再々入院日記10
昨日は寝られないと思っていたところ、8時間も寝てしまった。わしは、翌日にハガいことや重要なことがあると寝られない体質なのに、これは珍しいことである。
前の晩、寝る前に久しぶりでやった1人カルピスが効を奏したか? 同部屋にいるのがじじい2人なので、気兼ねなくやれたことが大きかったといえよう。それはともかく、もうどうにでもなれというのが本音であった。
こうして、3人タイガーとの血戦を控えた大門のような清廉潔白な気持ちでいたところ、病院の売店で買った日刊スポーツを見て吐いた。早実が春季大会3回戦で、あっさり都城東に敗れたのを知ったのである。
かぁぁ。これで、夏の予選はノーシードか。手術を目前に控えて、景気の悪い話だ。
いよいよ手術の時間となった。手術の前に素っ裸になって手術着に着替えるのがなんとも言えない。次にストレッチャーに乗り換えるのだが、まな板の鯉とはこのことだ。
そして、いよいよ手術室へと入った。そこで手術台に移され、両手、両足が固定された。この様は、本郷猛が人造人間の手術を受けるシーンを彷彿とさせる。
それからちょっとして口に麻酔吸入器をはめられ、そこで意識を失った。気がついたら手術は終わっており、傷口の激痛で目が覚めたのであった。時に、午後6時半。
1時半に手術室に入ったから、手術時間は足掛け5時間か…。すぐさま痛み止めを打たれ、次に気がついたのは午後11時。
果たして、わしはその部屋との闘いに勝てるのだろうか?
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