マレーシアの民族


 マレーシアは典型的な複族国です。そのうちわけは、マレー人が47%、中国系人34%、インド系人が9%となっています。

 国名からもわかるように、マレーシアはマレー人中心の国づくりを目指しています。前首相のマハティール氏は、マレー人を公務員に積極的に採用するなど、マレー人優先のブミプトラ政策を採ってきました。しかし、中国系人の経済的優位を崩せないままにブミプトラ政策は頓挫し、マハティール首相は辞任しました。

 マレー人、中国系人、インド系人の間では会食もままならないのが現状です。それはそれぞれに食事の慣習が異なるからです。マレー人はイスラム教ですから、豚肉を絶対に食べません。またヒンズー教徒であるインド系人は、牛肉を決して口にしません。それに対して中国系人は豚肉も牛肉も好んで食べ、中華料理には豚肉や牛肉がよく使われます。

 またイスラム教では飲酒が禁じられていますが、中国人は酒を好む人が多く、食前酒の習慣もあります。こうしたことから、これらの3民族間の会食は容易ではないのです。


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