ダブル予約

 
 プー太郎生活1804日目。

 午後2時5分、中日・福田の走塁死に吐いていたところ、トリミング室から電話が掛かってきた。

 まさか今日がトリミングの日だったのか? 今月のトリミングは9日のはずだが…。

 
「お見えにならないので予約表を見ましたら、今日と9日に予約が入っていまして…」 

 そんなバカな。カレンダーには5日ではなく、9日に
「トリミング」と書き込んであるぞ。

 緊急事態宣言が出ていた4月と5月は予約可能日が変則だったから、ダブル予約をしてしまったのか? 

 いずれにせよ、わしのミスなのは間違いない。
「木曜は必ず行きますから」と平謝りに謝った。

 トリマーの姉ちゃんは、
「こちらもよく確認すれば良かったです」と言ってくれたものの、えらい迷惑を掛けたわ。

 デタラメな人生を送ってきたとはいえ、こんなミスは記憶にないな。

 これがキムラ店での予約だったら、クソ余裕でキャンセル料を取られよう。

 いや、キムラ店の予約は当日か姫予約による前日なので、こういうことはあり得ない。

 電話を切った後、しばらく放心状態になったわ。読売-中日を呆けて見ていた。

 もう1人、放心状態の奴がいる。それは競馬がヘタクソな奴だ。

 5時過ぎに、
「放心状態か?」とラインしたら、「はい」と即、返信が来た。

 麻雀漫画・「むこうぶち」に以下のようなエピソードがある。

 佐野という町工場の社長が麻雀に嵌り、借金で首が回らなくなった。そこで佐野は人鬼・傀との最後の勝負に出る。

 そんな状態で人鬼との異名を取る雀鬼に勝てるはずもなく、傀に大物手を振り込んだ。

  

 「もういい…。やめるんだ…」を競馬がヘタクソな奴に進呈する。

 それにしても、痛恨のダブル予約であった。今日だったら天気も良くて、暇だったのによ。

 今週の木曜はザトペックデーズの最中にある可能性が高い。それからしても、今日の方が遥かに良かった。

 ショックが尾を引き、夕飯はいつもにも増してデタラメなものになってしまった。

 チャーハン、ギョーザ、うどん。100点満点で30点も行くまい。

 いかん。まだ役満を打ち込んだような気分だ。

 今晩はハガい夢を見るだろう。了

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