矢を5本放つ

 
 プー太郎生活1191日目。

 案の定、不動産会社の最寄り駅から不動産会社へ行くのに迷った。電柱に貼ってある番地を手掛かりに何とか着いた。

 クソ〜、最寄り駅から徒歩3分なのに、10分も掛かってしまったわい。地図を使えないとは、何の仕事をしているんだ! 

 不動産会社では、兄ちゃんとおっちゃんが待っていた。今日は手が空いているそうである。

 なので、じっくり善後策を練れた。やはり懇意にしている不動産会社でないとダメだな。

 まず、シェアを可とした。今までシェアは不可としていたくせぇ。

 シェアをOKにすれば、お笑いや役者の卵が3人くらいで借りてくれるかもしれん。

 うちの最寄り駅は歌舞伎町に直結する西武新宿駅まで数駅なので、ホストやキャバ嬢の3人組が入る可能性もある。

 ただ、その場合は、店が保証人になってくれないと不可だそうである。

 いっそのこと、店が借り手くれないものか。そうすればホストやキャバ嬢が辞めても新人が入居という形になって契約が続こう。

 となると問題は、ホストやキャバ嬢の喫煙である。奴らの喫煙率はクソ高いから家の壁などが汚されよう。

 二の矢として、礼金を0にした。礼金が1か0かでは大違い。それは、わしも体験している。

 中には通天閣高校の坂田三吉のようにがめつい大家もいる。礼金2を譲らないたぁ、業突く張りもいいところだ。

 三の矢は、仲介手数料をわし持ちにする作戦だ。わしの金銭的な負担は大きいが、礼金0と共に、損して得取れ作戦である。

 さらに、四の矢も放った。それは、賃料の値下げである。

 従来より1万円ほど下げた。年間にすると約12万の減収となるが、クソ麻雀で大勝ちして補填したる。

 五の矢は、エアコンを3台新しくすることである。それが最後の矢だ。

 今、実家に設置しているエアコンのうち3台は10年以上の前のもの。これでは、内覧の時に心証が悪いのは自明。

 エアコンが古いと電気代も掛かるし、この投資は仕方あるまい。しかし、約25万の投資はハガい。

 これで打つ手は打った。まさに矢が尽きた状態である。

 が、おっちゃんによると、結局は最も大きいのは賃料ということだから、もしこれでも決まらなければ、更なる家賃の値下げしかない。

 大幅に賃料を値下げしても、入ってもらったら官軍。相当の妥協を覚悟している。

 ともかく、これで吉報を待ってみる。何とか年内に決まってくれ。

 ほぉー。今日は競馬はなかったのか。

 競馬がヘタクソな奴からの、
「幸いにも、ございません」というラインで、それを知った。

 わしにとっては、毎日が競馬デーのようなもの。10月に借主が決まったら万馬券となる。

 まあ、そういうことはないだろうな。と言いつつ、それに期待しておる。

 明日は号泣組翁と会う。翁との逢瀬で、束の間でも煩悩から逃れたい…。

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