審査、通らず

 
 午前11時過ぎ、東急リロケーションから電話が掛かってきた。

 
「申し訳ありません。申し込みをしていた方なんですが、審査が通りませんでした」 

 それを聞いた瞬間、電話ボックスの中で殉死した宮内淳のボン刑事になった。

 そして、その理由に吐かされた。申し込んできた一家の主人がキムラ店の店長だからだと? 

 飲食店の店長でも、イタ飯屋とかなら審査に掛からないはず。審査中という時点で、もしかしたらキムラ店関係かと思っていたら、本当にそうだったとは、まさに因業応報である。

 キムラ店の店長ってことは、カタギじゃないかもしれんな。そうすると、いろいろとトラブルになる可能性がある。

 たとえば、家を又貸しするとか、家で転んだことで
「治療費を払え」と脅してきたりとか…。

 号泣組翁にその話をしたら、
「町の不動産屋なら簡単にOKしただろう。東急リロケーションという大きな会社だから断ってくれた。トラブルを回避できて良かったんじゃないか」と言われた。

 確かに、その通りだな。翁も、たまには、いいことを言うじゃねぇか。

 昼休みに弟に電話した。むろん、一喝された。

 
「おめぇ、裏社会の人間じゃないか。そんなんでガッカリしてんじゃねぇよ。」

 もういい。ワールドカップの話だ。

 今日の日刊スポーツの一面は、
「ザック、大失態」と、イタ公のことをあげつらう記事であった。

 だから、イタ公の責任じゃないって。誰が監督であったとしても、結果は同じだったであろう。

 昨日、負けた理由は1つ。コートジボワールの方が強かった。たったそれだけのこと。

 6000オールをツモった竹井が、
「座った時から差があるんだ。和了れて当然だろ」と言ったように、両国がピッチに入場した時点から差があったということである。

 さすがに、スイス−エクアドルは録画しなかった。わしも、全ての試合を見るほどの暇人ではないんでな。

 家に帰って、録画したフランス−ホンジュラス、アルゼンチン−ボスニア=ヘルツェゴビナを、吐きながら見ていた。

 フランスは、かわい子ちゃんのホンジュラスに勝ったものの、リベリーの欠場は、今後、強豪相手の決勝トーナメントに入ったら大きく響くように思えた。サイド攻撃のスペシャリストを失ったのは、フランスにとってクソハガい。

 アルゼンチン−ボスニア=ヘルツェゴビナは、後半からが面白かった。前半は、お互いに潰し合いだったのでな。

 アルゼンチンは、守備が思っていた以上に固い。前線にタレントが多いし、今後が楽しみだ。

 ボスニア=ヘルツェゴビナも、厳しいヨーロッパ予選を突破してきただけのことはある。今日は負けたが、十分に力は見せた。

 大会5日目は、ドイツ−ポルトガルという注目の一戦がある。

 明日も、結果を知らないまま帰りたい。ただ、ドイツの大ファンの相撲君の機嫌を見れば、結果がわかってしまうだろう。


 しかし、どうにも負のスパイラルから抜けられん。広島は昨日で連敗が止まったが、わしの連敗はまだまだ続きそうだ…。


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