トイレ、蹴たくり
トイレの前で占有者が出てくるのを待つのは忍耐がいるものである。いつだったか、御茶ノ水の三省堂でハガい目に遭ったことがある。
クソしようと4階のトイレに入ったら、クソするところが1つしかなかった。そしてそこに目を移すと、先にしている奴がいた。その時はそれほど強烈なクソ意ではなかったので、その前で待つことにした。
ほどなくトイレットペーパーが回る音がし、続いて水を流す音が聞こえた。「さぁ、わしの出番」と思いきや、中の奴が出て来ない。いったん出ようとして、再びクソ意を感じるということもたまにあるので、そのケースだろうと思い、もう少し外で待とうと思った。
しばらくして、またトイレットペーパーが回転する音と水流の音が聞こえた。「やっとか」と思ったが、まだ出てこない。で、もう少しだけ待つことにした。そして、今度は間もなくトイレットペーパーの回転音と水の流れる音が鳴り響いた。「今度こそ」と思ったのに、またまた出て来ねぇ。
ここでわしは切れた。「てめぇ、いい加減にしろ!」とどなり、思いっ切りトイレのドアを蹴り上げたのである。で、下の階のトイレに行ったが、「中に居た奴、出てくる時、プレッシャーだったろうなぁ」と、少しだけ罪悪感を持った。
にしても、クソをしている時に外で待たれるのは嫌なものである。早く済まそうと思い、中途ハンパになりがちだからだ。
そういや、先日、高校生がトイレの前で占有者が済むのを待っていたが、猛烈なクソ意を感じていたのであろう、その高校生は腹を押さえながら物凄い苦しそうな顔をしていた。闘いの結末を見届けることなくその場から去ったが、彼がKOされなかったことを心から祈りたい。
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