逆チョコだと?
2月14日。この日付を聞くだに、気分が悪い。
バレンタインデーのわけのわからない習慣は、チョコレート業界の陰謀以外の何物でもない。
だいたい、義理チョコというのがふざけている。いったい、いつから義理チョコなんかが流行ったのか?
義理チョコによって女性の金銭的負担が増すし、義理チョコを本チョコと勘違いするハガい男もいよう。
あまつさえ、逆チョコたぁ。よくぞ、そこまで資本家は考えるもんだ。
毎年、業者のおばさんが義理チョコを職場の連中に買ってきてくれる。なのに、今日になっても、わしには配られなかった。
不審に思ったわしが上司に聞いてみたら、わしが休んでいた火曜におばさんが持ってきて、みんなで分けたという。
なのに、なぜ、わしがもらえなかったのか? さらに上司に尋ねたら、とっつぁんがわしの分を食べたことが判明した。
ったく、しょうがねぇ奴だ。普段かみさんに虐げられているからって、そういうことをするかよ。チョコの恨み、いずれ誓いうちに晴らす。
今日は、上司が馬の刺繍のネクタイに気がついた。「これはエルメスのネクタイですよ」と言ったら、「そうなの」と返ってきた。
上司はエルメスの紋様を知らんだろうな。もっとも、わしもエルメスのネクタイなど見たこともないが。
当然のことながら、上司に本チョコはなし。まあ、上司は今日のくだらん日を意識していないだろうが。
もう1人、本チョコがあり得ない男がいる。言わずと知れた号泣組翁である。
結婚願望が強いのに女性嫌いって、意味がわからん。白髪染めに行くなど、今日も不毛な日を送ったことだろう。
さ、明日も出勤だ。ハリマオじゃあるまいし、チョコレートを食べなくても、明日出勤するエネルギーがあるわしである…。
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