球界の野良犬
昨日の帰り、新宿の紀伊国屋に寄った。注文していた本が入荷したのである。その本とは…。愛甲猛著・「球界の野良犬」。
久々に野球本のコーナーに行ったら、野村本の多さに吐いた。あれでは執筆活動が本職と言われても仕方がない。
もちろん、野村本など買わない。あんな女房を持っている人間に人生論など解かれたかねぇ。
さて、その愛甲の本だが、今日は高校編を読んだ。ドジャーズ−フィリーズ、昼寝、楽天−ソフトバンクで忙しかったので、高校編しか読めなかったのだ。
ドジャーズ−フィリーズの解説は、前西武監督の伊東勤であった。口下手なのは仕方ないが、あまりに深みのない解説に吐きまくった。
それより、メジャーの選手に詳しくないのが問題だ。伊東はメジャーの選手についてもっと勉強すべきである。
あと、刈谷アナもメジャーに精通しているとは思えなかった。刈谷アナは相撲の中継は抜群にうまいが、メジャーの中継には向いていないようである。
試合はフィリーズ打線の破壊力に度肝を抜かれた。ドジャーズの155km左腕・カーショーを序盤は打ちあぐんだものの、ちょっとでも甘いコースに行くと長打するのだから凄い。第3戦先発の黒田も、フィリーズ打線を抑えるのは難しいだろう。
試合後に、今後の放送予定が画面に映し出された。そしたら、楽天−ソフトバンクが「16日 午前6時5分」と書かれていた。
もちろん、「午後6時5分」の誤りである。間違えて入力した奴や現場の責任者は、さぞかしハガかったろう。始末書を取られたと思われる。
閑話休題。愛甲の高校時代の話はすこぶる面白かった。わしは、吉田、田代、安西、足立、牧田、川戸は全員の顔を知っているだけに、よけい愛甲の話にはまった。
ご存知のように、愛甲は1年の夏に神奈川大会で優勝して甲子園に出た。神奈川大会で優勝を決めた瞬間に同じ1年生の安西と抱き合ったら、キャッチャーでキャプテンの吉田に、「ピッチャーはキャッチャーと抱き合うもんだろう」と怒られたそうだ。
安西は、入学式前に背番号4を与えられたというのだから大したものだ。歴代神奈川のベストセカンドに選出されただけのことはある。
愛甲が2年の時のキャプテンだった田代には、下級生がだいぶどつかれたくせぇ。それでも、愛甲は2年生だったからいい。
1年生はとんでもない苛めを受けたそうだ。詳しくは本を読め。
愛甲が3年の時はワルが揃っていた。その中でも、2番を打っていた足立は相当やばい奴だった。なにせ、甲子園の開会式で、隣にいた国立高校の連中を苛めまくっていたというのだから。
その足立は、バントの練習中、バントが決まるかどうかで金を賭けていたそうだ。そりゃ、うまくなるわな。
愛甲が3年の夏に甲子園に出た時、渡辺監督が優勝宣言したのは有名な話である。あの土門アナが最も印象に残っているチームとしてその年の横浜高校を挙げていた。その理由は、優勝宣言して本当に優勝したからだという。
実際、大会前にあれだけはっきり優勝を宣言したのは、後にも先にもあの時の渡辺監督だけである。監督が優勝を口にしたら選手は硬くなるものだが、当時の横浜ナインはそんな柔じゃなかった。
それどころか、渡辺監督の優勝宣言でチームが勢いに乗ったというのだから恐ろしい。それだけ、つわものがそろっていたわけだ。
国体の前に、愛甲が牧田を殴って顎の骨を折った話は新聞で騒がれた。真相はやはり女がらみであった。
愛甲が川戸に感謝しているとは思わなかった。夏の甲子園で優勝を決めた時にマウンドにいたのは川戸であった。川戸は両腕を突き上げて喜んだが、誰も川戸に抱きつかなかったので、川戸はチームで浮いていたと思っていた。
愛甲によるとそれは違うようである。むしろ、黒衣としてチームを支えた川戸はみんなから一目置かれていたそうだ。
高校編があまりに面白かったので、繰り返し読んでしまった。今週中に読破できるか、かなり怪しい。読み終わったら、プロ野球編の感想をアップしたい。
球界の野良犬…。わしも雀界の野良犬になりたい。
野良犬は、負け分など払わないことを今日の最後に言っておきたい。
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