美女とキングコブラ・チェンマイ
                                  

  タイ北部の都市・チェンマイはサバナ気候を示す。サバナ気候は熱帯気候の一つで、雨季と乾季が明瞭な気候をいう。そして、一般に雨季は集中豪雨が見られ、乾季はカラッカラッに乾燥する。チェンマイもご多分にもれず、雨季は連日豪雨に見舞われ、どこもかしこも水浸しになる。そのため、チェンマイ空港に降り立つ飛行機の操縦席は、自らが着陸時にあげる水飛沫で視界がゼロになることもあるという。

 チェンマイを訪れる外国人観光客は、現地の女性の美しさに驚くという。チェンマイは知る人ぞ知る美人の産地なのだ、それも日本人好みの。数年前、元直属の上司がチェンマイに1人で旅行に行ったが、その目的はいうまでもない。

 以前、チェンマイでは手足のない人がやたらと多かったらしい。手足がないのはキングコブラに噛まれたからである。かつてチェンマイでは、町中にキングコブラがうようよしており、雨季には道端にもよく現れたそうだ。キングコブラに噛まれると、1時間余りで全身に毒が回るので血清が間に合わない。したがって、即、鎌で噛まれた手足を切り落とすしかない。そのため現地の人は仕込み杖を持ち歩き、キングコブラを見つけ次第、殺すようにしていたという。


 タイの国技といえば、500年以上の歴史を誇るムエタイである。ムエタイはすべての試合が賭けの対象となるため、あまりに強過ぎる選手は賭けが成立せず、プロモーターから敬遠される。それで真の強者は首都のバンコクから放逐され、チェンマイなどの田舎町で細々と試合をしていると聞く。


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