異業種営業


 今日はマーが流れたことから、朝から気分がローであった。「あ〜、今日マーだったら、今頃西武線に乗ってんなぁ」と思って、気分が沈んでいった。

 そんな気分であったところへ朝の9時に、キムラ営業メールが入った。といっても、婉曲な誘いであった。

 いつもならホイホイと誘いに応じるのに、今日はどうにも行く気にならなかった。それで、「今日は弟夫妻とばあさんの見舞いに行ったあと、夕ご飯を向こうの家で食べるので」とシャミをひいて断ってしまった。

 こういうことはげに珍しいことである。ていうか、初めてかもしれない。
ちょっとだけ成長した自分がうれしかった。

 またぞろ近いうちに営業メールがくるであろう。その時に断る自信は0である。

 というわけで、今日は午後からずっとHPの「高校野球マニアのページ」における「1983年夏」を書いていた。

 それを書きながら、「あの頃は純真な高校野球ファンだったなぁ」という妙な感慨にふけってしまった。

 そうこうしていたら、携帯が
「蛍の光」を奏でた。「どうせアホ後輩だろう」と思って、ディスプレーを見たら、発信番号だけが示されていた。「もしかしたらイタ電かな」と思いつつ出ると、聞き慣れないじじぃ声が聞こえてきた。

 なんか不気味に感じたが、声の主はネズミ捕りのじいさんだった。じいさんは、「3週間ほど経ちましたが、ネズミは捕れましたか?」と営業してきた。そんなこと言われたってわかるかい。それで、明日の午前中に来てもらうことにした。

 こうして今日は2回営業されたが、同じ営業といっても、キムラとネズミ捕りではえらい違いだ。しかし、ともに特殊すぎるわ。

 それはともかく、つまらん一日だった。
やっぱ、キムラに変身しておけば良かったわい。今日遅くにこっちからメールしてみるようかな。

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