大会13日目

 
 プー太郎生活3270日目。

 今日の準決勝はフラットな立場で楽しもうと思ったが…。

 そんな芸当は感情の起伏が激しいわしにはムリゲー。

 第1試合は神村学園、第2試合は青森山田に肩入れしながら観ていた。

 関東一の先発が春夏通じて初の先発という背番号11のピッチャーで吐いた。

 ん? 神村学園を応援しているんじゃなかったのか? 

 いや、わしは、左腕・畠中と左バッターの金太郎アメ打線との対決が見たかったんじゃい。

 神村学園とすれば右ピッチャーが先発ということで、いけると思ったであろう。

 が、関東一の先発右腕が好投し、神村学園は5イニングで1点しか取れなかった。

 結局、それが大きな敗因となったわけだが。

 神村学園の先発はエースの今村。

 その今村が前の大社戦とは別人のような投球を見せ、5回まで関東一打線をノーヒットに抑えた。

 6回裏のノーアウトからの連続四球から招いたワンアウト2、3塁のピンチも凌いだし、無安打ピッチングは無理にせよ、このまま行くかに思えた。

 しかし、7回裏に5番の越後にセンター前に初ヒットを打たれた。

 それまでノーヒットに抑えていたところの初ヒットは得点につながりやすい。

 だから、メジャーでは、そういう場合はピッチャーを変えることがしばしばある。

 関東一はバントでランナーをセカンドに進め、7番の熊谷が一塁線を抜いて、同点。

 さらに、ライトの正林が打球の処理にもたつき、打者走者がサードまで進んだ。

 同点の一打を打たれたことで正林が動揺したと思われる。

 それは他の野手も同じだったのか、続くバッターのセカンドへの正面のゴロをセカンドが逸らして関東一が勝ち越した。

 大社戦ではセカンドゴロを2度バッホームで刺していたセカンドだったのにな。

 その1点を追って、9回表、神村学園は、4番の正林がセカンドゴロに倒れたワンアウト後、5番、6番が連打。

 7番がセンターフライに倒れたところで、8番に代打。

 このクソプレッシャーが掛かる局面で代打にヒットを打てというミッションはきついと思った。

 が、センター前へヒット。同点かと思いきや、センターの好返球でセカンドランナーが本塁で憤死。

 劇的な幕切れで関東一が決勝戦へ駒を進めたのだった。

 関東一とすれば、6回からエースの坂井を投入した投手リレーが成功したわけだ。

 神村学園としては、ゲームセットの場面といい、エースの今村が3安打しか打たれなかったのに2点取られたことといい、実にハガい敗戦となった。

 続く第2試合の青森山田もハガい負け方だった。

 初回に幸先良く2点を先取し、先発の3番手右腕が5回まで当たっている京都国際打線を無得点に抑え、6回から満を持してエースの関を登板させたのだが…。

 青森山田とすれば、2回以降追加点が取れなかったのが響いた。

 特に3回裏である。相手ミスでノーアウト3塁のチャンスを得たのに、クリーンアップで得点できず。

 5回裏は9番のピッチャーに代打を送って、その代打がヒットを放った。

 その代打は青森大会でも出場がなかったということで、青森山田ベンチは大盛り上がり。

 しかし、次打者の併殺で潮が引いてしまった。

 2点のリードを守るべく、関が6回から登板したが、ワンアウトから2、3番に連打された。

 さらに4番の藤本にデッドボールで満塁。このデッドボールが実に痛かった。

 それで、
「動揺するな」というのは高校生には不可能。

 続く5番バッターにライト前へ同点タイムリーを打たれ、なおもワンアウト1、3塁。

 そのピンチで次打者にピッチャーゴロを打たせたのに、関がはじいて打者走者しかアウトにできず、京都国際が3-2と逆転した。

 そういう1点は重いもの。ただでさえ、5回からリリーフした京都国際の2番手左腕を打ちあぐんでいたのだから。

 試合は3-2のまま9回裏に入った。

 先頭は4番の原田。原田は粘ってフォアボールで出塁し、鈍足の原田に代走を送った。

 続くバッターは5番の吉川。甲子園では当たっていないが5番。

 送りバントで進めても打順は下がっていくから、
「ここは強攻だろう」と呟いた。

 青森山田の兜森監督も当然の如く打たせた。

 だが、結果は最悪のショートゴロ併殺。

 その瞬間、兜森監督の表情が映されたが、思っくそ吐いていた。

 最後のバッターはセカンドゴロ。ここに青森県勢初優勝の夢は潰えたのであった。

 準決勝は2試合とも逆転での1点差ゲーム。高校野球の醍醐味を味わせてもらった。

 それにしても、準決勝が午前8時からというのには違和感しかなかった。

 かつて準決勝といえば、午前11時に試合開始だった。

 それで思い出すのは、83年の池田-PLである。

 この試合が池田3連覇へ向けての最大の山だと思い、とんでもない緊張状態で11時を待ったのを記憶している。

 青森山田-京都国際は1時前に終わった。

 クソ余裕でティップネスに行けたが、行く気が起こらなかった。

 いつもの面妖な面々と時間が合わないと思ったのも、その理由の1つである。

 明日は3度目の休養日。その日がティップネスの休館日の木曜とはハガい。

 1日雨天順延していたらと思わずにはいられん。

 って、勝手なことを言うな。

 午後からは読み溜まっているJ:CОМブックス上の週刊誌を読んでいる。

 そういう時間の過ごし方もオツなものだと自分を納得させた。

 しかし、明日はやることが何にもナイマンだ…。了

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