誰を指名するか？

　
　雨でなかったのに、雨だと休むおっさんは、今日も休みだった。ということは、昨日と一昨日の休みは、風邪を引いていたからか？　

　もしそうなら、雪で出前を取ったというのは冤罪となる。普段の出前事由がデタラメだから、狼おじさんになっているんだよ。

　昼、ムキリョクンから飲みの誘いのメールが来た。暇だし１人メシは寂しいのでＯＫした。

　数年前にムキリョクンの飲みの誘いに救われたことがあることは、何回か書いた。

　その日は日曜で、仕事が終わって歌舞伎町のフリー雀荘に行こうと思って新宿駅に降り立った刹那、ムキリョクンから携帯電話でメシに誘われた。それでメシを共にしたのだが、その日の夜、そのフリー雀荘に警察のガサ入りがあったという。

　それを知ったのは、翌日の月曜であった。その雀荘に通じるエレベーターに乗ろうと思ったら、その雀荘で何回か同卓したことのあるおっさんに肩を叩かれた。

　そして、「兄さん、昨日、あそこに警察が来てな。今日はやってないんだよ」と言われた。まさに、「やぶねぇ」も、いいところであった。

　もしムキリョクンからの誘いがなかったら、今頃、雀ゴロになっていただろう。いや、泉下の客になっていたかもしれない。

　ムキリョクンとは馬場で飲んだ。「飲んだ」といっても、わしはミックスジュースしか注文しなかったがな。

　ドイツ好きのムキリョクンは、またしても、「シュバインシュタイガーとノイヤーは、ナチの制服が似合う」と言った。それに異論はない。

　そこで、わしが疑問を呈した。「ヒトラーはもちろん、ナチの高官だったゲーリング、ヘス、ゲッペルス、ヒムラー、アイヒマンという苗字のドイツ人を聞いたことがない。それらの名前は抹消されたのか？」と。

　ムキリョクンも、ナチの高官の苗字のドイツ人を耳にしたことがないという。ということは、本当に根絶やしにされたのかもしれんな。

　ムキリョクンは、韓国の監督がシュティーリケであることに驚いていた。「シュティーリケって、あのシュティーリケしかいないよなぁ」というのは、ドイツファンなら誰もが思うことである。

　ムキリョクンは、「（ＰＫを失敗した）シュティーリケを慰めていたリトバルスキーをいい奴だと思った」と振り返った。わしは、シュティーリケを慰めていた直後に、ＰＫキッカーとして、ＰＫをコーナーいっぱいに決めた21歳だったリトバルスキーの胆力が凄いと思った。

　ムキリョクンは、つい最近まで吹石一恵が近鉄の選手だった吹石の娘だったことを知らなかったくせぇ。確かに珍しい名前ではあるが、コワモテの吹石からあんな美人の娘が生まれるとは思わないわな。

　わしは、吹石一恵が近鉄の吹石の娘であることを10年以上前から知っている。それは、スカパーのモンドチャンネルの「グラビアの美少女」に吹石一恵が出ていて、そのことが紹介されたからである。

　「グラビアの美少女」からは、加藤あい、小池栄子、釈由美子、井上和香など、人気者になった女性タレントが巣立った。

　キムラ店に、吹石一恵、加藤あい、小池栄子、釈由美子、井上和香が居たら、誰を指名するか？　大いに迷うところだが、吹石一恵だな。

　ムキリョクンは、釈由美子がストライクど真ん中だそうだ。それはわかる。

　言っとくが、わしは「グラビアの美少女」が見たくてモンドチャンネルに加入したんじゃないぜ。モンドチャンネルでプロ麻雀対局を放送するから、モンドチャンネルを申し込んだのである。

　そしたら、「グラビアの美少女」をモンドチャンネルが放送していて、その余録を食んでいたわけだ。実際、録画しまくった。

　プロ麻雀対局を見て、伊藤優孝の鬼引きとヘタクソぶり、小島‘先生’の守りの固さ、安藤プロの御無礼Ｔシャツを知った。

　モンドチャンネルのコンセプトは訳がわからなかった。プロ麻雀対局、グラビアの美少女、丹波哲郎の好きにやらせろ、韓国陸軍の映像って、あんだ、その脈絡のなさは？　

　「丹波哲郎の好きにやらせろ」や韓国陸軍の映像番組なんて、誰が見るよ？　ちなみに、「丹波哲郎の好きにやらせろ」は、丹波哲郎が霊界について滔々と語る番組であった。

　今日のムキリョクンは、珍しく後ろ向きの話が少なかった。もっと人生消化試合の話を聞きたかったぜ。

　さ、明日も出勤だ。明日は翁ワールドを堪能したい。