血は水より濃し

 
 井岡が完敗するとは思わなかった。相手のタイ野郎が強くて、ずるかったことは確かである。

 タイ野郎は、とにかくパンチにスピードがあった。そして、パンチが多彩であった。さらに、パンチ力もあったように思えた。

 解説者の鬼塚と内藤、そしてゲストの香川照之は、異口同音に
「もっと手を出してほしい」と言っていたが、手が出せなかったのは、井岡にタイ野郎への恐怖心が1ラウンドに芽生えたからだと思われる。

 それだけライトフライ級とフライ級の2kg差は大きいわけだ。ボクシングでは、体重差がそのまま筋肉差になる。

 今日の井岡は、クリーンヒットが1発もなかったんじゃないか。こんな井岡を初めて見たわ。

 もしクリーンヒットがあったとしても、タイ野郎は倒れなかっただろう。それは、タイ野郎にムエタイのキャリアが200試合もあるからである。キックによる威力は、パンチによる威力の3〜5倍というからな。

 アナが再三、解説の内藤とゲストの香川に途中のジャッジを聞いていた。ったく、空気を読めよ。2人とも、その質問に吐いていたじゃないか。

 井岡は、わしと違ってまだ若い。是非とも再起してほしいと、再起不能のわしからエールを贈りたい。


 今日のもう1つの世界戦は惰性で見ていた。日本人同士の世界戦は、どうにも盛り上がらん。それでも、山中vs亀田三男、内田vs三浦なら別だが…。

 今日の目覚ましは、地獄から聞こえてくるようであった。過ぎてみると、あまりに短いGWだった。

 実は、GWに入った瞬間から、今日を思って戦っていた。なんといっても、次の祭日までが長すぎる。世のサラリーマンが五月病になるのもわかる。

 依然として、競馬がヘタクソな奴からメールの返信がない。野郎、競馬と麻雀の負けが余程堪えているな。
 
 麻雀中に、
「俺と同時代に生まれたことを後悔しているだろう」とホザいていたくせに、終わってみたら1人負けではグウの音も出まい。

 今日も6時前に帰ってきた。ノー残業もクソもない。

 ボクシング中継が始まるまで、読売とDeNAの試合を見ていた。その試合で、杉内から後藤が先制ホームランを打った。

 この2人の対決は、98年夏の甲子園の横浜−鹿児島実でもあった。その試合では、後藤は杉内から8回裏にタイムリースリーベースを打っている。そのことを知らないようでは、高校野球ファンとしては二流よ。

 弟から午後7時過ぎに電話があった
。「不動産会社から連絡はあったか?」だと?

 ねぇよ。わしは、もう半分諦めている。

 現在、弟はクソ忙しいそうだが、井岡の試合が見たくて、今日は早々に仕事を切り上げたそうである。公務員の管理職がそういうこっていい。

 というか、さすが我が弟。血は水より濃い。

 弟に、
「今日のゲンダイを読んだか?」と聞かれた。そういうのは愚問だ。

 今日のゲンダイの記事を弟も絶賛していた。実際、ゲンダイの書いていることは正鵠を射ている。

 
「なぜ国民は、これほど劣化したのか」の大見出しが躍った。本当に今の国民のバカさ加減ぶりは目を覆わんばかりだ。

 
「カミカゼ特攻隊が偉人だなんて、1億総気違いだぞ」の小見出しは、まさにその通り。当然、わしは、その1億人に入っていない。

 
「連休中、テレビをつけても、愚にもつかない番組ばかりだ。クダラナイお笑い芸人が、どうでもいいバカ話をしているだけ。そういう番組ばかりというのは、視聴者もそれを喜んで見る低レベルということなのだろう」

 激しく同意。そんな番組を一瞥だにしなかったのは書くまでもない。

 だいたい、お笑い芸人たって、面白くない奴らの金太郎アメじゃないか。頼むから、わしを笑わせてくれ。

 「CDの売り上げ上位も、AKB48とジャニーズ事務所が独占している。ジャリタレのCDがトップを独占するなんて、成熟した国ではあり得ない」

 これにも激しく同意。奴らの曲など、1曲たりとて知らん。

 さ、明日は、新人歓迎会だ。むろん、明日もウーロン茶攻撃をする。

 新人達に、近いうちにわしの3つのミラクルを見せてやる…。
 


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