歌舞伎町の雀荘

 
 プー太郎生活254日目。

 今日は、仲間内の忘年会が催された。ただ、都合が合わない人間が多く、参加者は6人だけであった。

 その方が各人と話せるから適当な人数と言えるかもしれん。個室だったし、6人でちょうど良かったように思う。

 今日のメインディッシュは、チーズフォンデュであった。恥ずかしながら、チーズフォンデュを食べたのは、今日が初めてである。

 ハガかったのはマイノリティだ。マイノリティは、チーズがNGだからである。

 わしは、マイノリティがチーズがダメなことを知っていた。が、幹事のムキリョクンは、わしの酢嫌いやモノホン君の野菜嫌いしか押さえていなかった。

 ムキリョクンにすれば、マイノリティのチーズ嫌いは、
「計算外だよ、玄大佐」であったわけだ。

 一次会では、皆に小太郎の写真を見せた。うちに来れば、実物に会わせてやろうぞ。

 わしが、
「今からペットロスを心配している」と言ったら、誰もが、「まだ早過ぎる」と呆れていた。

 そりゃ、そうだわな。小太郎は、まだ10か月だからな。

 わしの心配は、麻雀に例えてみれば、3巡目に字牌を捨てる際に
「国士に当たらないか」と怯えているようなものであろう。

 ともかく、チーズフォンデュは美味しかった。ただし、バーニャカウダをチーズに浸けて食べるバカはしなかった。

 わしも、モノホン君並みに野菜が嫌いなのだ。当然、バーニャカウダは話にならん。

 一次会の後、図らずも麻雀をすることになった。わしは固辞したのによ。

 しかし、そうなったら本気で相手になるまでよ。目にものを見せたる。

 一次会の場所は歌舞伎町という、わしにとって土地勘のある場所だったので、雀荘はすぐに見つかった。

 が、そこは、サンマーのフリー雀荘であった。むろん、セットも受け付けたものの、サンマーのフリー雀荘が東京にあるのに驚いた。

 しかも、けっこう客が居た。奴らは、サンマーの本場の大阪出身なのか? 

 わしらが打っている時、
「ご優勝は××様。4万2000円です」というメンバーの声が聞こえた。

 あんだ、そりゃ。いったい、どんなレートなんだよ。デカピンか? 

 そんな雀荘は、警察の格好のターゲットとなる。わしらが打っている最中に警察のガサ入れがなくて良かったぜ。

 今日の結果は、東風戦4回で、トップ3回、3チャ1回であった。

 ここで、竹井の名言を借りる。

 
「麻雀とは不思議なもんだ。実力差があり過ぎると、配牌やツモまで違ってくる」 

 実際、今日は配牌もツモも良かった。ただ、チップが+1だったのが納得いかん。

 ちょい沈みのマイノリティが、チョンボをしたこともあって、えらい悔しがっていた。だったら、いつでも相手になろうぞ。

 証券マンがメンツから欠けているし、我々のクソ麻雀に参加しないか? ただし、メンツはきついぜ。


 話は前後するが、ルールは、いつものクソ麻雀のルールを適応させてもらった。そのルールに慣れているわしにアドバンテージがあったのは確かである。

 麻雀を終えて、画伯と西武新宿駅に向かったら、喧嘩が行われているくさく、野次馬が凄かった。さすが歌舞伎町である。

 むろん、君子、危うきに近寄らずだ。すぐにその場を離れた。

 帰宅して着替えたら、コートやセーターにタバコの臭いが付いていて吐いた。今日の4人は誰もタバコを吸わないのに、どういうこっちゃ。

 その雀荘の空気が余程悪かったのだろう。その辺も、歌舞伎町ならではの雀荘だ。

 さ、これから風呂だ。タバコの臭いを落とさんとな。

 特殊浴場に行くのはいつの日か? それは誰にもわからない…。

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