大会14日目

 
 選抜の決勝戦と夏の決勝戦が同カードであることが史上初であることは知っていた。79年の箕島と浪商が同じことになりそうで話題になっていたからな。

 79年は、浪商の猛打線が池田の橋川の3種類のカーブを打てず、箕島との再戦を目前に敗退した。牛島の、「箕島と今度やったら勝てる」との談話が印象に残っている。

 また、83年も、もう一歩で春の決勝戦の再現がならなかった。83年は、決勝戦進出が確実視されていた池田がKKが1年のPLに大敗したことで、選抜の再現が流れた。

 もっとも、わしは、池田が負けるとすればPLだと思っていたがな。当時は、それだけ高校野球に対しての勘が冴えていたのである。

 しかし、今は駄馬になってしまった。大阪桐蔭の決勝進出は予想通りであったが、光星学院がここまで強いとは思っていなかった。なにせ、光星学院は投手力が今一つ弱いからな。

 それが、前評判の高かった神村学園、奪三振マシーンの松井の桐光学園を破っての決勝進出。わしの目も節穴になったもんだ。

 大阪桐蔭は実力もさることながら、くじ運と日程にも恵まれた。大阪桐蔭打線が手こずったであろう愛工大名電の浜田、桐光学園の松井と対戦しないで済んだのは大きかった。また、藤浪を酷使せずに済んでいることも幸運である。

 って、まさか、明日、澤田が先発ってことはないだろうな。実際、今日もムーミンが澤田を先発させるかとハラハラしたぜ。

 もし今日、澤田が先発していたら…。明徳義塾投手陣が良かっただけに、大阪桐蔭が負けていた可能性が高かったろう。

 大阪桐蔭にとって、今日の明徳義塾戦は大きな山であった。初回にうまく先取点を取ったことで、藤浪が楽になった。それと、6回の追加点が勝利を決定づけた。

 馬淵のおっさんは継投の遅れを悔いていたくせぇ。確かに、あの場面は変えどころであった。とはいえ、あそこで連打した大阪桐蔭打線の勝負強さを褒めるべきだろう。

 光星学院は快勝であった。田村、北條で7打点か。スケールは違うが、花形と左門が同じチームにいるようなもの。強いわけだ。

 藤浪も、明日は心して臨まないとならない。実際、選抜の決勝戦でも、ある程度、2人に打たれているしな。

 光星学院の先発は金沢か? そして、城間に継投というパターンであろう。

 しかし、4失点は覚悟せねばなるまい。金沢と城間では、大阪桐蔭の左バッターを抑えきれないだろう。

 明日の決勝戦は大阪桐蔭が有利なのは疑いようがない。とはいえ、明日は好試合に期待したい。今大会は、手に汗を握るような試合がほとんどなかったしな。

 こうしてみると、大会ベストナインは、大阪桐蔭と光星学院で占められる。

 ピッチャーは藤波、キャッチャーは森か田村、ファーストは田端、サードは笠松、ショートは北條、センターは水本、ライトは天久。セカンドとレフトは、今は思いつかん。

 2年生は全日本に選抜されないので、森、笠松、さらに松井が選外になるのが残念である。

 泣いても笑っても、明日が最後の試合。そして、わしの夏休みも終わる。

 家に1人でいると悲しみに暮れることが多いので、早く職場に行きたい。こんな気分になるのは、入職以来、初めてだ。号泣組翁の気持ちがわかったぜ。

 競馬が弱い奴よ、明日の1試合限りの勝負をしてもいいぜ。大阪桐蔭にチップ100枚だ。連絡を待つ。


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