福本伸行、許さん


 
福本伸行原作の「アカギ」は、今までの麻雀漫画とは一味違った深みのある作品であり、 各方面から高い評価を得ている麻雀漫画である。  
 
 天才少年・アカギは、その「異端」、「神域」と称される闘牌により裏社会で数々の伝説を作っていた。

 そしてアカギは、鷲巣(わしず)という日本の影の支配者と対峙する。アカギは自らの血液を、鷲巣は大金を賭けるという決まりで半荘6回の勝負となった。

 2人はサシウマを握り、アカギは鷲巣に打つか鷲巣にツモられたら、1000点につき100cc血液を抜く。鷲頭は逆に1000点失うごとにアカギに1000万払うということが取り決めとなった。

 また半荘ごとに、1位が+2万点、2位が+1万点、3位が−1万点、4位が−2万点という順位点がつく。つまり、アカギは鷲巣より順位が下だと2万〜4万cc抜かれるわけである。

 普通の体型の男は約4500ccの血液があるが、その3分の1を抜かれれば死の影が迫り、2000cc抜かれれば、まずは絶命するという。

 そのためアカギは生き残るには、半荘6回をすべて順位で鷲巣を上回る必要があり、さらにその間、鷲巣に直撃&ツモで20000点以上和了られずに凌がねばならない。

 普通ならそんな芸当は不可能だが、アカギならばいけるというアカギを支援する暴力団の思惑で勝負が設定されたのだ。

 そして、ついに狂気の勝負が始まった。またしても、アカギは神ががりな打ち回しをし、鷲巣を圧倒する。しかし、途中でハネマンをツモられるなどして半荘4回を終わる頃にはアカギの失血量は1400ccとなった。

 迎えた半荘5回目。鷲巣はアカギの親の時に、6000・3000をツモり、ついにアカギの総失血量は致死量の2000ccに達した。どうなることかと固唾を飲んで読み進んだが、ここでその回は次回に持ち越しとなった。

 いよいよアカギが絶命するかと思われた回は、鷲巣の余計なおしゃべりとデカいカットの連続で1話分が使われた。アカギは1か月に1回の連載だから、巨人の星において飛雄馬がオズマに対峙してから投げるまで1週間かかったよりも長く読者は待たされたことになった。

 で、ようやくアカギから600cc抜く場面となった。この回もデカいカットばかりで進みは超遅かったが、総失血量が2000cc達したところでアカギは卓上に昏倒した。そこで11月号は終わった。

 というわけで、12月号を意気込んで買いに行った。鷲巣が、「ついに勝った」と騒いでいるところに、やおらアカギは頭を起こし、「ここに来る前に500cc輸血してきたからまだ大丈夫」だと?

 
ふざけんな、福本伸行! 子供だましにも程がある! わしはこの1か月間、ずっと楽しみにしてきたのによ。500cc輸血してきたって、2000ccも抜かれたら朦朧として麻雀なんかできんわい。

 
今もって公開質問状を出したい気分だ。


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