、クライフの同世代にテオ・デ・ヨンクという選手がいた。

 こちらのデ・ヨンクもde Jongと表記する。いつの間にヨンクからヨングになったのかナゾである。

 かつてオランダのスター選手のライカールトを英語読みすると、リカルドになる。また、スナイデルはスナイダーとなる。

 そんなもん、ライカールトやスナイデルの方がかっこいいに決まっとる。

 ところで、ナイジェル・デ・ヨングは土人であり、テオ・デ・ヨンクは白人である。苗字によって、土人か白人かは区別できないくせぇ。

 さて、肝心のフリースペースでの指導だが、なんとか言う器具を使ってのトレーニングは難しかった。兄ちゃんは、わしの飲み込みの悪さに吐いたようである。

 で、再来週にまた指導してもらうことになった。来週のシルバーウィークは、アフターヌーン会員のわしはティップネスを利用できないのでな。

 だから、顔馴染みの女性インストラクターが指導するミニレッスンにも、来週は参加できん。

 ったく、シルバーウィーク、使えねぇ。プー太郎のわしにとって、祭日は迷惑なだけだ。

 今日の稀勢の里の一番は怪しかったな。稀勢の里の右足が出たのも相当早かったぞ。

 協会としては、稀勢の里に優勝させたいのだろう。にしては、明日、早くも栃煌山と対戦させるのが腑に落ちんが。

 明日は雨か。むろん、ティップネスに顔を出す。わしを雨だと休むおっさんと同じと考えてもらっては困る。

 これから役満を和了るイメトレをやる。天和、来い〜!

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