ド不毛な飲み
今日の帰り、職場近くのファーストキッチンでコーヒーフロートを飲んでいたら、アホ後輩から電話が入った。
なんでも今日はかみさんが子供を連れて実家に帰ったので、これから飲まないかとのこと。「金返すならいい」と言ったら、「わかった、返すよ」と言うので、渋谷まで出向くことにした。
で、千両という飲み屋に入ったのはいいが、案の定、愛人の話を聞かされまくった。それは覚悟していたのであるが、まさか愛人の身の上話しまで聞かされるとは思わなんだ。
子供の頃、母親に虐待されていただと? そんな話、聞きたかねぇ。
そして、明日愛人が田舎から帰って来るので迎えに行くから、アリバイ作りに協力してくれと頼まれた。一度かみさんに浮気がばれているので、奴も相当神経質になっておるようだ。
しかし、それから、野郎、否ことを言い出した。「師匠のことをいろいろと話していたら、今度紹介してくれって言っているんだよ。その子、結婚願望が強いから、師匠のこと、まんざらでもないみたいだよ」だと。
なぬぅ〜。おめぇら、いったい、何を考えているんだ! 冗談も休みに休み言え。そんなもん、即、却下だ。
で、河岸を変えようと店を出て外を歩いていたら、アホ後輩がおもむろに携帯で愛人に電話をかけ出した。そして、「今、代わるから」と突然わしに携帯を持たせやがった。
話すことなどないぞ。即、また後輩に携帯を渡したが、まさかそいつの愛人と話すハメになるとは…。
携帯切ったあと、わしが、「おい、金は?」と聞いたら、「今、おろすから」だと言うので、セブンイレブンまで行ったが、野郎、「やばい、暗証番号がわからなくなった」だと言い出しやがった。この野郎、シャミもたいがいにしろ。
「おめぇ、まじかよ。金返してくれたら、いっしょにキムラ店に行こうと思ったのによ」と言ったら、「待てよ、もしかしたらあの番号かもしれない」と、再びキャッシュコーナーに行き、2万円おろしてきた。まったくどうしようもねぇ奴だ。
すったもんだしているうちに、もう10時を過ぎてしまった。これから店に行ったら相当帰りが遅くなるうえ、帰ってから録画してある高校野球を見ねばならない。
そこで、断腸の思いで帰ることにした。そしたら、あろうことか、アホ後輩がわしに返した2万円をまた貸してほしいだとぬかしくさった。
「おまえねぇ」とさすがに呆れ返ったら、野郎は、「明日、彼女を迎えに行くから、どうしても貸してほしい」と拝み倒しにかかった。
「おめぇ、キムラ店に行こうとした金があるじゃねぇかよ」と返したら、「まあ、まあ、硬いことは言わずに」だと。バカヤロー、硬いことじゃねぇ。まっとうな突っ込みだ。
しかし、これ以上、往来ですったもんだするのもなんだし、不毛なことに金を使わずに終わったから、特例ということで許してやった。それにしても、わしもとことん、なめられたもんだ。
しかし、今日ほど不毛な飲みが未だかつてあったろうか? こうして書いていても、ホント、アホらしくなってくる。
まあいい。これから高校野球を見てアホのことは忘れよう。
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